「現代かなづかい」の公布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 08:47 UTC 版)
「仮名遣い」の記事における「「現代かなづかい」の公布」の解説
第二次大戦後、国語改革が行われ、当用漢字表などとともに「現代かなづかい」が内閣訓令として公布された(1946年)。これは歴史的仮名遣いに比べて表音主義に基づくものであり、現代語の同じ音韻に対して同じ仮名を用いるものであった。ただし助詞の「は」「を」「へ」や「ぢ」「づ」、長音などには歴史的仮名遣いを継承した部分もある。従って「現代かなづかい」は「現代語音」に基づくとはいえ、正書法(正字法、オーソグラフィ)であって「表音式かなづかい」ではなく、表音式の原理と「かつて書かれていたように書く」という慣習の原理とを併用している。その40年後の1986年には、「現代かなづかい」を改訂した「現代仮名遣い」が内閣告示として公布され、現在に至る。両者の違いは、内容上はほとんどないとされる。 表音主義的立場に対して、小泉信三が1953年(昭和28年)『文藝春秋』誌で反対論を述べたことから論争が起こった。金田一京助や桑原武夫がこれに反論、一方福田恆存が彼らに再反論し、福田と金田一が互いに感情的な論難をやり合うといった論争が行われた。この論争にはほかに高橋義孝らも関わった。 しかし結局「現代かなづかい」「現代仮名遣い」は、現代日本の規範として定着した。ただし一部の文化人の間には歴史的仮名遣いの方が優れているという意見が現在も見られる。
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