ばねの方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 01:52 UTC 版)
最もよく使われる形式のフックの法則はおそらくばねの方程式だろう。ばねの方程式では、力とばねの自然長からの伸びがばね定数 k {\displaystyle k} (単位は単位長さあたりの力)によって結び付けられている。 F = − k x {\displaystyle F=-kx} マイナスの符号はばねによる力が変位とは正反対の方向に働くことを示している。この力は系を釣り合いの状態へ戻すように働くため、復元力とよばれる。 ばねに蓄えられたポテンシャルエネルギーは U = 1 2 k x 2 {\displaystyle U={1 \over 2}kx^{2}} で与えられる。このエネルギーの式はばねを徐々に押し縮めてゆくのに必要なエネルギーを足し合わせることで得られる。即ち、力を距離に関して積分しているに等しい。ばねのポテンシャルエネルギーは常に符号が正である。 このポテンシャルをU-x面に描くと、放物線(二次関数のグラフ)となる。ばねがxの正方向に伸ばされるに伴い、ポテンシャルエネルギーは増加する(ばねを縮めた場合にも同じことが起こる)。また、釣り合いの位置 (x = 0) が最もエネルギーが低いため、ばねはポテンシャルエネルギーを小さくするように釣り合いの位置へと戻ろうとする。これはポテンシャルエネルギーのグラフの上を、重力によるポテンシャルを最小にするようにボールが転がり落ちることに似ている。 もし質量mの物体がこのようなばねに繋がれている場合、その系は調和振動子となる。この系は以下の式で与えられる基本周波数で振動する。 ω = k m {\displaystyle \omega ={\sqrt {k \over m}}} [ラジアン毎秒](角振動数) または f = 1 2 π k m {\displaystyle f={1 \over 2\pi }{\sqrt {k \over m}}} [ヘルツ] ここで f {\displaystyle f} は周波数よって ω = 2 π f {\displaystyle \omega ={2\pi f}} である。 様々な格子のばね定数などについては後述する。
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