より進んだ結果と未解決問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 13:44 UTC 版)
「円周率の無理性の証明」の記事における「より進んだ結果と未解決問題」の解説
ルジャンドルは π2 が無理数であることを示したが、現在では π の累乗は全て無理数であることが知られている(実は円周率は超越数であり,(非零有理数をべき指数とする)超越数のべき乗も超越数になるので(非零有理数をべき指数とする)円周率のべき乗は超越数になる。そうして超越数は無理数である)。実際、ドイツのリンデマンは、1882年に π が超越数であることを示した。これは、さらに一般的なリンデマンの定理の特別な場合である。この定理は、円周率のみならず、ネイピア数 e, 2の自然対数 log 2, 1 の正弦 sin 1 などが超越数であることを導く、非常に強力なものである。また、ネステレンコは π と eπ が Q 上代数的独立であることを示した。この事実は、π が無理数であることや超越数であることを内包している。 これらの進んだ結果が知られているにもかかわらず、円周率の性質が十分判明したとはいえない。例えば、その(任意の記数法において)小数展開の数字列が十分に「乱数的」であるといえるか(「真の乱数」による乱数列と、何か異なった性質がありはしないか)、例えば正規数であるか、という問題は(そうであろうとは一般に信じられてはいるが)いまだに未解決である。また、ππ や π + e のような単純な定数についても、無理数であるかどうかも分かっていないようなものがある。
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