おくのほそ道の風景地とは? わかりやすく解説

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おくのほそ道の風景地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 14:13 UTC 版)

おくのほそ道の風景地(おくのほそみちのふうけいち)は、松尾芭蕉の『おくのほそ道』に関連した国指定の名勝である。指定場所が地理的に離れた複数の県に及ぶ点が特徴となっている。2014年平成26年)3月18日に最初の指定が行われ、その後下記の「指定履歴」のとおり追加指定が行われている。

概要

江戸時代に松尾芭蕉とその弟子の曽良が訪れ、『おくのほそ道』に記した名所や旧跡は、平安時代の歌人である能因西行が詠んだ古歌にまつわる歌枕も多く、古来から近世にわたり広く鑑賞の対象となってきた。今なお、往時の風景が残り、後世の人々にも影響を与え続けている。このような紀行文学の傑作である『おくのほそ道』を緯糸とし、関連する景勝地を経糸として、個別ではなくつながりのあるものとして、一体的に保護しようとする意図のもとで複数の風致景観が名勝として一括指定されている。

指定対象の風景地は、埼玉県栃木県福島県宮城県岩手県山形県秋田県新潟県富山県石川県福井県および岐阜県の12県、26か所を数える。

複数の場所を一体的に指定した名勝の先行例としては、イーハトーブの風景地(2005年(平成17年)指定および2006年(平成18年)追加指定)やピカノカ(2009年(平成21年)指定、2010年(平成22年)、2011年(平成23年)、2012年(平成24年)、2013年(平成25年)および2014年(平成26年)追加指定)がある。

名勝の指定対象

節内の全座標を示した地図 - OSM
節内の全座標を出力 - KML

名勝「おくのほそ道の風景地」として、以下の26か所が指定されている。

名称 読み 所在地 位置
草加松原 そうかまつばら 埼玉県草加市 地図
ガンマンガ淵(慈雲寺境内) がんまんがふち(じうんじけいだい) 栃木県日光市 地図
八幡宮(那須神社境内) はちまんぐう(なすじんじゃけいだい) 栃木県大田原市 地図
殺生石 せっしょうせき 栃木県那須郡那須町 地図
遊行柳(清水流るゝの柳) ゆぎょうやなぎ(しみずながるるのやなぎ) 栃木県那須郡那須町 地図
黒塚の岩屋 くろづかのいわや 福島県二本松市安達ヶ原 地図
武隈の松 たけくまのまつ 宮城県岩沼市二木 地図
つゝじが岡及び天神の御社 つつじがおかおよびてんじんのみやしろ 宮城県仙台市宮城野 地図
木の下及び薬師堂 きのしたおよびやくしどう 宮城県仙台市若林区木ノ下 地図
壺碑(つぼの石ぶみ) つぼのいしぶみ(つぼのいしぶみ) 宮城県多賀城市 地図
興井(沖の石) おきのい(おきのいし) 宮城県多賀城市 地図
末の松山 すえのまつやま 宮城県多賀城市 地図
籬が島 まがきがしま 宮城県塩竈市 地図
金鶏山 きんけいざん 岩手県西磐井郡平泉町 地図
高館 たかだち 岩手県西磐井郡平泉町 地図
さくら山 さくらやま 岩手県西磐井郡平泉町 地図
本合海 もとあいかい 山形県新庄市 地図
三崎(大師崎) みさき(だいしざき) 山形県飽海郡遊佐町・秋田県にかほ市 地図
象潟及び汐越 きさかたおよびしおこし 秋田県にかほ市象潟町 地図
親しらず おやしらず 新潟県糸魚川市 地図
有磯海 ありそうみ 富山県高岡市 地図
那谷寺境内(奇石) なたでらけいだい(きせき) 石川県小松市 地図
道明が淵山中の温泉 どうめいがふち(やまなかのいでゆ) 石川県加賀市 地図
湯尾峠 ゆのおとうげ 福井県南条郡南越前町 地図
けいの明神(氣比神宮境内) けいのみょうじん(けひじんぐうけいだい) 福井県敦賀市 地図
大垣船町川湊 おおがきふなまちかわみなと 岐阜県大垣市 地図

指定履歴

  • 2014年3月18日 以下の13か所を指定[1]
草加松原、ガンマンガ淵(慈雲寺境内)、八幡宮(那須神社境内)、殺生石、黒塚の岩屋、武隈の松、金鶏山、高館、象潟及び汐越、親しらず、有磯海(女岩)、那谷寺境内(奇石)、大垣船町川湊
  • 2014年10月6日 以下の5か所を追加指定[2]
壺碑(つぼの石ぶみ)、興井、末の松山、籬が島、本合海
以上のほか、既指定の「親しらず」の指定範囲拡大
  • 2015年3月10日 以下の6か所を追加指定[3] 
遊行柳(清水流るゝの柳)、つゝじが岡及び天神の御社、木の下及び薬師堂、さくら山、三崎(大師崎)、道明が淵(山中の温泉)
以上のほか、既指定の「象潟及び汐越」の指定範囲拡大(駒留島を追加)
  • 2015年10月7日
既指定の「有磯海(女岩)」の指定範囲拡大(義経岩を追加)および「有磯海」へ名称変更[4]
  • 2016年10月3日
けいの明神(氣比神宮境内)の追加指定[5]
  • 2021年10月11日
湯尾峠の追加指定[6]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 平成26年3月18日文部科学省告示第31号
  2. ^ 平成26年10月6日文部科学省告示第143号
  3. ^ 平成27年3月10日文部科学省告示第45号
  4. ^ 平成27年10月7日文部科学省告示第175号
  5. ^ 平成28年10月3日文部科学省告示第146号
  6. ^ 令和3年10月11日文部科学省告示第170号

関連項目

外部リンク




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