アルンガス田
読み方: あるんがすでん
【英】: arun gas field
【英】: arun gas field
インドネシアの北スマトラ・アチェ州にあり、1971年Mobil社により発見された東南アジアでは最大級の陸上ガス田である。 深度 3,000~4,000m にある貯留層は一枚の厚い石灰岩層であり、幅 5km 、長さ 20km に広がり、面積は約85km2 、層厚は平均 150m 、最大で 370m あり、孔隙(げき)率約 16 %で、埋蔵量は約 17Tcf(約4,800億 m3) といわれている。このガス田の特徴は貯留層が高温(約 180 ℃)、高圧(約 500kg/cm2G)で炭酸ガスの含有率が約 15 %と高いことである。このため生産開始直後は炭素鋼製のウェル・ヘッド部や配管などに激しい炭酸腐食トラブルを起こした。またガス中に水銀が 150μg, Nm3 含まれているため、後述の液化基地には水銀除去設備が設けられている。ガス生産は 8 坑のガス井を一つの基地から傾斜掘りし、そこに独立した生産設備ユニット(生産井、プロセス設備、ユーティリティ設備により構成)を設けるクラスター方式で行っており、四つのクラスターで生産している。個々の生産井の生産能力は極めて高く 100MMscfd 生産井を越えている。産出したガスはコンデンセートを分離し、一部を再圧入し残りの大部分のガスとコンデンセートは 30km 離れた天然ガス液化基地に送られ、LNG とアルン・コンデンセートとして輸出されている。LNG は全量を日本に輸出しており、1982 年末までの累計生産量は約 18 百万トンである。またコンデンセート生産量は 1983 年で平均約 80,000b/d である。ガスは LNG 以外にアンモニア・尿素製造の原・燃料としても利用されており、将来は分離したエタンを原料としてエチレン・コンビナートも計画されている。 |
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