自然栽培
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 13:05 UTC 版)
1978年から本格的にリンゴ無農薬栽培に挑戦したが、日本の温帯湿潤な気候で無農薬で育てることは困難を極めた。通常5月中に咲く花がようやく9月に咲き、果実は結実することなく小梅程度の大きさにとどまった。さらに害虫を手作業で駆除するなどの毎日の手入れも相当な労力だった。しかし、それだけ苦労を重ねても数年は実がなることもなく、10年近くにわたって収入のない状態が続く。そのような状況にあっても、自給のために育てた他の作物での無農薬・無施肥栽培において良好な成果をあげつつ、木村は少しずつリンゴの栽培方法に改良を重ねていった。 最終的に木村を助けたのは、大豆の根粒菌の作用で土作りを行ったかつての経験だった。土の中の根張りをよくするため大豆を利用した木村のリンゴの木は年々状態が上向いていった。1986年にはようやくリンゴの花が咲き、実も通常通りつくに至った。こうして木村が確立した無農薬・無施肥でのリンゴの栽培方法は、従来の農家から不可能とされてきたことであり、弘前大学農学生命科学部の杉山修一は「恐らく世界で初めてではないか」と評している。
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