より温和な環境
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 07:57 UTC 版)
現在では、極限環境や嫌気環境だけでなく、より温和な環境にも(メタン菌以外の)古細菌が存在することが知られている。例えば極地の海、湖などの冷たい環境において古細菌の遺伝子が高頻度で検出されている。一般的な海洋においても、細胞数当たりで微生物の約20%を古細菌が占めるという。湿原や下水、海洋、土壌などにも古細菌は存在する。これらの古細菌の多くは、メタゲノム、脂質解析といった手法によりその生態が明らかにされつつある。 特にタウム古細菌は、2000年以降急速に研究が進展したグループである。2005年に初めてNitrosopumilus martimus純粋培養に成功し、2014年にはNitrososphaera viennensisが記載された(2018年度の記載種の数は6種)。分離源は水族館のフィルターや海水、畑の土といった"通常の"環境で、生育温度も25~42℃と低く、pH、塩濃度といった他の生育パラメータも極端な数字ではない。タウム古細菌以外の系統は培養に成功していないが、環境DNAサンプルとして多数存在し、代表的なものとして海洋の有光層に多いMarine group IIと呼ばれるグループが知られている。
※この「より温和な環境」の解説は、「古細菌」の解説の一部です。
「より温和な環境」を含む「古細菌」の記事については、「古細菌」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書からより温和な環境を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からより温和な環境を検索
- より温和な環境のページへのリンク