CFPフラン
(ウォリスフツナの通貨 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/05 11:47 UTC 版)
CFPフラン | |
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franc pacifique | |
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10,000 CFPフラン紙幣
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ISO 4217 コード |
XPF |
中央銀行 | Institut d'émission d'Outre-Mer (IEOM) |
ウェブサイト | www |
使用 国・地域 |
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インフレ率 | 1.1% (フランス領ポリネシア 2007年), 1.4% (ニューカレドニア 2000年) |
情報源 | The World Factbook |
固定レート | XPF = 0.00838 ユーロ |
補助単位 | |
1/100 | サンチーム 現金の単位としては使われていない。 |
通貨記号 | F |
硬貨 | 5, 10, 20, 50, 100, 200 フラン |
紙幣 | 500, 1000, 5000, 10 000 フラン |
CFPフラン(英語:CFP franc、仏語:franc pacifiqueまたはfranc CFP)は、ニューカレドニア、ウォリス・フツナ、フランス領ポリネシアで構成されるフランスの南太平洋地域における海外領土の通貨である。一般的にはパシフィック・フラン、フランス語ではフラン・パシフィーク(le franc pacifique)(太平洋フラン)と呼ばれる。
概要
フレンチ・パシフィック・フラン[1]、パシフィック・フラン(太平洋フランの意)とも呼ばれる。0.00838ユーロと等価であり、通貨コードはXPF。通用地域はいずれもフランス領である。海外通貨発行局(Institut d'émission d'Outre-Mer、IEOM)で発行されている。
CFAフランと同じく1945年12月に創設された。これは第二次世界大戦の影響およびブレトン・ウッズ協定によるフランス・フランの価値の低下によるものである。第二次世界大戦中のフランス領太平洋地域はアメリカ合衆国の影響が大きかったこともあり、ドルとの固定為替相場で設定された。1949年9月にはフランス・フランとの固定相場となった。このうち、ニューヘブリディーズ諸島(現 バヌアツ)は1969年にCFPフランを離脱し、オーストラリア・ドルとの固定相場のニューヘブリディーズ・フランに移行した。CFPフランもユーロとの固定相場に移行した。
「CFPフラン」は1945年制定時には「franc des Colonies françaises du Pacifique(仏領太平洋地域フラン)」の略だったが、後に「Communauté financière du Pacifique(太平洋金融共同体)」「Change Franc Pacifique(太平洋フラン通貨)」などの略とされている場合もあり、公式の呼称は存在しない。
2022年2月26 日に発効した、2021年9月15日の条例は、CFP フランという名前を「太平洋のフランス共同体のフラン」(フランス語:le franc des collectivités françaises du Pacifique (francs CFP))と定義している[1]。
為替相場
- 1945年12月-:1 USD = 49.6 XPF。1945年12月時点で1 XPF = 2.40 FRF。
- 1949年9月-:1 XPF = 5.50 FRF。
- 1960年1月-:1 XPF = 0.055 FRF。フランス・フランのデノミに伴う。
- 1999年1月-:1,000 XPF = 8.38 euro。ユーロの導入に伴う。
現在のXPFの為替レート | |
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Google Finance: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
Yahoo! Finance: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
Yahoo! ファイナンス: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
XE: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |
OANDA: | AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD |

紙幣
海外通貨発行局(IEOM)は1965年からニューヘブリディーズ諸島にて、その後1969年にニューカレドニア、フランス領ポリネシアにて紙幣を発行開始した。1985年にはニューカレドニア、フランス領ポリネシア共通の1万CFPフラン紙幣が発行され、その後1992年から1996年の間に500フラン、1000フラン、5000フランの紙幣が太平洋地域のフランス領共通紙幣として発行された。
1969年から2014年までの紙幣では、片面はニューカレドニアの風景と歴史的人物が描かれ、もう片面にはフランス領ポリネシアの風景と人物が描かれていた。 2014年に紙幣のデザインが変更されて[2]、人物は無く南太平洋地域の自然・動植物や固有の建物などが描かれている。
画像 | 額面 | サイズ | 主要色 | デザイン | ||||
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表 | 裏 | 表 | 裏 | |||||
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500フラン | 120 × 66 mm | 緑 | プルメリア、ティアレ | カヴァ、極楽鳥花 | ||
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1,000フラン | 126 × 66 mm | オレンジ | ヘイワインコ、カグー | エイ、ウミガメ | ||
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5,000フラン | 132 × 73 mm | 青 | 珊瑚、真珠のある牡蛎、ハタタテダイ、ガクフボラやホネガイの貝 | ナポレオン・フィッシュ、オウムガイ | ||
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10,000フラン | 138 × 73 mm | 赤 | チバウ文化センター、カナックの小屋 | クロスしたオール、ファレ、ヤシの木 | ||
これらの画像は1ミリメートルあたり0.7ピクセルの縮尺になっている。 出典: Numizon.[3] |
硬貨
現在最新版の硬貨は、2021年に発行開始されたもので、5, 10, 20, 50, 100, 200フランの6種類の額面がある。材質については、5フランはステンレス、10, 20フランは白銅、50, 100フランは白銅とアルミニウムの合金、200フランは外周白銅・内側白銅-アルミニウム合金によるバイメタル貨である。
かつて発行されていた1, 2フランのアルミニウム製の硬貨は2021年に流通停止された。それに伴い、現金支払いの場合は、フラン単位の一の位は計算上の金額に対し二捨三入七捨八入の扱いとなる。
CFPフラン硬貨 (2021年–) | ||||||||||
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画像 | 額面 | 技術仕様 | 詳細 | 通称 | ||||||
表 | 裏 | 直径 | 厚さ | 重量 | 組成 | 縁 | 表面デザイン | 裏面デザイン | ||
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5フラン | 21 mm | 1.9 mm | 4.8 g | ステンレス鋼 | 滑縁 | 波線デザイン | ティアレ・タヒチとプルメリアの花、クックパイン(クックナンヨウスギ)、タロイモの葉 | F 5 |
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10フラン | 23 mm | 1.7 mm | 5.6 g | 白銅 | ギザ縁 | 波線デザイン | セイルカヌー、シロアジサシ、エイ、牡蛎 | F 10 |
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20フラン | 26 mm | 1.7 mm | 7.1 g | ナポレオン・フィッシュ, エンゼルフィッシュ、ウミガメ、リーフフィッシュ | F 20 | |||
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50フラン | 24 mm | 2.0 mm | 6.6 g | 白銅アルミニウム | 滑縁 | 波線デザイン | カグー、ヘイワインコ、パンノキ、シダ、ニアウリ | F 50 |
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100フラン | 27 mm | 2.0 mm | 8.3 g | ギザ縁 | 伝統的なファレ(茅葺小屋)、ポリネシアの家財 | F 100 | ||
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200フラン | 25 mm | 2.3 mm | 8.5 g | バイメタル:白銅(周縁部) 白銅アルミニウム(中央部) |
ギザ縁 | 波線デザイン | ティキ、木鼓、ウクレレ、ウベアタパ | F 200 |
出典: Numista.[4] 旧硬貨はw:New Caledonian francw:French Polynesian franc参照。 |
脚注
- ^ “ニューカレドニア・オフィシャル・ガイドブック”. ニューカレドニア観光局. 2021年12月12日閲覧。
- ^ 2014年から、紙幣のデザインが変わりますニューカレドニア観光局
- ^ “Overseas Issuing Institute (2014)”. Numizon. 2023年6月20日閲覧。
- ^ “Coins from the French Pacific Territories”. Numista. 2023年6月17日閲覧。
関連項目
外部リンク
- ウォリスフツナの通貨のページへのリンク