エラム文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/04 07:37 UTC 版)
数世紀をかけて、3種類のエラム文字が相次いで発展してきた。現在はどの文字も使われていない。 原エラム文字はエラム文字のなかで最も古い。紀元前2900年頃にエラムの首都スサで使われたものが最古の記録である。原エラム文字は初期のシュメール文字から発達したと考えられている。原エラム文字には約1,000の文字種があり、一部は表意文字であると考えられている。原エラム文字はまだ解読されていないため、この文字がエラム語を表していたのか、他の言語を表していたのかは不明である。字形は縦長のひし形(ダイヤ型)やアスタリスク、垂直線、垂直線に三角形を追加した形状など幾何学図形から成り立っている。 エラム線文字(英語版)は原エラム文字から派生した音節文字である。紀元前2250年頃から2220年頃の間に使われていたことが知られているが、おそらくそれより以前に発明されたものである。エラム線文字は主にヴァルター・ヒンツ(ドイツ語版)(Walther Hinz)とピエロ・メリッジ(イタリア語版)(Piero Meriggi)により、部分的にのみ解読されている。エラム線文字は約80の文字をもち、縦書きで、上から下へ書かれ、行は左から右へ並べられる。 エラム語楔形文字は紀元前2500年頃から紀元前331年にかけて使用された。これはアッカド語の楔形文字を借用したものである。エラム楔形文字は約130文字からなり、他の楔形に比べるとはるかに文字数が少ない。
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