あやなし

デジタル大辞泉

あや‐な・し【^▽文無し】

読み方：あやなし

［形ク］

１ 筋道が通らない。不条理だ。わけがわからない。

「春の夜の闇(やみ)は—・し梅の花色こそ見えね香やは隠るる」〈古今・春上〉

２ むだである。かいがない。無意味だ。

「思へども—・しとのみ言はるれば夜の錦(にしき)の心地こそすれ」〈後撰・恋二〉

３ 判別がつかない。

「夜半の空星さへ雲におほはれて、道も—・く物すごき」〈浄・盛衰記〉

日本語活用形辞書

綾なし、彩なし

読み方：あやなし

サ行五段活用の動詞「綾なす」「彩なす」の連用形である「綾なし」「彩なし」、あるいは連用形が名詞化したもの。

終止形

綾なす  » 「綾なす」の意味を調べる
彩なす  » 「彩なす」の意味を調べる

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Wiktionary日本語版（日本語カテゴリ）

あやなし

出典:『Wiktionary』 (2021/10/18 13:15 UTC 版)

発音

四拍形容詞一類^(?)

• 連用形

  (平安時代)あやな​く

  (南北朝時代)あやな​く

  (室町時代)あやな​く

  (江戸時代)あやな​く

• 連体形

  (平安時代)あやなき​ぃ

  (南北朝時代)あやなき​ぃ

  (室町時代)あやな​き

  (江戸時代)あやな​き

形容詞

あやなし【文無し】

1. 不条理だ。
   • 春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やは隠るる（『古今和歌集』春上・凡河内躬恒）

     春の夜の闇はよくわからない。梅の花は（闇に隠されれば）色こそ見えないが、その香りは隠れることなどあろうか。

2. 無意味だ。

基本形	語幹	未然形	連用形	終止形	連体形	已然形	命令形	活用の種類
あやなし	あやな	-く	-く	-し	-き	-けれ	○	ク活用
		-から	-かり	○	-かる	○	-かれ