なよろ (列車)とは? わかりやすく解説

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なよろ (列車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/20 18:54 UTC 版)

なよろ
H100形気動車による快速「なよろ」(2021年5月4日 蘭留駅 - 塩狩駅
概要
種類 快速列車
現況 運行中
地域 北海道
運行開始 1990年9月1日
運営者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
路線
起点 旭川駅
終点 名寄駅
運行間隔 4往復
列車番号 3320D+号数
上り列車は2を引く
使用路線 宗谷本線
車内サービス
クラス 普通車
座席 全車自由席
技術
車両 H100形気動車キハ54形気動車
旭川運転所
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 ※気動車使用のため電気動力不使用、下記は運行区間の電化状態
交流20,000 V・50 Hz(旭川 - 北旭川間)
非電化(北旭川 - 名寄間)
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なよろは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が旭川駅 - 名寄駅間を宗谷本線経由で運行する快速列車である。

概要

1985年(昭和60年)3月14日、旭川駅 - 名寄駅間に愛称なしの快速列車2往復が運行を開始した。1986年昭和61年)11月1日、2往復増発され、4往復となると同時に「ピヤシリ」「えんれい」「すずいし」「てしおがわ」の愛称が付いた。1990年平成2年)9月1日、1往復増発した上で「なよろ」に愛称を統一し、5往復が運行されるようになった。その後、2000年(平成12年)3月11日のダイヤ改正で1往復減便され、現在は4往復となっている。

「なよろ」に改称当初は、ピヤシリ山とスキーヤーをデザインしたヘッドマークが取り付けられていた。

列車名は名寄市に由来する。なおこの列車名は1965年(昭和40年)10月1日から1984年(昭和59年)2月1日まで札幌駅 - 名寄駅間の急行列車の愛称として使用されていた(宗谷 (列車)を参照)。

運行概況

以下特記ない限り、2022年(令和4年)3月12日現在の情報を示す。

旭川駅 - 名寄駅間に1日4往復が運行され、最速1時間11分(1号)、最も遅い便でも1時間32分(2号)、平均約1時間21分で結ぶ。列車番号は3320D - 3327D[1]

このうち、上り2号は音威子府駅始発の普通列車(4322D:愛称無し)が名寄駅で列車番号を変えて愛称付与の上直通している[1]

停車駅

基本は特急停車駅に加えて永山、比布、剣淵、風連、名寄高校の各駅に停車する。ただし、これらの駅のみに停車するのは、下り1・7号、上り6・8号のみで、その他は列車により追加の停車駅を設定している[1]

旭川駅 - (旭川四条駅[注釈 1]) - 永山駅 - 比布駅 - (蘭留駅[注釈 2]) - (塩狩駅[注釈 3]) - 和寒駅 - 剣淵駅 - 士別駅 - (多寄駅[注釈 4]) - 風連駅 - 名寄高校駅 - 名寄駅

  • 2号は音威子府駅始発。音威子府駅 - 名寄駅間は普通列車。この区間は各駅に停車(宗谷本線#駅一覧を参照)。
  • ( )の駅は一部列車停車駅。停車列車は注釈参照。

使用車両

旭川運転所所属の車両が使用され、ほとんどは同区間の普通列車と同様H100形気動車で運転されるが、上り2号、4号は名寄以北で運用される車両の旭川運転所への返却を兼ねており、キハ54形気動車が所定で使用される[2]

歴史

キハ40形700番台による快速「なよろ」(2017年8月10日 塩狩駅
  • 1985年(昭和60年)3月14日:旭川駅 - 名寄駅間に快速列車2往復を設定。当時は列車愛称が付いていなかった[新聞 1]。停車駅は永山駅、比布駅、和寒駅、士別駅だった[3]
  • 1986年(昭和61年)11月1日:旭川駅 - 名寄駅・音威子府駅・遠軽駅間に4往復の快速列車を設定[新聞 2]。遠軽駅発着列車は札幌駅 - 名寄駅 - 遠軽駅間の急行「紋別」の廃止、運行区間短縮による[注釈 5][新聞 3]。 4往復の快速をそれぞれ「ピヤシリ」「えんれい」「すずいし」「てしおがわ」と命名(同時に普通列車には「かえで」と命名)。愛称は公募で決まった[新聞 4]
    • 「ピヤシリ」は北海道名寄市にあるピヤシリ山、「えんれい」は名寄市沿線に自生するエンレイソウ、「すずいし」は北海道名寄市の国指定文化財「名寄鈴石」、「てしおがわ」は天塩川が由来となっている。
    • 列車愛称により特に停車駅が大きく異なるということでもなかった。遠軽発着(名寄本線直通)の下り「てしおがわ」と上り「えんれい」、音威子府発着の下り「すずいし」と上り「ピヤシリ」は、いずれも名寄駅 - 遠軽駅/音威子府駅間は愛称なしの普通列車として運転。
  • 1989年平成元年)5月1日:名寄本線廃止により、遠軽発着列車が旭川駅 - 名寄駅間の運転となる。
  • 1990年(平成2年)
    • 4月27日:旭川駅 - 名寄駅間に臨時快速列車(毎日運転)が1往復設定される。当時は列車愛称が付いていなかった[新聞 5]
    • 7月1日:列車愛称なしの臨時快速列車に「なよろ」と命名される(道内時刻表では1990年8月号より掲載)[新聞 6]
    • 9月1日:臨時快速「なよろ」が通年運転化(ただし列車番号は9000番台のまま)され、従来の快速列車を含め5往復の列車愛称を統合し、愛称が「なよろ」に統一される[新聞 7]
      • 下りは1号が旧「ピヤシリ」、3号が旧「なよろ」、5号が旧「えんれい」、7号が旧「すずいし」、9号が旧「てしおがわ」。上りは2号が旧「ピヤシリ」、4号が旧「えんれい」、6号が旧「すずいし」、8号が旧「てしおがわ」、10号が旧「なよろ」だった[新聞 7]
  • 2000年(平成12年)3月11日:特急「スーパー宗谷」運転開始に伴うダイヤ改正で1往復減便。1日4往復となる。
  • 2016年(平成28年)3月26日:同日のダイヤ改正で名寄駅 - 稚内駅間の普通列車減便に伴い、名寄駅から上り4号として直通する普通列車の始発が幌延駅から稚内駅に変更[JR北 1]
  • 2017年(平成29年)3月4日:同日のダイヤ改正で上り4号を稚内駅始発から名寄駅始発に変更(名寄駅以北の普通列車区間を別列車化)。稚内駅始発列車が消滅。
  • 2018年(平成30年)3月17日:同日のダイヤ改正で上り6・8号の運転時刻を見直し、旭川駅での特急「カムイ」との接続を改善[JR北 2]
  • 2019年(平成31年)3月16日:同日のダイヤ改正で音威子府駅終着の下り5号を名寄駅終着に変更(名寄駅以北の普通列車区間を別列車化)[4]
  • 2020年令和2年)3月14日:同日のダイヤ改正で上り2号の停車駅に塩狩駅を追加[注釈 6][5][新聞 8]
  • 2021年(令和3年)3月13日:同日のダイヤ改正で「なよろ」を含む旭川駅 - 名寄駅間の大半の普通・快速列車(37本中34本)にH100形気動車を投入、同区間で最大31分、平均13分の速達化[新聞 9]。最速の「なよろ」1号は1時間9分で走破。併せて時刻の変更、特急「カムイ」との接続改善を実施[JR北 3][JR北 4][6]。「なよろ」は上り2・4号を除きH100形の充当となる[2]
  • 2022年(令和4年)3月12日:同日のダイヤ改正で全列車の停車駅に名寄高校駅(東風連駅を移設改称)を追加[1][JR北 5][注釈 7]。これに伴い所要時間が平均約1分増加[1]

脚注

注釈

  1. ^ 2・3号
  2. ^ 2・5号
  3. ^ 2・4・5号
  4. ^ 4号
  5. ^ 急行「紋別」は廃止時点で札幌駅 - 旭川駅 - 名寄駅 - 興部駅間が急行運転、興部駅 - 遠軽駅間は普通列車として運転された。廃止時に札幌駅 - 旭川駅間は特急列車に置き換えられ、旭川駅 - 名寄駅 - 遠軽駅間の直通列車として再設定されることになった。
  6. ^ 同改正以前にも、行き違いで運転停車していた[新聞 8]
  7. ^ 同改正以前の東風連駅は、普通列車も一部通過する駅であった。

出典

書籍・雑誌

  1. ^ a b c d e 北海道時刻表 (交通新聞社) 63 (3): pp.132-134. (2022-2-25). 
  2. ^ a b 冨永, 昌嗣「世代交代が進む北海道の一般用気動車 ~その1~」『鉄道ファン』第61巻第12号(通巻728号)、交友社、2021年12月1日、pp.66-71。 
  3. ^ 『交通公社の北海道時刻表 1985年3月号』日本交通公社。 
  4. ^ JR時刻表 (交通新聞社) (2019年3月号): pp.710-712. (2019-2-25). 
  5. ^ JR時刻表 (交通新聞社) (2020年3月号): pp.716-717. (2020-2-25). 
  6. ^ 北海道時刻表 (交通新聞社) 62 (3): pp.132-134. (2021-2-25). 

JR北海道

  1. ^ 3月26日以降の普通列車時刻について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2016年2月8日。オリジナルの2016年3月20日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20160320093820/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160208-2.pdf2016年3月20日閲覧 
  2. ^ 平成30年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2017年12月15日。オリジナルの2017年12月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20171215114914/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/171215-1.pdf2018年1月2日閲覧 
  3. ^ 来春のダイヤ見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月9日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201216140836/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201209_KO_kaisei.pdf2020年12月9日閲覧 
  4. ^ 2021年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201218050637/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201218_KO_Daikai.pdf2020年12月18日閲覧 
  5. ^ 来春のダイヤ見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2021年9月15日。オリジナルの2021年9月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210915064355/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20210915_KO_3.pdf2021年9月15日閲覧 

新聞記事

  1. ^ 快速列車の新設も 新ダイヤ(名寄新聞、1985年3月15日)
  2. ^ ダイヤ改正を記念し 国鉄名寄駅 マイタウン列車の出発式(名寄新聞、1986年11月2日)
  3. ^ 名寄本線から急行消える 旭川への快速は増発 国鉄のダイヤ改正 宗谷本線の無人化も進む(名寄新聞、1986年10月31日)
  4. ^ 国鉄の列車愛称募集抽選(名寄新聞、1986年10月31日)
  5. ^ 名寄~旭川間 4月27日から快速列車毎日運転(名寄新聞、1990年4月24日、JR名寄駅広告)
  6. ^ 7月1日 快速「なよろ」が なかまいり!(名寄新聞、1990年7月10日、JR名寄駅広告)
  7. ^ a b 9月からJR快速列車愛称変更(名寄新聞、1990年8月9日)
  8. ^ a b “塩狩駅午前8時台 念願の1本 ダイヤ改正で上り列車増発 和寒町が要請”. 北海道新聞. (2020年3月17日). オリジナルの2020年3月17日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/Bg28X 2020年3月17日閲覧。 
  9. ^ 沿線になじんだ車両姿消す キハ40形の多くが離脱 宗谷本線名寄~旭川間 13日ダイヤ改正から新型H100形(名寄新聞、2021年3月7日)

関連項目


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