インドによる障壁の設置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/18 07:38 UTC 版)
「管理ライン」の記事における「インドによる障壁の設置」の解説
インドは、延長740キロメートルの管理ラインに沿って、550キロメートルの障壁を建設した。障壁は、管理ラインからインドの支配地域側に約150ヤード(約140メートル)程度離れた場所に設置されている。インドは、障壁を設置した目的を、パキスタンを拠点とする分離主義過激派による武器の密輸と侵入を排除することであると発表した。障壁は高さ8–12 ft (2.4–3.7 m)の2列の柵と蛇腹形鉄条網(英語版)で構成された電気柵で、モーションセンサー、熱感知装置、照明装置、警報装置が接続されている。障壁は、インド軍に警戒信号を発し、侵入しようとする者を待ち伏せするための「高速警戒信号」として機能する。障壁のない箇所には数千もの地雷が敷設されている。 障壁の建設は1990年代に開始されたが、インドとパキスタンの対立が激化した2000年代初頭には減速した。2003年11月の停戦協定後、建設が再開され、2004年後半に完了した。管理ラインの障壁は、2004年9月30日にカシミール渓谷とジャンムー地域で完成した。インドの軍事筋によると、障壁により、紛争地帯のインド側に日常的に侵入して兵士を攻撃する過激派の数が80%減少した。 パキスタンは、障壁は地域における二国間協定とそれに関連する国連決議の両方に違反しているとして、障壁の構築を批判している。欧州連合は、障壁を「テロリストの侵入を制御する技術的手段の改善」とするインドの立場を支持し、「管理ラインは1972年のシムラ協定に従って定義されている」とも指摘した。
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