アキレスと亀とは? わかりやすく解説

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アキレス‐と‐かめ【アキレスと亀】

読み方:あきれすとかめ

ゼノンの逆説の一。俊足アキレス鈍足の亀を追いかけるとき、アキレスはじめに亀のいたところに追いついたときには、亀はわずかに前進している。ふたたびアキレス追いかけて亀がいたところに追いついたときには、さらに亀はわずかに前進している。これを繰り返すかぎり、アキレスは亀に追いつくことはできないという説。一見アキレスが亀を追い越すはずという直感反す結論となる。

[補説] 数学的には、アキレスが亀に到達するまでにかかる時間級数が、その極限において収束するため、一定時間内に追いつくことができ、矛盾生じない


アキレスと亀

作者清水義範

収載図書アキレスと亀
出版社広済堂出版
刊行年月1989.11

収載図書アキレスと亀
出版社角川書店
刊行年月1992.6
シリーズ名角川文庫


アキレスと亀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 04:16 UTC 版)

ゼノンのパラドックス」の記事における「アキレスと亀」の解説

「走ることの最も遅いものですら最も速いものによって決し追い着かれないであろう。なぜなら、追うものは、追い着く以前に、逃げるものが走りはじめた点に着かなければならず、したがって、より遅いものは常にいくらかずつ先んじてなければならないからである、という議論である」。 あるところにアキレスと亀がいて、2人徒競走をすることとなった。しかしアキレスの方が足が速いのは明らかなので亀がハンディキャップもらっていくらか進んだ地点地点Aとする)からスタートすることとなったスタート後、アキレス地点Aに達した時には、亀はアキレスがそこに達するまでの時間分だけ先に進んでいる(地点B)。アキレス今度地点Bに達したときには、亀はまたその時間分だけ先へ進む(地点C)。同様にアキレス地点Cの時には、亀はさらにその先にいることになる。この考えいくらでも続けることができ、結果いつまでたってもアキレスは亀に追いつけないゼノンのパラドックス中でも最もよく知られたものの一つであり、多数文献彼の手に帰しているが、ディオゲネス・ラエルティオスが引くパボリノスの説によれば、この議論創始したのはパルメニデスであるという。 その議論キャラクター面白さから、アキレスと亀という組み合わせは、この論自体とともに多く作家引用された。たとえば、ルイス・キャロルの『亀がアキレスに言ったこと』や、ダグラス・ホフスタッター啓蒙書『ゲーデル、エッシャー、バッハ』に主役として登場する

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アキレスと亀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 04:16 UTC 版)

ゼノンのパラドックス」の記事における「アキレスと亀」の解説

二つ条件(亀がアキレスの前からスタートする、亀はアキレスより遅い)の下において、追付くか否か問題とされている。純粋に数学的に見れば、この条件下では、それは定まらないゼノン式に捉えたとしてもそれは同じである。従って、ゼノン誤りは、何れとも決せられないことであるのに、一方断じていることである。そのことは、アリストテレス始めとする、ゼノン式の捉え方そのもの問題孕むのだとする論議は、追付かないケースもある事を見ていない限りにおいて、何処か問題孕んでいる可能性があることを示唆している。 追付かない事例は、亀がアキレスより遅い事を維持しつつ、両者速度差が急速に縮まる設定にすれば、亀に追いつくまでのゼノン捉え方での時間積算発散する事例作ることが出来る。この事例は、古代ギリシャ時代数学では困難であったかも知れない追付く事例無数に作りうる。例えば、両者それぞれ等速度で動くと仮定すると、亀に追いつくまでの時間ゼノン捉え方での各過程経過時間積算コーシー列となる。よって上限持ち追付くと言いうる。この仮定の下での計算例を、以下参考に示す。 アキレス走行速度を v m/s、亀の歩行速度rv m/s とし、亀はアキレスより L m 前方にいるとする。亀の歩行速度アキレス走行速度よりも小さいので、0 < r < 1 である。両者同時にスタートしてアキレスが亀の出発点まで到達する時間は (L/v) s である。その時亀はアキレスより rv × L/v = rL m 前方にいる。そしてアキレスがその位置まで到達するのはさらに (rL/v) s 後であり、その時亀はさらに r2L m 前方にいる。以下同様にそれを繰り返していくと、アキレスが亀の位置まで到達する時間合計L v + r 1 L v + r 2 L v + r 3 L v + ⋯ {\displaystyle {\frac {L}{v}}+r^{1}{\frac {L}{v}}+r^{2}{\frac {L}{v}}+r^{3}{\frac {L}{v}}+\cdots } となる。つまり、項が無限に続き、「常にいくらかずつ先んじて」いるかに見える。 これは初項 L/v, 公比 r の等比数列で、n + 1 項までの部分和(=各経過時間積算)は L v + r 1 L v + r 2 L v + r 3 L v + ⋯ + r n L v = 1r n + 1 1 − r L v {\displaystyle {\frac {L}{v}}+r^{1}{\frac {L}{v}}+r^{2}{\frac {L}{v}}+r^{3}{\frac {L}{v}}+\dotsb +r^{n}{\frac {L}{v}}={\frac {1-r^{n+1}}{1-r}}{\frac {L}{v}}} となる。ここで n → ∞ とすると、0 < r < 1 であるので、rn+1 → 0 となる。つまり無限級数 L v + r 1 L v + r 2 L v + r 3 L v + ⋯ {\displaystyle {\frac {L}{v}}+r^{1}{\frac {L}{v}}+r^{2}{\frac {L}{v}}+r^{3}{\frac {L}{v}}+\cdots } の和は 1 1r L v {\displaystyle {\frac {1}{1-r}}{\frac {L}{v}}} (=各経過時間積算の上限)となる。このように級数の収束問題還元される。 なお、最後計算結果は、「アキレスが t 秒後に追いつく」として立てられる1次方程式 v t = L + r v t {\displaystyle vt=L+rvt} の解と一致している。

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