アイゼンメンジャー‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【アイゼンメンジャー症候群】
読み方:あいぜんめんじゃーしょうこうぐん
《Eisenmenger syndrome》心室中隔欠損などの疾患により肺高血圧症が亢進し、静脈血が動脈側に流れ込み、チアノーゼが現れる状態。左心房と右心房、左心室と右心室を隔てる壁に欠損孔がある場合や、動脈管が開存し肺動脈と大動脈がつながっている場合、血圧が高い左側から右側へ血液が流れ、その結果、肺血流量が増加することにより肺高血圧症となる。この症状が進行すると、逆に右側から左側へ血液が流れるようになり、全身に静脈血が送り出され、チアノーゼとなる。小児慢性特定疾患の一。治療は困難で、肺動脈拡張薬の処方や在宅酸素療法など対症療法が中心。原因である心疾患の手術は肺高血圧がさらに亢進するため禁忌であり、現状での根治療法は心肺同時移植手術のみとなる。平成21年(2009)1月、アイゼンメンジャー症候群の患者に、国内では初めての心肺同時移植手術が行われた。アイゼンメンゲル症候群。
アイゼンメンゲル症候群
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アイゼンメンゲル症候群(アイゼンメンゲルしょうこうぐん、アイゼンメンジャー症候群、英 Eisenmenger's syndrome)はシャントの右側が左側より血圧が高いことにより、チアノーゼを生じる重大な右左シャントを伴う心不全。ウィーンの医師Victor Eisenmengerにより1897年報告された。[1]
概要
肺血流が増加する疾患が原因で肺高血圧が進行し、肺動脈の不可逆的閉塞が進行して肺血流が増加しなくなる病態。左右シャントがある疾患では逆に右左シャントとなり、チアノーゼが生じる。
原因
肺高血圧によって肺動脈の内皮細胞が障害され、血清成分が侵入してエラスターゼが活性化されて平滑筋が肥厚すると考えられている。
症状
心不全に伴う症状のほか、喀血や胸痛、チアノーゼなどを生じる。
検査
治療
アイゼンメンゲル化した時点で原疾患への手術適応がなくなり、完治には心肺同時移植が必要となる。肺高血圧に対し酸素投与や亜硝酸剤、カルシウム拮抗薬などが用いられる。
脚注
- ^ V. Eisenmenger: Die angeborenen Defekte der Kammerscheidewände des Herzens. Zeitschrift für klinische Medizin, 1897, 32 (Supplement): 1-28.
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