アフィン変換と線型変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 02:11 UTC 版)
「アフィン写像」の記事における「アフィン変換と線型変換」の解説
幾何学的な設定で、アフィン変換はちょうど直線を直線に写す。 線型変換は任意の線型結合を保つ写像であり、アフィン変換は任意のアフィン結合を保つ写像である。ここでアフィン結合とは、係数の総和が 1 に等しいような線型結合をいう。 ベクトル空間の部分アフィン空間(あるいは線型多様体)は部分線型空間の各ベクトルにある定ベクトルを加えることによって得られる、部分線型空間で割った同値類である。ベクトル空間の部分線型空間は、線型結合に関して閉じている部分集合であり、部分アフィン空間はアフィン結合に関して閉じている部分集合である。 たとえば R3 において、原点、原点を通る直線、原点を通る平面、空間全体は部分線型空間であり、一般の点、直線、平面、空間全体は部分アフィン空間である。 ベクトルからなる系が、系に属するどのベクトルも他の線型結合に表されることが無いとき線型独立というのと同様、どのベクトルも他のアフィン結合に表されることが無いときアフィン独立であるという。ベクトルからなる集合に対して、その線型結合全体の成す集合をそれらのベクトルが「(線型に)張る(あるいは生成する)」といい、常に部分線型空間を成すのと同様に、アフィン結合の全体の成す集合はそれらが「(アフィン的に)張る(あるいは生成する)」といい、常に部分アフィン空間を成す。たとえば、二点からなる集合がアフィン的に張る部分集合はその二点を含む直線であり、同一直線上にない三点がアフィン的に生成する部分空間はその三点を含む平面である。ベクトルの集合 v1, v2, ..., vn が線型従属であるとは、ベクトル a = (a1, a2, … ,an)T で条件 a ≠ 0 かつ a1v1 + a2v2 + … + anvn = 0 を満たすものが存在する場合にいう。同様にこれらのベクトルがアフィン従属であるとは、同じ条件に加えて ∑ i = 1 n a i = 0 {\displaystyle \sum _{i=1}^{n}a_{i}=0} をも満たす場合をいう。ベクトル a はベクトルの集合 v1, v2, ..., vn にアフィン従属である。 可逆アフィン変換全体の集合は写像の合成を演算として群を成す。アフィン群と呼ばれるこの群は、Kn と GL(n, k) との半直積である。
※この「アフィン変換と線型変換」の解説は、「アフィン写像」の解説の一部です。
「アフィン変換と線型変換」を含む「アフィン写像」の記事については、「アフィン写像」の概要を参照ください。
- アフィン変換と線型変換のページへのリンク