じんみん‐げん【人民元】
読み方:じんみんげん
⇒元2
人民元(じんみんげん)(Renmin Yuan)
中国の中央銀行である中国人民銀行が発行する。通貨の単位は「元」で、ユアンと発音する。その他、角(ジャオ)と分(フェン)の補助単位がある。
1994年以降、現在の外国為替制度として、ドルペッグ方式が採用されている。この方式は、人民元をドルに連動させ、1ドル=8.277元前後の為替レートを維持する事実上の固定相場制だ。為替レートは中国人民銀行が定めることになっている。
最近の中国の経済成長は、国際競争力を高めている。その一方で、事実上の固定相場制を維持するのでは、人民元が割安になってしまう。そのため、デフレ経済の状況にある日本や貿易赤字が拡大しつつあるアメリカを中心に、人民元の切り上げを求める声が強まってきた。
実際、実質的な国際競争力に比べて割安な人民元を維持すると、価格の安くなる中国からの輸出が今まで以上に増える。反対に、中国が輸入する場合、貿易品の価格が人民元で高くつくので売り上げに歯止めがかかる。したがって、中国との貿易国は貿易赤字に陥るというわけだ。
(2003.09.08更新)
人民元(じんみんげん)(Chinese Yuan)
通貨単位「元(ユアン)」は、補助通貨単位の「角(チアオ)」とともに中国で使われている。1元=10角。1948年に設立された中国人民銀行が共産党支配地域で発行し、翌年の新中国成立で全国通貨となった。
中国では、1994年に為替相場制度を改革し、それまで複数あった対ドル為替レートを統一した。さらに、1997年のアジア通貨危機以降は、人民元レートを1ドル=8.2760~8.2800元のきわめて狭い変動幅に抑えるドル・ペッグ制を維持し、事実上の固定レートとなっていた。
一方、中国の対外輸出は二ケタ台の経済成長を支え、慢性的な貿易赤字のアメリカなどから人民元の切り上げを求められていた。
中国人民銀行は21日、人民元レートを1ドル=8.27元台から1ドル=8.1100元に2%切り上げると発表した。それに合わせて現在の固定為替相場制度を廃止し、通貨バスケット制を取り入れた管理変動相場制を採用するという。
新たに導入された通貨バスケット方式では、複数の通貨の為替レートを参考にして人民元の為替レートを連動させるものだ。その通貨バスケット方式に組み入れる通貨の種類やその割合などは明らかにされていないが、米ドルをはじめ、日本円やユーロなどが含まれると見られている。
(2005.07.25掲載)
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