イネによる長期統治
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/20 16:50 UTC 版)
「ウェセックス王国」の記事における「イネによる長期統治」の解説
キャドワラの後はイネが継いだ。イネもチェウリンを通じてチェルディッチの子孫と自称していたが、また遠縁の血統ではあった。イネの統治は長く38年に及んだ。現存している古英語の法典は、ケント王国のものを除けば、イネの治世のものが最古である。また彼はシャーボーンに司教区を築き、セルウッド(en:Selwood Forest)以西の領土を支配下に置いた。晩年、先王キャドワラに習い、ローマへ巡礼。チェルディッチの末裔を名乗る王位は幾人かの王たちに移譲されたが、系譜学として関連は定かでないものとなっている。 8世紀にウェセックス王国の勢いは北方のマーシア王国に劣後する事となり、幾度か西サクソン王国の王はマーシア王の支配下に入る事となった。とは言うもののウェセックス王国は、マーシア王国が小国に対して振舞うような高圧的な支配統治は免れてはいた。この時期にウェセックス王国は西方ドゥムノニアを吸収しデヴォンを支配下に押さえる事に成功する。マーシア王国が現在のグロスターシャー、オックスフォードシャーに相当するウェセックス王国の北部旧領へ進攻した結果、テムズ川とエイヴォン川が境界となり、中心地がハンプシャー、ウィルトシャー、バークシャー、ドーセット、そしてサマーセットの各州へと区分けされた。このようなウェセックス王国に見られた州制度は後のイングランド王国の地方行政単位となり、イギリスの行政制度の礎となるが、8世紀中ごろには成立していた。
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