オセロの商標とその影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 17:32 UTC 版)
「オセロ (ボードゲーム)」の記事における「オセロの商標とその影響」の解説
ゲームとしての独自性の有無はともかくとして、長谷川の構築した名称・用具・環境を伴うブランド力によってオセロは全世界に普及した。オセロの認知度が向上するに伴い、次第にリバーシ自体がオセロの影響を受けるようになった。 20世紀のリバーシにはクロス、パラレル、オリジナルの3つの初期配置ルールが存在することは前述したが、現代ではパラレルやオリジナルのルールでプレイされることはほとんどなく、オセロと同様のクロス配置が主流となっている。また、石の色も黒白、黒赤、赤白の3パターンがあったが、こちらも現代ではオセロと同じ黒白が主流となっている。つまり、もはや両者に違いはなく、実質的にリバーシはオセロの別名と言いうる状況となっている。 これは、オセロの商標権を持つツクダ(ツクダオリジナル、パルボックス、メガハウス)以外の各社が、商標権との抵触を避けつつオセロと同様の商品を販売するためにリバーシの名を借りたためである。1973年のオセロ発売当初、「オセロ」という商品名は商標として、黒白の石や緑の盤面などのデザインは意匠として、ともにツクダによって登録され、権利保護の対象となっていた。その後、意匠権は保護期間の20年が満了したため、他社も同一のデザインを使用することができるようになったが、商標権はなおも保護が続いている。そこで、他社は、オセロはリバーシの商品名の一つであるとする見解に基づき、「リバーシ」の商品名でオセロと同一デザインの商品を発売するのが一般的となっているのである。 1999年には、日本最大手のオセロ情報サイトを運営していた元タイトルホルダーのオセロ選手に対し、ツクダオリジナルが商標権侵害であるとして内容証明郵便を送り付けたことがきっかけとなって、日本で商標権のないリバーシに着目する動きが広まり、元タイトルホルダー4名を含む多数の高段者たちが集まって日本リバーシ協会を設立した。日本リバーシ協会の理事に対して「リバーシ禁止—オセロ連盟を除名」と題した脅迫状が送り付けられる事件が発生し、日本オセロ連盟の一部幹部からは、リバーシはオセロと敵対するゲームであるとして日本リバーシ協会を排斥する主張がなされたとされる。その後、日本リバーシ協会は活動を停止した。 なお、日本の公共放送NHKでは、オセロの商標を避けるために「黒と白の石を取り合うゲーム」などと言い換えて報道していたことがある。
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