マーカー原油
【英】: marker crude
OPEC 諸国の生産する原油は、API 比重 44 度のアルジェリアのサハラン・ブレンドから API 比重 10 度のベネズエラのボスキャンまで 130 種類以上あり、それぞれに価格が設定されるが、原油価格体系全体の中心にあって個々の原油の価格決定のための基準となる原油のことを指す。 これまでは、サウジアラビアの API 比重 34 度のアラビアン・ライトがマーカー原油の役割を果たしてきている。 原油価格を決める 0PEC 閣僚会議で主として議論されるのはこのマーカー原油の価格水準であり、他の原油は、アラビアン・ライトに対して、比重、市場との距離、硫黄分含有量などにおいて、どれだけ優れているか、または劣っているかを勘案して価格決定が行われる。第二次石油危機まではアラビアン・ライトを中心にして比較的整然とした価格体系が成立していたが、第二次石油危機後の原油価格水準の高騰による消費国における石油節約の結果として、石油製品消費構造の変化が起こり、OPEC が旧来のルールで決める油種別の価格差が市場の実勢に合わなくなってきた。これによって OPEC 各国の原油販売上の利害問題が生じ、油種ごとの価格差(ディファレンシャル)の是正が難しく、OPEC 内で従来のようなマーカー原油システムの在り方が問題となった。そのため、1985 年 1 月の OPEC 第 73 回臨時総会で基準原油価格制度は事実上廃止され、価格はマーカー原油からではなく、各代表油種(アラビアン・ライト、アラビアン・ミディアム、アラビアン・ヘビー、ミナス、ポニー・ライト、マーバン)ごとに原油価格を設定することになった。しかし、この合意に関しては一部否認する国もあり、価格調整問題は依然として残っている。 |

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