ミサイル防衛構想(みさいるぼうえいこうそう)
アメリカが主体となって進めている軍事技術の構想で、国家ミサイル防衛 (NMD) と戦域ミサイル防衛 (TMD) などがある。飛んできたミサイルを打ち落とすという防衛システム。
国家ミサイル防衛 (NMD) では、アメリカ本土を直接攻撃する長距離ミサイルを迎撃する。また、戦域ミサイル防衛 (TMD) では、日本などの同盟国などを攻撃する中・短距離弾道ミサイルに対処する。いずれの構想も、人工衛星などのレーダーでミサイルの発射を察知し、目的地まで到達する間に空中で破壊するという計画だ。
これらのミサイル防衛構想は、1972年にアメリカとソ連(当時)が調印した弾道弾迎撃ミサイル (ABM) 制限条約に抵触することから、計画を実現するには同条約を改定しなければならない。特に、ロシアや中国などは、アメリカのミサイル防衛計画に反対している。
一方、日本の政府は、アメリカのミサイル防衛構想に「理解する」という姿勢だ。さらに、同盟国として関係のある戦域ミサイル防衛 (TMD) については、アメリカと共同研究をしている。
田中真紀子・外務大臣(外相)の「ミサイル防衛は本当に必要か」という発言が問題とされたのは、従来の政府見解と食い違いがあったためだ。田中外相は、その後の日米外相会談で、「理解する」というこれまでの政府の方針に変わりのないことをアメリカ側に伝えている。
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(2001.06.27更新)
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