インディアナポリスでの実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:42 UTC 版)
「ストラディバリウス」の記事における「インディアナポリスでの実験」の解説
最初の実験はインディアナポリスで2010年9月に開催された第8回ヴァイオリンコンクールで実施され米国科学アカデミーに発表された。23人のプロ演奏家が、20台のヴァイオリンから「音色」「音の伝達性」「演奏しやすさ」「演奏への反応性」の4点について評価を行い、上位の4台を選出するテストだった。テストの度に、最も悪いと感じた楽器にはマイナスポイントが与えられた。しかし実際に用意されたのは新作楽器3台と2台のストラディバリウスと1台のグァルネリの合計6台で、同じ楽器を違う楽器と偽って複数回演奏させることで判断の精度を高める工夫がされた。演奏者は溶接用のサングラスをかけて何を演奏しているか視覚的に判断できないように二重盲検査試験で実施された。楽器の違いも感じ取れないように顎当ての下に僅かな臭いがする物体を取り付けた。各楽器は貸し出されたままの状態で、一般的な弦が使用された楽器であった。21人の被験者には、コンテストの出場者が4人、コンテストの審判者2人、インディアナポリス交響楽団のメンバーが含まれ、19人がプロを自称し、10人が音楽の博士号を持ち、出場者4人のうち2人はこのコンテストに入賞した。テストの結果、最も優れた楽器として新作楽器が選ばれ、最も悪い楽器とされたのは1700年に制作されたストラディバリウスであった。具体的な順位は、「新作楽器2>>新作楽器3>ガルネリ>ストラド1715年>新作楽器1>ストラド1700年」の順であった。最も悪い楽器であるとして多数の演奏者からマイナス評価を得た1700年のストラドは、長年に渡り数多くの巨匠がコンサートやレコード録音で度々使用されるという輝かしい経歴をもつ楽器であった。
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