円周率の無理性の証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 07:29 UTC 版)
円周率の無理性の証明(えんしゅうりつのむりせいのしょうめい)は、円周率が無理数であること、すなわち円周率の小数展開が無限に続き、しかも循環しないことの証明である。円周率が無理数であること自体はよく知られた事実であるが、その証明を目にする機会はあまりない[1]。知られている中で最も簡単な証明は、初等的な微分積分学のみを用いるものである。
- ^ 小平邦彦は、晩年のエッセイの中で「最近初めて証明を読んだ」と記している(小平 p. 79)。『数学セミナー』2004年12月号の特集「知っているようで知らない証明に再挑戦」で「π の超越性」が取り上げられた。
- ^ 歴史については Beckmann 16章 を参照。証明については Hairer & Wanner 1.6節 を参照。ランベルトの原論文は Mémoires sur quelques propriétés remarquables des quantités transcendantes, circulaires et logarithmiques. Mémoires de l'Académie royale des sciences de Berlin, année 1761/1768, 265-322 pdf ファイル
- ^ Ivan Niven, A simple proof that π is irrational, Bulletin of the American Mathematical Society, 53 (1947), 509. 論文の PDF ファイル
- ^ Jeffreys p.268
- ^ Aigner & Ziegler 6章。原論文は Y. Iwamoto, A proof that π2 is irrational, Journal of the Osaka Institute of Science and Technology 1 (1949), 147-148.
- ^ 初等教育においては、円周率の定義は「円周長の直径に対する比率」と学ぶ。この定義は初学者には受け入れ易いものの、現代数学の観点からは、曲線の長さの定義に依存しているという問題がある。そのため、現代数学においては、別の定義が採用されることが多い。円周率#定義も参照のこと。どの定義も結果的に同じ定数を定めることが従う。
- ^ a b c d L. Zhou and L. Markov, Recurrent Proofs of the Irrationality of Certain Trigonometric Values, arXiv:0911.1933.
- ^ 1885年にカール・ワイエルシュトラスが証明を簡潔にしたので、リンデマン–ワイエルシュトラスの定理とも呼ばれる。Beckmann 16章 を参照。定理の主張と証明については 塩川 2.7節 を参照。
- ^ 塩川 p. 93.
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