イスチグアラスト州立公園の概要
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「イスキグアラスト/タランパヤ自然公園群」の記事における「イスチグアラスト州立公園の概要」の解説
イスチグアラスト州立公園はチリ国境近くのサンフアン州の北東部に位置し、北部境界はタランパジャ国立公園に接する。本公園の面積は603.7 km2、海抜は約1,300mである。本公園はPampean丘陵の西縁部にあたり、本公園の10%から20%が砂漠性の植生になっている。気候はたいへん乾燥しており、降雨は夏に限られ、気温の日較差が大きい(-10°C~45°C)。つねに強い南風(20-40km/h)が午後~夕方にかけて吹き荒れる。 本公園内にはイスチグアラスト累層と呼ばれる三畳紀後期の地層(カーニアン期:約2億3000万年前)が分布する。この地層からは世界最古の恐竜や当時の陸上爬虫類の化石が産出する。イスキグアラスト累層は三畳紀後期の層序を良好に保存しているため、当時の陸上の動物相を復元できる世界的に貴重な地層である。また、三畳紀に爬虫類が恐竜や哺乳類へと進化していった過程を研究する重要な研究対象にもなっている。 イスチグアラスト累層の周りに発達する乾燥したBadlandは、荒涼とした風景のためにValle de la Luna(月の谷)と呼ばれる。カーニアン期には、この地域は雨季に強い雨が降る河川の氾濫原だった。Protojuniperoxylon ischigualastianusなどの高さ40mにも達する巨大な珪化木は当時の豊かな植生を示している。他にもシダ類やトクサ類の化石も産出する。 この公園内ではリンコサウルス類やキノドン類が多産する。それに対し、恐竜は陸上脊椎動物化石のうち、6%を占めるに過ぎない。しかし、恐竜の2つの分類群―竜盤目と鳥盤目―がすでに分化している。恐竜の中では肉食のヘルレラサウルスが最も多産する。他にも最も原始的な特徴を備えた恐竜の一つ、エオラプトルが産出した。
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