アーリア人の拝火
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 09:14 UTC 版)
「火炎崇拝」あるいは「拝火」という言葉はまずゾロアスター教(通称・拝火教)と結び付けて考えられるが、ゾロアスター教は火自体を崇拝したわけではない。ゾロアスター教における火とは、清浄・正義・真理の象徴であると考えられている。火を神聖視するこの信仰はゾロアスター教以前に遡る。 ヴェーダ宗教では火神アグニが人間と神々を仲介し、火により人間の供物と祈りが天上にもたらされると考えられた。この思想はヒンドゥー教にも伝えられ、さらに仏教(大乗仏教の密教)にも取り込まれて護摩の儀式となった。なお、アグニは文字通り「火」の意味と考えられ、ラテン語やスラヴ語にも同系の語がある。 アーリア人の火炎崇拝の源流としては、考古学的には紀元前1500年頃のフョードロヴォ文化(アンドロノヴォ文化の一環)に火葬と火炎崇拝の痕跡が見出されている。火葬はヒンドゥー教では一般的となったが、ゾロアスター教では神聖な火を汚すことは禁じられたため、火葬は行われなかった。
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