「ノニウス」と「バーニヤ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 01:17 UTC 版)
「ノギス」の記事における「「ノニウス」と「バーニヤ」」の解説
「en:Nonius (device)」および「en:Vernier scale」も参照 日本語の「ノギス」は「ノニウス(英語版)」に由来するとされるが、もともとその名は精密な計測のための目盛に関連する名称であった。 ポルトガルの数学者ペドロ・ヌネシュ(1502年-1578年、ラテン語表記ペトルス・ノニウス、Petrus Nonius)は、航海用の天体観測器具(アストロラーベ)での角度計測の精度を上げるため、目盛りの工夫を行った。精密な計測を可能とする目盛りは、改良が重ねられたあとも「ノニウス」という名で呼ばれた。 1631年、フランス人数学者ピエール・ヴェルニエ(Pierre Vernier、姓の英語読みのカナ表記例が「バーニヤ」「バーニア」)は、ブリュッセルで出版した数学書の中で、可動式の補助器具(副尺)を具えたバーニヤ目盛 (Vernier scale) の仕組みを発表した:5(なお、ヴェルニエがノギスという器具そのものを発明したと記述されることもあるが、疑わしい:5)。ヴェルニエ自身は、みずからの機構を「ノニウス」の完璧な改良と考えていたという。フランスでは18世紀にこの機構をヴェルニエの名で呼ぶようになった。 「副尺」または「一目を細かく分割して読む目盛り」:4を「ノニウス」(Nonius) と呼ぶことは、英語でも18世紀後半まで残っており、オランダ語の nonius(副尺):4、スウェーデン語の nonieskala など、いくつかの言語では現代も残っている。 ノニウスの器具(復元)。航海用の器具で、精密な角度を計測できるように工夫した。 ノニウスの器具の読み取り例。複数の同心円上の目盛を読む。 ヴェルニエは副尺を導入し、ノニウス目盛を簡素なものにした。
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