はと座デルタ星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/10 22:08 UTC 版)
はと座δ星 δ Columbae | ||
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星座 | はと座 | |
見かけの等級 (mv) | 3.85[1] | |
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 06h 22m 06.8169226859s[2] | |
赤緯 (Dec, δ) | −33° 26′ 10.960575837″[2] | |
視線速度 (Rv) | -2.56 ± 0.39 km/s[3] | |
固有運動 (μ) | 赤経: -16.356 ミリ秒/年[2] 赤緯: -56.999 ミリ秒/年[2] | |
年周視差 (π) | 16.1654 ± 0.3169ミリ秒[2] (誤差2%) | |
距離 | 202 ± 4 光年[注 1] (62 ± 1 パーセク[注 1]) | |
絶対等級 (MV) | -0.1[注 2] | |
はと座δ星の位置(丸印)
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物理的性質 | ||
半径 | 16 M☉[注 3] | |
質量 | 3.0 M☉[4] | |
表面重力 | 0.2 G[4][注 4] | |
自転速度 | < 4.8 ± 0.2 km/s[5] | |
自転周期 | 154.7 日[5] | |
スペクトル分類 | G7 II[1] | |
光度 | 155 L☉[4] | |
表面温度 | 5,136 K[5] | |
色指数 (B-V) | 0.858[1] | |
色指数 (V-I) | 0.88[1] | |
金属量[Fe/H] | -0.31[6] | |
年齢 | 3 ×108 年[4] | |
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 9.02 ± 0.52 ミリ秒[7] | |
離心率 (e) | 0.695 ± 0.019[3] | |
公転周期 (P) | 868.78 ± 0.86 日[3] | |
軌道傾斜角 (i) | 116.3 ± 4.2°[7] | |
他のカタログでの名称 | ||
おおいぬ座3番星、CD-33 2927, HD 44762, HIP 30277, HR 2296, SAO 196735[2] | ||
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はと座δ星(はとざデルタせい、δ Columbae、δ Col)は、はと座の連星である[8]。見かけの等級は3.85で、肉眼でみることができる明るさである[1]。年周視差に基づいて計算した太陽系からの距離は、およそ202光年である[2]。
名称
はと座δ星は、フラムスティード名でおおいぬ座3番星にあたるとされる。バイエルのウラノメトリアやフラムスティードの天球図譜に、はと座の姿は描かれているが、星表がないので、原典にははと座のバイエル符号やフラムスティード番号がない。はと座δ星というバイエル名は、ラカイユが定めたものとされる[9]。
星系
はと座δ星は、分光連星である。リック天文台とカリフォルニア大学による、チリへの南天観測遠征隊の観測の結果、1904年に視線速度の変化から連星ではないかと考えられ始め、1918年には予備的な軌道要素が求められ、分光連星であることが確実となった[10][8]。はと座δ星の公転軌道は、周期が868.8日、離心率が0.7で、視覚的に分離はできないが、軌道長半径は9ミリ秒に相当する[7]。
はと座δ星の主星はG型の輝巨星で、スペクトル型はG7 IIとされる[1]。質量は太陽の3倍程度、光度は太陽のおよそ155倍で、表面温度は約5,136Kと推定される[4][5]。軌道要素からすると、伴星の質量は主星のおよそ3分の1で、主星の質量が太陽の3倍なら伴星の質量はほぼ太陽程度となる[11][4]。
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
- ^ シュテファン=ボルツマンの法則により計算
- ^ 出典での表記は、
06h 22m 06.8169226859s, −33° 26′ 10.960575837″
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