「歴史的な正確さ」への期待
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 16:27 UTC 版)
「時代考証」の記事における「「歴史的な正確さ」への期待」の解説
小和田哲男は、多くの人々がNHK大河ドラマを「歴史再現ドラマ」として捉えている、という認識を示している。大河ドラマはもとよりフィクションであるが、映像になっているものが史実として刷り込まれるかもしれない、ゆえにドラマの制約の中でも「史実に近づける努力」はしなければならないと小和田は言う。 小和田はNHK大河ドラマの影響力の大きさを認知し、「従来のイメージ」ではあるが誤りと考えられる点を退け、学界での通説や、新たな研究成果を取り込むことも試みているという。一般に「真田幸村」の名で知られる戦国武将真田信繁について、小和田は『天地人』(2009年)監修時に「信繁が正しい名乗りであることを世間にアピールするよい機会と考え」て考証会議で信繁を使用することを主張したが、通らなかったと述べている(通さなかった側も、江戸時代に松代藩が編纂した史料を「幸村」の論拠として論陣を張った)。なお、NHK大河ドラマで「真田信繁」が実現するのは『真田丸』(2016年)からである。その『真田丸』で監修を務めた丸島和洋は「この時代」の百姓は帯刀していたことを描写すべく、「演出上わかりづらい」と難色を示す制作側と交渉し、終盤で映像化を実現している。 考証の結果として導かれたものであるとしても、視聴者の期待するイメージと考証が反する場合は反発を醸すことがある。大河ドラマ『麒麟がくる』では、原色の色使いの衣装や、女性の立て膝での座法について、批判が寄せられたという。
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