ろう教育と日本語対応手話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 16:00 UTC 版)
「日本語対応手話」の記事における「ろう教育と日本語対応手話」の解説
同時法的手話(後の日本語対応手話)は人工的に考案された、手指で日本語を完全に表記するという矛盾に満ちた提案であり、手話には3つの種類があると誤解が広がることになったという批判がある。また、伝統的手話(日本手話)がろう者にとって大切なものと尊重しながらも教育の場では否定的に扱われ、同時法的手話(日本語対応手話)の必要性が強調されていることを問題視する立場もある。 日本語対応手話は、口話だけではなく、ろう児とコミュニケーションがとれるものは何でも導入しようというトータルコミュニケーション(TC)という概念のもとに導入されたケースも多くみられる。TCには、手話はもちろん、指文字や発音を口形と指で表すキュードスピーチ、身振り、ジェスチャーなども含まれる。TCにおける手話はあくまで口話法の補助的な役割を果たすものであった。TCは1960年代にアメリカで提唱され、20年足らずで全米に広まった。しかし、1988年にアメリカ政府委員会の報告によるとその教育効果は口話法と変わらず、不十分な口話と不十分な手話から成る不十分なコミュニケーション手段でろう児を混乱させるだけであった。 上記のような問題点を踏まえて「日本手話を聾教育に用いるべきである」との主張がなされるようになったが、具体的な方針については、以下の2つの立場がある。 日本手話と日本語のバイリンガル教育を推進する立場(学校法人明晴学園や全国ろう児をもつ親の会) 日本で使用される手話の核となるのは日本手話であるが、それ以外の各種の手話を排除すべきではないという立場(全日本ろうあ連盟)。
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