「戦果」に関する論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/23 07:14 UTC 版)
「ジュリアン・イーウェル」の記事における「「戦果」に関する論争」の解説
一部の批評家は、ベトナム戦争中に「戦果」(body counts)の数に関する強迫観念にとりつかれたイーウェルが、この数字をより大きく見せる為、部下に虐殺させた民間人の遺体も共産軍のものとして報告していたと主張している。 かつて第9師団に所属していた作家デイヴィッド・ハックワース(英語版)もイーウェルが主張する戦果の規模に懐疑的な姿勢を示している。ハックワースによれば、第9師団は1968年から1969年にかけておよそ20,000人の敵兵を殺傷したとされているが、一方で回収された武器は2,000個程度であったとして、戦果の数字が大幅に粉飾されている可能性を指摘している。 1972年に陸軍監察官(Inspector General)が報告したところによれば、スピーディー・エクスプレス作戦中に7,000人以上の民間人が死亡した可能性があるという。 1995年、イーウェルはかつて第9師団参謀長を務めたアイラ・ハント(Ira Hunt)元少将と共に書籍『Sharpening the Combat Edge』を発表した。同書の中でイーウェルとハントは戦果に関する強迫観念などというものは事実無根であると述べ、南ベトナム市民に対する残虐な行いではなく敵に最大の打撃を与える努力が果たされたのだとしている。イーウェルおよびハントの主張は、ニック・タース(英語版)の著書『Kill Anything That Moves: The Real American War in Vietnam』に対向する意図もあったとされる。同書では、スピーディー・エクスプレス作戦の中で多くの戦争犯罪が犯され、それらはイーウェルを含む高官らによって隠蔽されたのだと主張されている。
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