『科学としての倫理学』
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「モーリッツ・シュリック」の記事における「『科学としての倫理学』」の解説
1926年から1930年にかけて、シュリックは『科学としての倫理学』(Fragen der Ethik) を書き上げた。本書では哲学の存続できる分野としての倫理学が扱われていて、彼に追随するウィーン学団の成員を驚かせた。1932年から33年にかけての著作 Erkenntnis III および『実証主義と実在論』では彼はあらゆる考えのうちで最も実証主義を有名にした定義のうちの一つ「形而上学の可能性を否定する」を発表した。それによって彼は形而上学を「真なる存在」、「それ自体としてのもの」、あるいは「超越論的なもの」の教義として、つまり明らかに「真でない、劣った、あるいはあきらかな存在がそれに対してあることを前もって前提している」教義であると定義した。それゆえにこの本で彼は実証主義を、唯一の真なる存在とは経験によって知られるものあるいは経験の構成要素であると考えるある種の認識論に基づかせている。同時期に、ウィーン学団は『世界の科学的味方:ウィーン学団』をシュリックに対するオマージュとして発表した。その強い反形而上学的立場はウィーン学団の観点によってより明確になった。
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