イチヨウラン属とは? わかりやすく解説

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イチヨウラン

(イチヨウラン属 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 09:53 UTC 版)

イチヨウラン
福島県西吾妻山 2015年5月下旬
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: イチヨウラン属 Dactylostalix
: イチヨウラン D. ringens
学名
Dactylostalix ringens Rchb.f.[1]
シノニム
和名
イチヨウラン(一葉蘭)[3]

イチヨウラン(一葉蘭、学名Dactylostalix ringens )は、ラン科イチヨウラン属の地生の多年草。別名、ヒトハランヒメヒトハラン[1][3][4][5][6][7]

特徴

地下の根茎は細く、短く横に這い、根茎から1葉を出す。は、長さ1-2cmの葉柄があり、葉身は卵円形で、長さ3-6cm、幅3-4cmになり、先端はやや鈍頭、基部は鈍形となる。葉は多肉質で硬く、表面は青味を帯びた緑色で、光沢はない[3][4][5][6]

花期は5-7月。花茎は直立して高さ10-20cmになり、花茎には鞘状の鱗片葉が1-2個つき、花茎の先に1個のをつける。は4角状楕円形で長さ2-3mmになる。萼片と側花弁は長さ2-2.5cmになる倒披針形または線状披針形で、先端はやや鈍頭になり、色は淡緑色で紫色の斑点がある。唇弁は広楕円形で下垂し、白色で紫色の斑点があり、ほぼ中央で側裂片と中裂片に3裂する。2個の側裂片は蕊柱を囲って立ち、長さ2-3mmになる広卵形で、先は紫色になる。中裂片は長さ幅ともに約7mmになり、基部に2条の隆起線があり、縁はやや波状になる。蕊柱は長さ10mmで、扁平なくさび状狭長楕円形となる[3][4][5][6]

分布と生育環境

日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し[5]、亜高山帯や冷涼で明るい林内に生育する[7]。国外では、サハリン千島列島に分布する[8]

名前の由来

和名のイチヨウランは、一葉蘭の意で、葉が1枚しかつかないことによる[5][6]学名の属名、Dactylostalixは、ギリシア語で、dactylos「指」+stalix「杭」で、蕊柱の形からきており、種小名のringensは、「開口形の」「口を広くあけた」の意味[6]

下位分類

  • ヒメウズラヒトハラン Dactylostalix ringens Rchb.f. f. punctata (Miyabe et Tatew.) Yonek.[9] - 葉に紫褐色の斑点が散在するものを品種として区別する[5]

ギャラリー

イチヨウラン属

イチヨウラン属(イチヨウランぞく、学名:Dactylostalix Rchb.f.、和名漢字表記:一葉蘭属)はラン科の一つ。地下の根茎は細く短く横に這い、偽球茎をつくらない。根茎の先に卵円形で肉質の葉を1個つけ、葉柄があり、葉脈は不鮮明である。花茎に1-2個の鞘状葉があり、茎先に1個のやや大型の花をつける。萼片および側花弁は細長くほぼ同形で半開する。唇弁の背面がややふくれ、基部に短い爪があり、距はない[5]。日本列島、千島列島、サハリンに分布し[8]、本属にはイチヨウラン1種のみが知られている[5]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b イチヨウラン「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ イチヨウラン「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.93
  4. ^ a b c 「朝日百科『世界の植物』8」p.1991
  5. ^ a b c d e f g h 『日本の野生植物 草本I 単子葉類』p.228
  6. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.1085,p.1290,p.1345
  7. ^ a b 『日本ラン科植物図譜』p.275, p.377
  8. ^ a b Dactylostalix ringens – eMonocot
  9. ^ ヒメウズラヒトハラン「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)

参考文献

外部リンク



イチヨウラン属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 09:53 UTC 版)

イチヨウラン」の記事における「イチヨウラン属」の解説

イチヨウラン属(イチヨウランぞく、学名:Dactylostalix Rchb.f.、和名漢字表記一葉蘭属)はラン科の属の一つ地下根茎細く短く横に這い偽球茎つくらない根茎先に卵円形肉質を1個つけ、葉柄があり、葉脈不鮮明である。花茎1-2個の鞘状があり、先に1個のやや大型の花をつける。萼片および側花弁細長くほぼ同形半開する。唇弁背面がややふくれ、基部に短い爪があり、距はない。日本列島千島列島サハリン分布し本属にはイチヨウラン1種のみが知られている。

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