急がし
忙
いそがし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/01 08:26 UTC 版)

いそがしは、熊本県八代市の松井文庫が所蔵する妖怪絵巻『百鬼夜行絵巻』(1832年)などに描かれている日本の妖怪。
概要
絵巻には名前と絵のみが描かれているだけで解説文などは一切なく、どのような妖怪かは述べられていない。おなじく江戸時代に描かれた絵巻物『百物語化絵絵巻』(1780年)でも同様の格好をした妖怪がいそがしとして描かれている[1][2]。妖怪研究家・村上健司は絵巻のみの妖怪としている[3]。
デザイン上は室町時代の『百鬼夜行絵巻』(真珠庵所蔵)などに描かれている妖怪のひとつ(舌を出した顔を仰向け、着物を肩脱ぎに来て両手をひろげている妖怪)がモデルとなっており、鳥山石燕は同じ妖怪を『百器徒然袋』で「天井嘗」のモデルとして描いている[4]。
憑物「いそがし」
漫画家・水木しげるは漫画『妖怪博士の朝食』(妖怪変化シリーズ)において、人に憑依する憑物という役割で、この「いそがし」を登場させている[5]。漫画での水木の設定によれば、人間がこの妖怪に憑依されると、やたらに落ち着きがなくなるとされる。しかし不快な気分ではなく、忙しく動き回ることで、なぜか安心感に浸ることができ、逆におとなしくしていると、何か悪さをしているような気持ちになってしまうという[6][7]。
脚注
- ^ 湯本豪一『かわいい妖怪画』 東京美術 2015年 18頁 ISBN 978-4-8087-1005-7
- ^ 湯本豪一『今昔妖怪大鑑 湯本豪一コレクション』 パイインターナショナル 2013年 40頁、275頁
- ^ 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、35頁。ISBN 978-4-620-31428-0。
- ^ 京極夏彦、多田克己編著『妖怪図巻』国書刊行会、2000年、174頁。 ISBN 978-4-336-04187-6。
- ^ 水木しげる『妖怪博士の朝食』3巻 妖怪変化シリーズ第5話「貧乏神」 小学館(ビッグゴールドコミックス)1995年 ISBN 4-09-189033-4
- ^ 水木しげる『妖鬼化』 1巻、Softgarage、2004年、15頁。 ISBN 978-4-86133-004-9。
- ^ “水木しげるロードの妖怪たち【177】いそがし”. さかなと鬼太郎のまち 境港市観光ガイド. 境港市観光協会. 2022年1月29日閲覧。
関連項目
「いそがし」の例文・使い方・用例・文例
- 母はワイシャツのしわをアイロンでのばすのにいそがしかった。
- 父はいそがしすぎて散歩もできません。
- 彼は明日いそがしいだろう。
- 彼は今朝からずっといそがしい。
- 彼はきのうの午後いそがしかった。
- 彼はいそがしいのをいいことに長いこと私に連絡してこない。
- 私達は部屋を掃除するのにいそがしかった。
- きょうはずっといそがしかった。
- いそがしいからクラブを止めるのではない。
- 私は一日中家事でいそがしいのよ。
- 飯をいそがしく口に入れる
- いそがしい仕事
- 激しい語調でいそがしく話される話
- いそがしく,歩きまわる
- いそがしく立ち回って力を尽くす
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