きょうせい‐しっこう〔キヤウセイシツカウ〕【強制執行】
強制執行(きょうせいしっこう)
債権や所有権など民法上の権利を実現するため、裁判所に所属する執行官によって強制執行が行われる。法的な紛争を解決するために行使される国家権力の作用のひとつ。
法治国家の下では、借金の取り立てや所有権の回復など、正当な権利を実現する場合であっても、権利者は相手を直接強制して目的を達成することはできない。社会の平穏な秩序を維持する観点から、いかなる権利であっても勝手に実力行使することは禁止されている。このことは、自力救済の禁止と呼ばれている。
しかし、裁判所の判決だけでは、債務者が素直に従うとは限らない。だからといって、実力でもって無理やり権利を行使しても、逆に債権者のほうが法的な責任を問われることにもなりかねない。そこで、債権者に代わって、法律で認められた執行官が法的な手続きに沿って権利を実現させるのが強制執行だ。
したがって、民法上の権利は、裁判所における手続きによって最終的に実現される。このとき、判決や執行証書などに基づいて、裁判所と執行官が実力行使にあたる。具体的な手続きは、民事執行法で定められている。
ちなみに、行政代執行とは行政機関による債務履行の手続きのことで、行政代執行法にその法的根拠が置かれている。
(2001.08.23更新)
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