生活保護法 生活保護法の概要

生活保護法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/30 03:44 UTC 版)

生活保護法
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 生保法
法令番号 昭和25年5月4日法律第144号
効力 現行法
種類 社会保障法
主な内容 生活保護について
関連法令 なし
条文リンク 総務省法令データ提供システム
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生活保護法の目的は、「日本国憲法第25条に規定する理念に基き、生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」(第1条)とされている。

沿革

一連の社会福祉立法はイギリス救貧法を参考につくられた。かつての救貧法としては、以下のものがあった。

昭和21年に生活保護法は各種救貧立法を統一する形で成立したが、その後に成立した日本国憲法の下では受給権の面など、不十分な点があり、昭和25年に全面改正して現行の生活保護法となった。

日本政府が提出した「救済福祉に関する件」に対してGHQは以下に紹介する指令第775号をもって回答しそれに基づき旧法が制定された。それに続き旧法に対する小山の評価も記述されているので紹介する。(編著15~17頁)

(2) 越えて翌昭和21年2月27日付をもつて、先に日本政府から提出した「救済福祉に関する件」につき、次のような回答が総司令部から日本政府に対して与えられた。これが有名な指令第775号と称せられるもので、救済福祉に開する基本指令として、今日においてもなお、救済福祉政策の最高規範となっているものである。

連合国最高司令部SCAPIN775(昭21.2.27)覚書

日本帝国政府宛

経由 C・L・O 主題 社会救済

(一) 「救済福祉計画」に関する件1945年12月13日付C・L・O覚書1484に関しては提出計画案を次の条件に合する様変更の処置をとらば日本帝国政府に対し何等異議あるものに非ず

(イ) 日本帝国政府は都道府県並に地方政府機関を通じ差別又は優先的に取扱をすることなく平等に困窮者に対して適当なる食糧、衣料、住宅並に医療措置を与えるべき単一の全国的政府機関を設立すべきこと

(ロ) 日本帝国政府は1946年4月30日までに本計画に対する財政的援助並に実施の責任態勢を確立すべきこと

従って私的又は準政府機関に対し委嘱され又は委任さるべからざること

(ハ)困窮を防止するに必要なる総額の範囲内において与えられる救済の総額に何等の制限を設けざること

(二) 日本帝国政府は本司令部に次の報告を提出すべし

(イ) 此の指令の条項を完遂する為めに日本帝国政府によつて発せられたあらゆる法令並に通牒の写

(ロ) 1946年3月の期間に始まり次の月25日までに届けられたる救助を与えられたる家族並に個人の数及び都道府県により支出されたる資金の額を記載したる月報

右の覚書に接し政府としては、ここにその構想を根本的に練り直す必要に迫られたので、取り敢えす緊急の必要に応ずるため、先に決定した「生活困窮者緊急生活援護要綱」を右の覚書の趣旨に適うように工夫を加えつつ4月1日から実施すると共に、鋭意研究を進めた結果、ここに強力なる統一的公的扶助の基本法規としての生活保護法案を準備し得るに至つたので、これを第90回帝国議会に提出し、その協賛を得、同年9月9日法律第17号として公布し、10月1日から実施するに至つたのである。

この法律は総司令部の熱心な指導と示唆とによつて推進されたものであるが、日本の救済制度の歴史において、正に劃期的な意義を有するものであつた。それは統一的救済法規の建前を操つて居り、これ迄の分散的救済法規の建前を採つていたものと比較して格段と整備補強されているだけでなく、その立法精神において最も注目すべきものを持つていた。即ち、救護法以来の救済法規においても既に市町村長や都道府県知事による公的扶助責任の萌芽は示されていたが、生活保護法においては、国家責任による要保護者の生活保護の原則が明文を以て確立され、且つ、保護費についてもその8割を国庫負担とするという破格の措置が採られている。更に保護対象についても一切の制限を排除して、所謂無差別平等の原則を採用している。これは保護の要件を要保護性という単一の原因に集約するものであり、貧困を社会的責任として認める趣旨を徹底したものであつて社会保障制度への接近を示すものである。これを要するに生活保護法は日本国憲法第25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と宣言された生存権保障の理念を具現し、促進するものであつて、本法制定を契機として日本の救済制度は、従来の救貧法的な伝統を打ち破り、国家責任による近代的な社会保障制度への前進を示したものである。

GHQ主導のもと旧法全面改正の陣頭指揮を取ったのは終戦直前に滋賀・山口両県警特高課長だった小山進次郎だった。終戦後、政治的、公民的及宗教的自由制限の除去に関する覚書一、e項により一端は罷免すなわち公職追放された小山はすぐに厚生省に呼び戻された。新法制定にGHQが大きく関与していた事実は第27条の記述に現れており、第27条が保護の実施機関に与えた被保護者への指導または指示権限は、第28条の場合とは異なり、第62条の中に「隠す形で」その法的効力を与えられた。

第27条及び第62条は制定当時と同じく以下の通りである。

(指導及び指示)

第27条

保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。

2  前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。

3  第1項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。

(指示等に従う義務)

第62条

被保護者は、保護の実施機関が、第30条第1項ただし書の規定により、被保護者を救護施設、更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、若しくは私人の家庭に養護を委託して保護を行うことを決定したとき、又は第27条の規定により、被保護者に対し、必要な指導又は指示をしたときは、これに従わなければならない。

2  保護施設を利用する被保護者は、第46条の規定により定められたその保護施設の管理規程に従わなければならない。

3  保護の実施機関は、被保護者が前2項の規定による義務に違反したときは、保護の変更、停止又は廃止をすることができる。

4  保護の実施機関は、前項の規定により保護の変更、停止又は廃止の処分をする場合には、当該被保護者に対して弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、あらかじめ、当該処分をしようとする理由、弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない。

5  第3項の規定による処分については、行政手続法第3章 (第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。

第28条は現在以下のようになっている。

(報告、調査及び検診)

第28条

保護の実施機関は、保護の決定若しくは実施又は第77条若しくは第78条(第3項を除く。次項及び次条第1項において同じ。)の規定の施行のため必要があると認めるときは、要保護者の資産及び収入の状況、健康状態その他の事項を調査するために、厚生労働省令で定めるところにより、当該要保護者に対して、報告を求め、若しくは当該職員に、当該要保護者の居住の場所に立ち入り、これらの事項を調査させ、又は当該要保護者に対して、保護の実施機関の指定する医師若しくは歯科医師の検診を受けるべき旨を命ずることができる。

2 保護の実施機関は、保護の決定若しくは実施又は第77条若しくは第78条の規定の施行のため必要があると認めるときは、保護の開始又は変更の申請書及びその添付書類の内容を調査するために、厚生労働省令で定めるところにより、要保護者の扶養義務者若しくはその他の同居の親族又は保護の開始若しくは変更の申請の当時要保護者若しくはこれらの者であつた者に対して、報告を求めることができる。

3 第1項の規定によつて立入調査を行う当該職員は、厚生労働省令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。

4 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

5 保護の実施機関は、要保護者が第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は医師若しくは歯科医師の検診を受けるべき旨の命令に従わないときは、保護の開始若しくは変更の申請を却下し、又は保護の変更、停止若しくは廃止をすることができる

この第27条の法的効力を第62条で与えた理由につき、小山は、編著645頁~646頁で以下のように述べている。

2 理由

(1) 保護の実施機関(市町村長)が権限に基いて被保護者に命じ得る事項としては、法27条の「指導及び指示」第28条の「調査及び検診」、第30条の「収容保護の決定」等があるが、このうち第28条の「調査及び検診」については、その「受忍」を保障する強い規定が同条第4項に設けられているが、他の二つの事項についてはそのような規定が夫々の条項に設けられていないので、本条においてこれらにつき「受忍」を実質的に保障する為の規定を設ける必要があつたので、これを本条において「指示等に従う義務」として纏められたのである。

本条について先ず問題となつたととは、このような事項につきその受忍を求めることが果して必要であるか、或いは適当であるかということである。

これらの事項の受忍を実力をもつて強制すること、即ち、直接強制することが、新憲法の下では許されないことであることについては議論の等しく一致したところであつたが(この点については【参考】の記述参照。)、その受忍強制を心理的な範囲の問題に止めて置くか、或いは間接的な法的措置で間接に強制するととろまで進めるかという点は意見の最も岐れたところである。

これら二つの事項がいずれも本法に規定するところに従い、保護の実施機関(市町村長)が権限に基いて行う事項である以上、それに従う、従わないか、全く任意であるとする意見はなかつたが、「個人の自由を守る」という考の極めて強い方面(連合軍総司令部公衆衛生部福祉局及び法制局)から保護の実施機関(市町村長)のした決定又は措置に被保護者が従うべきものであることは当然であるが、その一つ前の段階として保護の実施機関(市町村長)がかかる決定又は措置をするに当つては、「個人の自由を最大限に尊重して行うものである趣旨を明かにしておかないと本条がその立法の趣旨に反して極めて暗いものになるおそれがある。」という有力なる意見が開陳されたので、厚生省当局としては改めて法務府(法制意見局、人権擁護局)及び連合軍総司令部公衆衛生福祉局、法制局の意見を徴しつつ検討を重ねた結果、法第27条に第3項を、同じく法第30条に第2項を、又法第33条には用語の類似性からくる誤解をさける意味で、第3項を設け、この間の微妙な気持を表現することとしたのである。

次にこのような事項の受忍を法的措置で間接に強制する権限を保護の実施機関(市町村長)に与えるかどうかについてであるが、これについての実務家側の意見は市町村、都道府県、厚生省を通じこのような権限を保護の実施機関(市町村長)に与えることは少くとも生活保護制度の現状ではどうしても必要であるということに意見が一致して居つた。

特に新法においては、保護を受けることが権利となり、決定された保護の理由なき不利益変更は禁止され、且つ、不服申立の制度が設けられ、被保護者の地位が画期的に強化されている以上、他面生活保護制度の秩序ある運営を保つために必要な最少限度においては、いわば規約違反に対する制裁はどうしても必要であるというのが立案者側の見解であつた。

以上の如き経緯を経て第1項及び第3項が設けられたのである。従つて、これが先に述べたような旧法第36条の如き含みの広い表理を採らなかつた理由も自ら理解されているとおもう。

(2) 本条第3項については、前に説明した見解が了承され、その設置に関係方面の同意が得られたのであるが、その運用についてはいやが上にも慎重を期し、仮にも社会福祉主事等の個人的判断でその濫用の行われるようなことが絶対に起らないようにしなければならないという厳重な注意が与えられたのである。

施行規則第18条の規定は、このような注意に対応して設けられたものであつて、この規定は本条文の審議の際その具体的内容が既に内定されていた意義ある規定である。

上に記載されている施行規則第18条とは編著892頁に付録として掲載された以下の記述を指している。

二、改正生活保護法施行規則(昭和25年5月20日厚生省令第21号)

改正(昭和26年5月1日厚生省令第18号、昭和26年9月13日厚生省令第38号)

(保護の変更等の権限)

第18条

法第62条第3項に規定する保護の実施機関の権限は、法第27条第1項の規定により保護の実施機関が書面によつて行つた指導又は指示に、被保護者が従わなかつた場合でなければ行使してはならない。

この第18条は、現在では、第19条にそのまま移動されている。

第27条の解釈と運用に関して小山は編著413~416頁で以下のように記述している。

第27条

保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。

2 前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。

3 第1項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。

【趣旨】

一 要旨

(1) 保護の実施機関の被保護者に対する生活指導の権能及びその限界について規定したもので、保護の実施機関が被保護者に規律ある生活を維持させ、これが健全な社会の一員として自立して行くために必要と認める指導及び指示をなし得ることを定めたものである。

(2) 改正法においては、本条第1項の「市町村長」が「保護の実施機関」に改められただけであって、その趣旨には変更はないものである。

二 理由

(1) 本法の保護は、実質的には経済保護であるため、その効果は保護金品の給付に最も集約、具体化されるのであるが、このことは決して保護の実施機関が規定通りに保護金品の給付をして行いさえすればよいということを意味するものでないことは云うまでもないところである。

若し、このような機械的な態度で保護を行つてゆくものとすると漏救、濫救の発見、防止、是正は勿論のこと、給付された保護金品が真に本法の目的とするところの最低生活の維持のために十分に利用、消費されているか否かも把握し得ない結果となるだけでなく、この保護によつて被保護者の自立を助長しようとする本法の目的が完全に没却されることになるのである。

従って、保護の実施機関当局としては被保護者の日常生活の中にまで接近して有益な助言、勧告を与え、生活状態を規整するための指導、指示を具体的に適切に行うことが極めて必要であつて、これによりはじめて本法の目的が実を結ぶに至るのである。

(2) 従来、ともすると生活保護を恩恵的、慈恵的とする風潮が社会の各層においてみられたのであつて、そのため保護の実施機関側も被保護者の人格を軽視して必要以上の指導、指示を行い、これがために被保護者の全生活分野にとつて好ましからざる影響を与え、被保護者も亦卑屈感に流れ唯々面々としてこれに盲従するという極めて好ましくない傾向に陥ることがないではなかつたが、この点特に注意し、指導、指示が濫用されぬようにする必要があるのである。

換言すれば、生存権の保障は、個人の人格権の侵害を許容するものでは決してないのであるにもかかわらず、ともすると「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。」(第11条)。「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする。」(第13条)と明瞭に宣言されている憲法上の趣旨が公的扶助の実施において十分考慮されない危険性を多分に持つているのである。

旧法第16条は、「市町村長は、保護を受ける者に対して、勤労その他の生計の維持に必要なことに関して指示をなすことができる。」と規定しており、厚生省当局の新法原案もこれに近いものであつたが、この点に関し有力なる注意を受けたので、このような規定にしておくとその解釈及び運用の如何によつては全能的な指示権の行使ともなるので、その行使の目的と共に、内容及び限界を明確に法律において規定し濫用の起る余地をなからしめたのである。

【解釈】

(1) 「生活の維持、向上」

法第4条(保護の補足性)第1項に掲げる維持よりもやや広く自立助長の趣旨から向上を含めている。

(2) 「その他保護の目的達成に必要な」

例えば、法第60条(生活上の義務)に規定するところの「能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図る」こと、法第28条に規定する調査又は検診に応ずべきこと、或いは保護金品の計画的利用又は保健衛生に関する事項等の如きである。

(3) 「指導又は指示」

(1) 指導とは、ある目的を達するために行われる強制的な性質を有しない行為をいい、指示とは、ある事項を端的に示す強制的性質を有する行為をいう。

(2) 指導又は指示の如きは、一般には単に事実行為とされているが、本法にあつては法第62条に規定する被保護者の服従又はその違反に対する制裁という法律的効果を随伴するものであるから一つの行政処分であることが多い。

この点が、社会奉仕者としての民生委員が「保護を要する者を適切に保護指導する。」又は「必要に応じて、生活の指導を行う。」(民生委員法第14条)ということと相違するところである。

(4) 「自由を尊重」

当該被保護者の能力、社会的関係等の具体的事情からみて、その者が人間として存在する上において必要とする人格を確保するに足る自由を維持しつつ、指導、指示に服従し得るものでなければならない。

当該被保護者の諾否は必ずしも自由尊重の基準とはならない。

(5) 「必要の最小限度」

全然保護に関係のない事項については指導、指示をなすことはできない。例えば、宗教上の信仰、子弟の教育或いは家庭内の紛議の如きは、勤労、家計に影響のある部分について、その面からしても差し支ないが、信仰、教育或いは紛議そのものについて直接に指導、指示をすることは違法である。

然し、現に受けている扶助の内容に限定されるものではない。即ち、生活扶助の単給を受けている被保護者について医療扶助に関係ある保健衛生の事項に関して指導、指示することは固より差し支ない。

(6) 「強制し得るものと解釈してはならない。」

(1)指導、指示を受けた被保護者は自由意思により、その指導、指示を随時拒否して本法の保護の関係より離脱し得ることは当然である。

(2) なお、本条第2項及び第3項の規定の趣旨は、第1項の解釈上当然であるが、指導、指示の実施の如何がもたらす影響が甚大にして複雑であるのに鑑み、特に入念に設けたものであつて、法律的に云えばこの義務を履行させるために行政上の強制執行の手段を用いる余地が全然ないことを明らかにしている。

(3) 被保護者の自由を侵害し、必要の最少限度を越えた指導、指示は、保護の実施機関の無権限に基く無効であり、取り消し得べき行為に止まるものではなく、被保護者はこれに従う必要はなく、又その違反の由をもつて保護の変更、停止又は廃止の処分をすることはできない。

【運用】

一 指導又は指示の方法について

(1) 指導、指示の内容が複雑であり、又は日常実施すべき必要があるものについては、その具体的要領を詳細に記載した書面を交付して被保護者に十分に熟知、徹底せしめる必要がある。

指導、指示の法律上の効果については前述した如く法第62条第1項の規定により被保護者はこれに服従する義務を有し、同条第3項の規定によりその違反に対しては保護の変更、停止、廃止の処分がなされるのであるが、この場合においては施行規則第18条の規定により書面によつて行つた指導又は指示であることが必要である。

これはこのように重要な決定は、社会福祉主事だけの判断によつて行つてはならないという趣旨に基いているものであるから、社会福祉主事自身がかりにも感情によつて事を運ぶようなことがあつてはならないことは勿論、かかる決定的意義を有する指示を行う場合には、必ず実質的にも上司と十分協護した上でことを運ぶようにしなければならない

(2) 指導、指示は単純にして形式的なものに止めることなく、社会福祉主事等をして被保護者の家庭訪問を励行せしめ、指導、指示の結果を常に具体的に把握してこれを検討し、更によりよき適切、妥当な指導、指示を行うことが必要である。

構成

第1章 総則(第1条―第6条)

小山は編著88~104頁において第1条の解釈と運用につき以下のように述べている。

第1節 この法律の目的

第1条

この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

【趣旨】

一 要旨

この条文は、生活保護法という法律の内在目的を定めたものであつて、その要旨とするところは、次の三点である。

第一

この法律は、国民で生活に困窮するものの最低生活を保障しようとするものであること。

第二

この法律による保護は、国の直接責任において行われるものであること。

第三

この制度の目的は、この法律により保護される者の最低生活を保障すると共に、自立を助長しようとするものであること。

二 理由

(一) 法律の内容目的を法律の冒頭に掲げて規定することは、最近の立法においては、一般に見受けられる傾向であるが、生活保護法が旧法以来、その建前を採つているのは、(註一)必ずしもこの傾向に漠然と従つているためではない。

蓋し、生活保護制度の如くその制度創設の目的が達せられるためには行政・機関の善意且つ積極的な発意と行動とを必要とする制度においては、法律の技術的構成を如何に精密に組み立てても行政機関の裁量の余地を全然無くする訳にはゆかず、且つ、又そうすることが必ずしも制度創始の由来に対し合目的的でないからである。

かくてこの制度においては、旧法以来その目的を法律の冒頭に明記し、制度運用の基本方針を明かにするの方針を堅持しているのである。

従つて、この条文は、単なる装飾的条文ではなく、最も実動的な条文であつて、凡そこの制度の運用に当つては、常に、その指針となる性質のものであつて、例えば、この法律の第27条に定められている保護の実施機関の指示権に基いて行われた保護の実施機闃の指示が違法であつたかどうかを判定する実質的根拠条文は、この条文となるという類である。

(2) この法律で、生活に困窮する国民の最低限度の生活を保障することとしたのは、憲法第25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という表現で述べられている生存権保障の理念の一端をこの生活保護制度によつて具現しようとする趣意に出ずるものである。

先ず、第一に、この法律は生活保護制度を名実共に社会保障制度の一環たらしめようとする明確なる意図に基いて制定されている。

この点は、今回の新法の制定が沿革的には昭和24年9月30日附の社会保障制度審議会会長の内閣総理大臣宛勧告「生活保護制度の改善強化に関する件」に応ずるものとして計画された点から見ても(註2)、或いは又生活保護法案の提案理由及び厚生大臣の提案理由説明(註3)から見ても疑を容れる余地がないと思う。

更に、条文の表現においても、旧法が「……社会の福祉を増進することを目的とする。」と謳い、それが性格的には社会福祉の法であるに止ることを示していたのに対し、新法は「……その最低限度の生活を保障する……目的とする。」と謳い、それが社会保障の法であることを明かにしている。

而して、この目的における相違がその法律の性格全体に明確な相違を生ぜしめていることは改めて申す迄もない所である。

第二に、この法律による生活保障は生活に困窮するものに対し、その最低限度の生活を保障する限度において行われるという建前を採つている。

周知の如く社会保障制度は、社会保険、無醵出年金、保険サービス、公的扶助(註4)等の綜合において成り立つものであつて、その国の社会経済的構造の相違によつて、これらの比重は若干異るが、少くとも資本主義国家における公的扶助制度の役割は、社会保障を最後的に締め括る補足的のものであるべきものとされている(註5)。

我が国における公的法助の大宗(たいそう・おおもと)(註6)である生活保護制度においてもこれに従い、生活保護制度による生活保障は、その対象を生活に困窮する者に限定し、その限度を最低限度の生活を保障する程度に止めることとしたのである。

固よりこれは単にこれらの制度相互間の基本的な関係を述べたに止まるから、実際上の問題としては社会保険その他の部門が十分に整備されていなかつたり、或いは公的扶助によつて保障する生活水準が国民の一般的生活水準との関係から見て、相対的に高い場合には公的扶助に相対的に大きな負担がかかり、原則の通りにゆかぬことは勿論である(註7)(註8)。

第三に、この制度はその対象を日本国民に限定した。

形式的にはこの制度が憲法第25条に淵源するからであるが、実質的には新法が単なる社会福祉の法ではなくして社会保障の法であること、従つて、この法律の適用を受ける者はすべてこの法律の要件を満たす限り保護の請求権を有することに基く。

但し、この点は国際連合憲章及び国際人権宣言との関係において研究さるべき問題であろう(註9)。

なお、昭和26年10月10日公布の政令第319号(ポツダム政令)出入国管理令がその第5条で「貧困者、放浪者、身体障害者等で生活上国又は地方公共団体の負担となる虞のある外国人は本邦に上陸することができない。」旨を定め、且つ、その第24条で「本邦に在留する外国人で貧困者、放浪者、身体障害者で生活上国又は地方公共団体の負担になつているもの」に本邦からの退去を強制し得ることを定めていることは、この問題に対する現段階における我が国の基本的な考え方を示しているものと理解することができよう。

朝鮮人、台湾人等所謂第三国人を特に排除しなかつたのは(註10)、保護請求権には選挙権のような政治的色彩がそれ自体としてはなく、且つ、これの行使を排除することは死を要求する結果ともなる虞なしとしないからである。

(三) 保護を国が直接その責任において行うこととしたのは、地方公共団体の責任において保護を行わせ、国は単にその費用について財政援助をするという制度では生活保障の目的が達せられないからである。

地方公共団体に保護の責任を持たせよという主張は、地方公共団体は、住民の福祉増進を目的とする団体であり、生活保護の如きは正しくその代表的なものであるという所に根拠があり、シャウプ勧告(註11)は、かかる考を前提としているといわれているが、この法律はこれと正反対の考に立つて立案されている。

今立案の基礎となつた考え方を要約してみると次の通りである。

第一に、救護法のように救護の対象を労働能力のない者に限定するならば格別(註12)、生活保護法のように保護の対象を労働能力の有無を問うことなく、生活の困窮という事実を保護の要件とする建前の下では、被保護者の態様はその時々の経済事情により大巾に変動することは申す迄もない。

而して、経済の運行が市町村という小区域は勿論のこと、都道府県という区域をも遥かに超えた広域を単位として営まれている以上、経済変動のまにまに発生する生活困窮者の生活保障を、地方公共団体の責任において実施することは不可能と申すの外はない。

このことは、例えば、住民の大半がある特定の会社、工場等に依存して生活している場合に、不況のためその会社、工場が大巾に事業を縮少した場合について考えれば容易に理解されるであろう。

要するに失業による生活困窮をも保護の原因に採り入れたことが、かかる生活保護の実施を全国的規模において実施することを不可避的たらしめているのである。

第二に、生活保護制度を単なる社会福祉の制度としてではなく、社会保障の制度として実施する以上、その保障の内容に相違があつてよい筈はない。而して、経済変動のまにまに発生する生活困窮者の生活保障が地方公共団休の力に余る負担だとすれば、生活保護制度が社会保障制度としての要請を貫こうとする限り、必然的に全国的規模において実施されることを要請する。

第三に、例えば、地方財政平衡交付金制度の如きものを通じ高率の財政援助を行つても、なお且つ、不可能かという問題があるが、我々の経験はこれに対しても不可能に近いという解答を与えている。

蓋し、かかる制度によつて処理し得るためには生活保護の経費について比較的単純な測定基準が作られなければならないが、或る一定の時期をおさえても、同一府県の市町村間に30乃至50の段階があり、且つ、これが時期的に変動し、而も、一方が減じつつあるのに、他方が増しつつあるというように方向が乱雑であるために測定基準の決定が技術的に不可能であるからである。従つて、このような実情の下でこのやり方を強行すれば、市町村のあるものを財政的に破綻させるか(恐らくはそのようなことは起らないで)、或いは社会保障制度としての生活保護制度を崩壊させることになるであろう。

第四に、実際上の問題として現在保護を受けている人々の中の過半は、戦災等による疎開者、戦争未亡人等所謂戦争犧牲者であつて、現在居住している市町村にとつては云わば地つきの人でない人が少くない。

これらの人々の保護の責任を偶々(たまたま)その人が保護を要する状態に陥つた当時、その市町村に居住していたからという理由でその市町村に負わせて了うことには、特に町村においては感情的に無理があるであろう。この点は、市町村民共同の福利増進というもこの場合には、結局ある特定の対象に対し、或る期間固定的に少からざる費用(市町村歳出の10%強)が使用されるのであることを考えれば、戦争中疎開を繞(めぐ)つて生じたいくつかの不揄快な記憶に徴しても思い半ばに過ぎるものがあると申さねばならない。

第五に、憲法は第25条第2項において「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなけれぱならない。」と規定し「すべての国民が健康で文化的な、最低限度の生活を営み得るよう国政を運営すべきことを国家の責務」(註13)とすることを明らかにしている。

このことは必ずしもこれらの部面の事務がすべて国家事務として行われなければならないことを要求するものと解すべきではないかも知れないが、少くともこれらの部面の事務に対する究極的責任は、国がこれを負担すべきことを要求していることだけは否定すべくもない所である。

然るに、平衡交付金制度は財源の賦与のみを考えかかる財源の賦与により、地方団体をして果さすべき事務の実行を確保する手段については何等考える所がない。

従つて、現段階において考える限り、国がその責任を果さんとするには直接責任の建前を採らざるを得ないのである。

(四) 最低生活の保障と共に、自立の助長ということを目的の中に含めたのは、「人をして人たるに値する存在」たらしめるには単にその最低生活を維持させるというだけでは十分でない。

凡そ人はすべてその中に何等かの自主独立の意味において可能性を包蔵している。

この内容的可能性を発見し、これを助長育成し、而して、その人をしてその能力に相応しい状態において社会生活に適応させることこそ、真実の意味において生存権を保障する所以である。

社会保障の制度であると共に、社会福祉の制度である生活保護制度としては、当然此処(ここ)迄を目的とすべきであるとする考えに出でるものである。

従つて、兎角誤解され易いように隋民防止ということは、この制度がその目的に従つて最も効果的に運用された結果として起ることではあらうが、少くとも「自立の助長」という表現で第一義的に意図されている所ではない。

自立の助長を目的に謳つた趣旨は、そのような調子の低いものではないのである。

【解釈】

(一) 「日本国憲法第25条に規定する理念に基き」

すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るよう国政を運営すべきことを国家の責務としている趣旨に基くものである(第2条の(註2)参照)。

(二) 「国」

統治組織としての国家を指している。従つて、行政組織のみならず立法及び司法の組織も含まれる。

但し、地方公共団体は含まれない。

(三) 「生活に困窮する」

(一) 人間としての生活に必要な最低限度の需要が充足されないために苦しむことである。

従つて、この場合における判定の重点は、最低限度の需要が充足されているかどうかという事実の認定に置かれる。

(二) 一般論として「人間生活に必要な最低限度の需要」ということが考えられるかどうか、若し考えられるとすればどんなものかということについては議論の存する所であるが、最近における傾向としては理念型としては存在し得るとするものが有力で、我が国における生活保護制度や米国における公的扶助制度の運用の実際も理論的にはかかる考え方を前提としているように見受けられる。

(三) 生活水準を現わす言葉としては、色々の言葉が用いられ、又生活水準は色々の型に分類されている。

最も多く行われる分類は、貧困水準、最低生存維持水準、最低保健及び体面維持水準、最低愉楽水準に四大別するものであるが(註14)、我が国の生活保護制度の前提している最低水準は恐らく右の最低生存維持水準に近いものであろう。

(四) 「国民」

国籍法に定められた要件を具備する者である(憲法第10条)。

然し、実定制度上日本国民という言葉を必ずしも右の厳格な意義において使用せず、制度の性質上の必要に基き、朝鮮人(註15)を外国人として取り扱う例もあるが、生活保護法においては最も標準的な意義において国民という言葉を使用し、且つ、その運用においても朝鮮人、台湾人等を特に排除する取扱をしていない。

但し、伝えられる如く平和条約の成立後日本に居住する朝鮮人に韓国籍が与えられることになれば本法の達用においても朝鮮人が外国人として取り扱われることとなることは勿論である。

(五) 「その困窮の程度に応じ」

最低生活の需要に基いて客観的、具体的に認定されたその人の困窮の程度に応じ、即ち、その人の資力その他で満たすことのできない最低生活の需要の態様及び程度に応ずるものである。

(六) 「必要な保護」

(1) その人の客観的に必要とする保護。

その人の満たされない需要の態様及び程度が客観的に認定されるから、これに対応し必要な保護も客観的に決定し得る理である。

従つて、必要な保護を認定する行為の法律上の性質は覊束(きそく・束縛)裁量である(註16)。

但し、実際問題としては困窮の程度とこれに必要な保護の認定は極めて困難な問題であつて、そのためには高度の技術的知識が必要とされている。

又生活保護が社会保障の問題でありながら、同時に社会事業の問題である理由もここにある。

(2) この法律では、保護という言葉を特に定義していないが、「国がこの法律の定める所によつて被保護者に対して行う金銭給付又は物品給付」(第6条)を指す最狭義において使用している。

従つて、我々が通常保護として行つているケースワークの多くはこの中には含まれていない。

(七) 「最低限度の生活を保障する」

(1) 最低限度の生活とは、最低限度の需要の充足される生活((三)「生活に困窮する」の項参照)をいう。

(2) 保障するとは。最低生活の維持を脅かす原因を排除して、最低生活が必ず営めるようにすることである。

(八) 「自立を助長する」

公私の扶助を受けず自分の力で社会生活に適応した生活を営むことのできるように助け育てて行くことである。

助長という以上そういう内在的可能性を有つている者に対し、その限度において云われるものであつて、そのような可能性の態様や程度を考えず、機械的画一的に一つのことを強制するものでないことは申す迄もない。

【運用】

一 今後における制度改善の重点について

最低生活保障法と言い得るためには、保護の要件が明確に定められ、保護の内容が最低生活を保障し得る程度のものであり、その実施方法が国民の側から見て安全性のあるものであつて、且つ、権利に対する救済手段が与えられているものでなければないとされているが、新法は概ね右の要件を具えていると思われる。

併し(しかし)、保護の内容については貧弱に過ぎるとする意見が多く、今後に於けるこの制度改善の最重点の一つは保護の基準をこの制度の目的に相応する程度にまで引き上げることであらう。

二 機関委任の方式によることを適当とすることについて

生活保護の国家責任を形式的に最も明瞭にする方法は、国の官吏によつて生活保護の事務を処理させることであるが、能率の点から見ても経費の点から見ても得策とは言い難い。

この意味においてシャウプ勧告とは異るが、我が国においては生活保護についてはこれ迄通り国家事務の機関委任という方式を採ることが適当だと思う。

三 生活保護制度運営の積極化について

生活保護制度の実施が現状ではいささか消極的に過ぎるとは、この制度の運営に対する定評と考えてよいようである(註18)。従つて、今後はこの制度の基本的性格を考え、その枠内で一段と運用に積極性を持たせ、この制度が防貧自立の機能を発揮するよう創意工夫しなければならない。

四 生活保護制度における社会福祉性について

生活保護制度の運営を考える場合、特に注意しなければならないことは、生活保護法の法律的理解を深めるだけでは十分でないということである。

この法律が社会保障法としての建前を採つていること、もう一つは法律技術上の制約によりケースワークを法律で規定することが至難であることのために、この法律の上では金銭給付と現物給付とだけが法律上の保護として現われている。

従つて、現実には保護として行われ、且つ、被保護者の自立指導の上に重要な役割を演じているケースワークの多くが法律上では行政機関によつて行われる単なる事実行為として取り扱われ法律上何等の意義も与えられていない。

これはともすれば生活保護において第一義的なものは金銭給付や現物給付のような物質的扶助であるとの考を生じさせ勝ちであるけれども、ケースワークを必要とする対象に関する限り、このように考えることは誤りだと言わなければならない。

例えば、身体も強健で労働能力もあり、労働の意思もある人が一時的に失業し、生活が困窮した場合には、この人に必要なものは就職の機会とそれ迄の生活費の補給であるから、生活扶助費の給与ということがこの場合の解決策であろう。

然しながら、同じく生活扶助費の給与ということを法律上の保護の形としては採りつつも、若しもこれが労働を怠る者の場合であるとしたら問題は全然異るであろう。

このような者も社会生活に適応させるようにすることこそ正しくケースワークの目的とする所であるが、この場合には恐らく金銭給付は全体の過程の単なる一部分であるに過ぎず、寧ろ、保護の実体的部分は法外の事実行為として行われるであろう。

従つて、この制度の運営に当る者は、常に、事実行為をも含めた広い意義の保護を念頭に置いて事に当る必要があろう。

五 外国人の保護救済について

外国人で生活に困窮する者が生じた場合にはどうすればよいか。

この法律は憲法第25条の規定との関係上その対象を日本国民に限定した。

従つて、厳格に云えば外国人はこの法律による保護を受けることはできない筈である。

然しながら、現にこの制度による保護を受けている外国人が少からず存在する事実(註19)、前述の国際連合憲章との関係及び旧法以来国籍に関係なく保護すべしとする指導方針の採られてきたこと(註20)、等を考えると講和条約が成立し、この間題が確定的に解決される迄はこれ迄通り、生活に困窮する外国人があつたならば一応その国の外交機関に連絡し、それで解決しない場合はこの制度によつて保護すべきであろう(註21)。

(註1)旧法

第1条

この法律は、生活の保護を要する状態にある者の生活を、国が差別的又は優先的な取扱ななすことなく、平等に保護して、社会の福祉を増進することを目的とする。

(註2)小山進次郎編「生活保護の基本問題」(昭和24年)」225頁以下参照

(註3)生活保護法案の提案理由は、次のようになつている。

「現下の社会情勢にかんがみ、生活に困窮するすべての者を無差別平等に保護する生活保護の制度を拡充強化し、国民の最低生活の保障に遺憾なからしめるために現行生活保護法を廃止し、新たに生活保護法を制定する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」

又林厚生大臣はこの点を衆参両院の厚生委員会で概ね次のように説明している。

「抑々(よくよく)、現行の生活保護制度は、生活の困窮と言う事実を唯一の要件として、凡そ生活に苦しむものあらぱ、これを無差別平等に保護すると云う極めて進歩した建前の上に成り立つているのでありまして、世界に於けるこの種の制度中最も進歩したものの一つに属しているのであります。

従いまして、今回の改正におきましても、この制度の基調をなしまするこの理念を益々明瞭にすることに重点が置かれたのであります。

御承知の如く現行の生活保護制度は、終戦直後の国内情勢の極めて混乱しておりまする際に、急遽発足せざるを得ませんでしたために、各般の基礎的研究の完成を侯つ暇なく、取敢ず当時存在いたしました救護法等の形式を利用し、これを換骨奪胎(かんこつだったい・焼き直し)して新たなる制度といたしましたために、新しい理念をもるに相応しい新しい形式を十分に整備することが出来なかったのであります。

固より法の実施に当るものが最善の努力を払いこの間隙の生ずることを未然に防止して参つたのでありますが、特に、昨年以来当国会に於ても極めて緊急なる問題として取上げられた未亡人母子援護の問題或は遺族援護の問題等を通じまして、はしなくも現行制度に於けるこの欠陥が指摘せられ、遂に昨年9月13日内閣に設けられました社会保障制度審議会から現行の生活保護制度を緊急に改善強化し、以つて当面の緊迫せる情勢に対応すべき旨の勧告を受けるに至つたのであります。

政府におきましては、これらの要請に応じまして現行の生活保護制度を、真に憲法第25条の定める理念に相応しいものたらしめるよう、ここに生活保護法の全面的改正を提案することといたしたのであります。」

(註4)前掲・小山 208・209頁参照

(註5)前掲・小山 219-225頁参照

(註6)我が国の公的扶助制度においては、その扶助人員の点においても、そのために使用されろ費用の点においても、生活保護制度が圧倒的な比重を占めている。金額の点については自信をもつては公表し得る資料を欠くので人員についてだけ示すと次のようにになつている。

         公的扶助人員   被保護人員   %

昭和24年4月   1,651,116人    1,590,121人 96.3

    5    1,650,109     1,586,488  96.1

    6    1,661,223     1,607,747  96.8

    7    1,668,172     1,607,240  96.4

    8    1,681,166     1,618,067  96.3

    9    1,990,547     1,633,582  82.1

    10    1,697,186     1,638,339  96.5

    11    1,723,369     1,637,838  95.0

    12    1,725,728     1,666,576  96.5

昭和25年1月   1,726,812     1,673,121  96.9

    2    1,772,728     1,724,107  97.2

    3    1,843,861     1,790,961  97.1

    4    1,849,868     1,793,036  97.2

    5    1,912,365     1,849,386  96.7

    6    1,978,839     1,911,532  96.6

(註7)前者の例としては、我が国の生活保護制度を挙げることができよう。

先ず被保護世帯の中に狭義の未亡人母子世帯に属するものが約48%あり、その中の過半が所謂戦争未亡人母子の世帯であるとされている事実は、本来年金制度等でなさるべきこれらの人々の生活保障を、当事者にとつてはより不利なこの制度によつて代位さしているものと考えられる。

次に医療扶助を受けてる者の殆ど全部が健康保険の加入者でない事実と医療扶助を受けている者の中の34.6%が結核患者である事実(昭25年2月)とは、健康保険の加入者たり得ない者に対する医療に関する社会保険の役割の一部をこの制度が代替させられていることを物語るものと云うことができよう。

(註8)アメリカ合衆国の社会保障にも構造的にはこのような傾向があるように感ぜられる。

例えば、1947年12月における同国の社会保障法に基く老齢扶助受給者数が、次表に示す通り同一の年齢区間の人口1,000人に対し219人であることは同国の社会保障制度における構造上の特色を示すものということができる。

我が国においては、この数は男子については36.6人、女子については46.3人、総体については42.7人となつている。

合衆国 219人 オくラホマ州 581人 テキサス州 487人

コロラド州 424 ジョルジア州 418 アラスカ州 382

ルイジアナ州 381 アリゾナ州 365 ワシントン州 362

アルカンサス州 353 フロリダ州 345 サウスカロライナ州 332

モンタナ州 319 ミシシッピー州 316 ユタ州 312

ニユーメキシコ州 305 アイダホ州 276 カリフォルニア州 257

テネシー州 255 ケンタッキー州 243 モンタナ州 240

ワイヲミング州 238 サウスダゴ夕州 236 ミシガン州 232

ネヴアダ州 230 ノースカロライナ州 225 ミネソタ州 220

マサチュウセット州 210 ネブラスカ州 199 オレゴン州 199

カンサス州 198 オハイヲ州 197 ノースダゴ夕州 190

アイオワ州 189 イリノイ州 187 ウェストヴアージニヤ州 185

メイン州 176 ウィスコンシン州 171 ヴイルモント州 162

インデイアナ州 159 ロードアイラソド州 139 ニユー・ハンプシャー州 131

ペンシルヴアユヤ州 113 コネチカツト州 100 ニユー・ヨーク州 98

ヴアージニヤ州 91 メリー・ランド州 83 ニユー・ジアーシィ州 68

デイラウエア州 56 コロンビヤ区(ワシントンD・C) 45

(註9)国際連合憲章(1945年6月16日)は、この点につき、内外人平等の原則の採らるべきことを期待していることを推測させるいくつかの条項を設けている。参考のため関係条文を次に引用して置こう。

国際連合憲章

第一章 目的及び原則

第1条 (目的)

国際連合の目的は次の通りである。

③ 経済的、社会的、文化的又は人道的性質を有する国際的問題を解決すること。人種、性、言語又は宗教に関する差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の尊重を助長奨励することについて国際協力を達成すること。

④ これらの共同目的の達成に当つて諸国の行動の調和の為の中心となること。

第2条 (原則)

この機関及びそれら加盟国は、第1条に掲げられていろ目的を達成しようとするに当つては、次の原則に従つて行動しなければならない。

⑥ この機搆は、国際連合の加盟国でない国が、国際的平和及び安全の維持に必要なる限り、これらの原則に従つて行動することを確保しなければならない。

⑦ この憲章の如何なる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権の範囲内に在る事項に干渉するの権能を、国際連合に与えるものではなく、又、右の事項をこの憲章による解決に付託することを加盟国に要求するものでもない。但し、この原則は、第7章に基く強制措置の適用を妨げるものではない。

第4章 総会

第131条 (国際協力)

① 総会は、次の目的の為研究を発議し、且つ、勧告する。

い 政治的分野において国際協力る促進すること並びに国際法の漸進的発達及び法典化を奨励すること。

ろ 経済的、社会的、文化的、数育的及び衛生的分野において国際協力を促進すること並びに人種、性、言語又は 宗教に関する差別はない、すべての者のための人権及び基本的自由の実現を援助すること。

② 前記の第1項「ろ」に掲げられている事項に関する総会の右以外の責任、任務及び権限は、第9章及び第16章に掲げられている。

第9章 各国間の経済的及び社会約協力

第55条 (目的)

人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎を置く諸国間の平和的且つ友好的関係の為に、必要なる安定と福祉の条件を創造するために、国際連合は、左記を促進しなければならない。

い 一層高き生活水準、完全雇用並に経済的及び社会的の進歩及び発展の条件

ろ 経済的、社会的、衞生的国際問題及びこれに関係のある問題の解決と文化的及び教育的国際協力

は 人種、性、言語又は宗教に関する差別のないすべての者のための人権及び基本的自由の万人による尊重及び遵守

第10章 経済社会理事会

任務及び権限

第62条 (研究、報告及び勧告)

① 経済社会理事会は、経済的、社会的、文化的、教育的及び衛生的国際事項とこれに関係のある事項とに関す研究及び報告を行い、又はこれを発議することができるし、又右の事項に関して、総会、国際連合加盟国及び関係専門機関に勧告をすることができる。

② 理事会は、すべての者のための人権及び基本的自由の尊重及び遵守を助長するため勧告をすることができる。

③ 理事会は、自己の管轄に属している事項について、総会に提出するための条約案を作成することができる。

④ 理事会は、自己の管轄に属している事項について国際会議を、国際連合の定める規則に従って招集することができる。

国際人権宣言 (国際連合第3回総会)

第2条

何人も人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上又は他の意見、国民的又は社会的出身、財産、門地又は他の地位のようないかなる種類の差別も受けることなく、この宣言に定めたすべての権利と自由を享有する。

第3条

各人は、生活、自由及び身体の安全に対する権利を有する。

第6条

各人は、いかなる場所においても、法の前に一個の人格として承認される権利を有する。

第7条

すべての人は、法の前に平等であり、又、いかなる差別もなく、法の平等の保護を受ける権利を有する。この宣言に違反するいかなる差別に対しても、又このような差別をそそのかすいかなる行為に対しても平等な保護を受ける権利を有する。

第22条

各人は、社会の一員として、社会的保障を受ける権利を有し、且つ、国家的努力及び国際的協力を通じ、又各国の組織及び資源に応じ、自己の尊巌と自己の人格の自由な発達とに必要な経済的、社会的、文化的権利の実現を得る権利を有する。

第25条

各人は、住、医療及び必要な社会施設の便宜を含めて、自己とその家族の健康及び幸福のために適当な生活水準を得る権利並びに失業、疾病、不具、配偶者の喪失若しくは老齢の場合又は不可抗力に基く他の生計不能の場合には保障を受ける権利を有する。

母と子は、特別の保護及び援助を受ける権利を有する。すべての児童は、適当であるとないとを問わず同一の社会的保護を享有する。

(註10)地方自治法は、朝鮮人及び台湾省民の選挙権及び被選挙権の行使を事実上排除している。

地方自治法

第11条

日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通公共団体の選挙に参与する権利を有する。

附則第20条 ① 戸籍法の適用を受けない者の選挙権及び被選挙権は、当分の間、これを停止する。

(註11)シャウプ使節団日本税制報告書附録には、次のようなことが述べられている。

附録A 地方団体の財政B 強力なる地方団体の必要

「地方団体の事務は特に国民と密接なものがある。これらの行政事務のうちには教育、病院、疾病の予防衛生施設、救済母子厚生、警察、消防、街路、レクリエーション、住宅及び不具者の世話といつたような重大な行政及び施設が含まれている。……」

D 職務の分掌

「……地方自治のためにそれぞれの事務は適当な最低段階の行政機関に与えられるであろう。市町村の適当に遂行できる事務は都道府県又は国に与えられないという意味で、市町村には第一の優先権が与えられるであろう。第二には都道府県に優先権が与えられ、中央政府は地方の指揮下では有効に処理できない事務だけを引受けることになるであろう。」

(註12)救護法(昭和4年法律第39号)は、救護の対象を次のように限定している(同法第1条)。

左に掲げる者で貧困のため生活することのできないもの

1 65歳以上の老衰者

2 13歳以下の幼者

3 妊産婦

4 不具、癈疾、疾病、傷痍その他精神上又は身体上の障害により労務を行うに故障のある者

(註13)第2条(註2)参照

(註14)竹内愛二「ケース・ウォークの理論と実際」(昭24年)121頁及び藤本武「最低賃銀基準論」(昭24年)201頁にこの問題に関するダグラス教授、コミッシュ教授の意見が紹介されている。

(註15)外国人登録令(昭22年勅令第207号)

第11条

台湾人のうち法務総裁の定めるもの及び朝鮮人は、この勅令の適用については当分の間、これを外国人とみなす。

(註16)田上穣治「行政法総論」(昭25年)34頁参照

(註17)近藤文二「社会事業の近代的性格の六、生活保護制度の近代化」(「社会事業」33巻第1号)参照

(註18)社会保障制度審議会「生活保護制度の改善強化に関する勧告」(昭24年9月13日)実施要領第三の(2)(前掲・小山228頁)参照

(註19)昭和23年12月1日現在で生活保護を受けていた外国人の数は、次の通りである。

国籍   世帯数 人員 国籍     世帯数 人員

米国     3  10 蒙古人民共和国  3  1

英国     1  3 ポルトガル    1  1

ベルギー国  1  1 ポ-ランド    1  1

ブラジル国  1  4 ソヴィエ卜連邦  4  6

中華民国   46  89 トルコ      2  5

オランダ   1  1 白系ロシヤ    3  3

フィリピン  5  23 無国籍      2  10

台湾省    12  28 ドイツ      13  20

            合計       99  198

(註20)旧基本通知

第一「一般事項の5」には次のように述べられている。

「本法による保護は、差別的又は優先的な取扱をせず平等に保護するものであるから、宗教的社会的、又は国籍等の関係で不利な取扱をなさないこと。」

(註21)昭25.6.18社乙発第92号「生活保護法における外国人の取扱に関する件」各都道府県知事宛厚生省社会局長通知左記第二には次のように述べられている。

「右以外の日本国民でないすべての者は、本法の対象とはなり得ないものであること。但し、その困窮の状態が現に急迫、深刻であつで、これを放置することが社会的人道的にみて妥当でなく他の公私の救済の途が全くない場合に限り、当分の間、本法の規定を準用して保護して差支えないこと。この意味は、その者が一般国民に認められた保護を受ける権利はなく、恰かも旧法におけるが如き反射的利益を受けるに止まるものであること。なお、右に該当する者であつて、外国人登録令による登録をしていない者及び不正な登録をしているか、又は不正な登録証明書を有する者についてはすみやかに検察当局へ連絡すること。」

第2章 保護の原則(第7条―第10条)

第3章 保護の種類及び範囲(第11条―第18条)

第4章 保護の機関及び実施(第19条―第29条の2)

生活保護法第24条第25条の解釈と運用について小山は編著389~409頁にかけ以下のように述べている。

第6節 申請による保護の開始及び変更

第24条

保護の実施機関は 保護の開始の申請があつたときは、保護の要否、種類、程度及び方法を決定し、申請者に対して書面をもつて、これを通知しなければならない。

2 前項の書面には、決定の理由を附さなければならない。

3 第1項の通知は、申請のあつた日から14日以内にしなければならない。

但し、扶養義務者の資産状況の調査に日時を要する等特別な理由がある場合には、これを30日まで延ばすことができる。

この場合には、同項の書面にその理由を明示しなければならない。

4 保護の申請をしてから30日以内に第1項の通知がないときは、申請者は、保護の実施機関が申請を却下したものとみなすことができる。

5 前4項の規定は、第7条に規定する者から保護の変更の申請があった場合に準用する。

6 保護の開始又は変更の申請は、町村長を経由してすることができる。

町村長は、申請を受け取ったときは、5日以内に、その申請に、要保護者に対する扶養義務者の有無、資産状況その他保護に関することについて参考となるべき事項を記載した書面を添えて、これを保護の実施機関に送付しなければならない。

【趣旨】

一 要旨

(一) 法第7条に規定する保護の申請があった場合における保護の実施機関の保護事務の処理手続をその職務上の義務の面から明確に定め、その敏速、確実な処理を期すると共に、これを国民との関係において法規として規定することにより保護の実施機関の便宜、専断或いは恣意的裁量による処理乃至(ないし)遷延(せんえん・のびのびにすること)に流れることなからしめるために設けられた規定である。

(二) 改正法は、本条中の「市町村長」を「保護の実施機関」に改めると共に、本条に第6項を追加して改正第19条第7項第2号の町村長の協力義務の実体関係とその事務手続の具体的要領を示したのである。

二 理由

(一) 本法の保護は、個人の生活や生存に重大な関係を有するものであるから、単に保護についての抽象的理念を法律に掲げただけでは不十分であって、保護者が要保護者に対して実際に行われる場合の個々の具体的手続までを詳細、明確に規定するのでなければ、本法上において認められたとする個人の権利や利益が十分に保障され、実現されることとはならないのである。従って、この権利や利益に実質的に影響する限度においては事務の手続をもすべて法律をもつて定めることが必要なのである。(二) 本条に対応する旧法上の規定は、旧法制定当時にはなく昭和24年4月30日に至り厚生省令第17号で改正追加された旧施行規則第8条の2である。

即ち、「市町村長は、前条第1項の規定による申請があつたときは、直ちにこれを受理し、14日以内に必要な措置をとらなければならない。但し、特別の事情があるときは、この期限を30日までのばすことができる。」(第1項)、「市町村長は、前項の規定に基き、保護の必要がないと認めるときは、その理由を明記し、書面を以て申請者に通知しなければならない。」(第2項)という規定であるが、「必要な措置」の如きは極めて弾力的な意義をもつところのものであるから、更に手続の具体的内容を明確に区分して規定した次第である。

(三) 法第64条以下に不服の申立が規定されているが、これがためには、その基礎事実としての係争処分がなされた際の手続が明確でなければ、適切な決定、裁決を期待し得ないこととなる。

かくて先に述べた通り、旧施行規則第8条の2の規定を本条において吸収すると共に、更にその内容を具体的に明らかにし、且つ、第4項の規定を設けることとなつたのである。

なお、以上述べたところは、本条のみに止まらず、次に規定されている法第25条(職権による保護の開始及び変更)並びに法第26条(保護の停止及び廃止)にもひとしく通ずるところである。

【解釈】

(一) 「保護の開始」

保護の始源的開始をいい、法第11条(種類)に規定する個々の扶助についての開始を意味しない。

即ち、単給を併給とする場合においては、併給される扶助は保護の開始と見るべきではなくして、全一的なものとして考えられる保護の種類の「併給」への「変更」である。

なお、統計等においては、生活扶助を受けている被保護者が医療扶助の併給を受けるときは「変更」でなくして、医療扶助の新規の「開始」とする場合があるが、これは統計上の便宜のためであることに注意すべきである。

(二) 「保護の要否」

本人が実際に生活困窮の状態にあるか否かを検討するのは勿論、法第2条及び第4条に規定する要件を満たすか否かを検討して決定するものである。

(三) 「種類」

法第9条に規定する必要即応の原則に基いて、法第11条第1項に規定する7種の扶助のうち最適と認める扶助を決定するのである。

保護の種類は、単一の扶助のみに限定される択一的なものでないことは法第11条第2項により明瞭である。

(四) 「程度」

法第8条第1項に規定する程度の原則に従つて決定されるものである。

(五) 「方法」

法第9条の必要即応の原則に基いて法第5章「保護の方法」第30条乃至(ないし)第37条の規定により、各扶助毎に金銭給付によるか現物給付によるかについて、更に、保護金品の被交付者について、又生活扶助にあつては居宅保護か收容保護かについて決定するものである。

(六) 「決定」

保護の実施の義務を伴う行政処分であることは法第19条(実施機関)において説明したところである。

この処分を行わないで保護を実施することはできない。

(七) 「通知」

決定の通知は、保護の実施機関の判断意思の確定内容を申請者に対して伝達するものであるに止まり、通知そのものは所謂(いわゆる)準法律行為的行政行為であつて処分ではない。

法律効果はあげて法令の規定するところによつて行われた決定処分によつて発生する。

従つて、当該通知が到達しなければその保護金品を受領し、消費し得ないというのではなく、決定の時において既に本人に被保護者なる身分が形成され、通知がなくても既に本法上の能力を獲得しているものである。

(八) 「理由を附さなければならない。」

申請を却下する場合における保護の「否」の理由のみならず、「要」と決定したときがあつても、その種類、程度及び方法の具体的内容についてその理由を附する必要がある。

蓋し(けだし・たしかに)、申請書に記載されてある主張、期待と決定の内容とが相違する場合が多いと予想されるが、当該保護が法令の定めるところにより最も妥当、適正に決定されたものであることを申請者に十分理解させ、又本法における保護の趣旨が、奈辺(なへん・どのあたり)にあるかをその決定を通じて徹底し、徒に(いたずらに)疑心暗鬼に駆ることなく、申請者と保護の実施機関との間において意思の疎通をはかると共に、若し(もし)、申請者が不服の申立をする際には、それが単純、容易に行われるため 且つ又(かつまた)、その決定、裁決の便宜のため種類等の具体的事項についても個々に理由を附することとしたのである。

なお、「法第24条第1項若しくは第5項、第25条第2項又は第26条第1項の規定による決定通知書には、法第64条第1項に規定するところにより、不服の申請ができる旨を附記しなければならない」(施行規則第3条)ことになつている。

(九) 「申請のあつた日」

申請書に記載されてある日ではなく、保護の実施機関の執務する公務所において正規に受領して受付けられた日である。

郵送によると否とを問わない。

又本条第6項の規定により申請が町村長を経由してなされた場合は、町村長が申請を受理した日又は町村長の保護の実施機関に発送した日でもなく、町村長を経由した後、正規の保護の実施機関が受理した日である。

(一〇) 「14日以内」

決定通知書に記載されてある日又は発信の日でなく、決定通知書が申請者に了解し得べき状態にある日を終期とする。

即ち、期間の計算については本法上別段の規定がないから民法の到達主義の例による。

以下、法第51条(指定の辞退及び取消)第1項、法第64条(都道府県知事に対する不服の申立)等における期間の計算はすべてこの到達主義による。

(十一) 「却下」

消極的行政行為としての受理の単純な拒絶ではなくして、受理後の審理に基く保護を否とする決定をいう。

(十二) 「みなすことができる。」

「みなす」とは、ある一定の事実に対する法律効果を他の異なる事実に結合して、現実に然(しか)らざる事実を然る(しかる・ふさわしい)事実と法律上同一視することである。

その効力は法律上確定的であつて、当事者が反証をあげてもこれを破ることが出来ないが、これが「できる」と能力的なものに転換されているから、実質的には申請者に関する限り所謂「推定」と同じ結果になる。

即ち、法律が或る法律事実の存在を一応推測するものであるが、その効力は仮定的であつて、却下決定がないのに、それを却下決定とする蓋然的可能性を当事者たる申請者に与えたものである。

なお、本法上においては、法第30条(生活扶助の方法)第1項、第77条(費用の徴收)第3項、第82条(町村の一部事務組合)、法第83条(保護の実施機関が変更した場合の経過規定)及び施行令第4条(不服の申立の移送)第1項、第4条の2(保護の実施機関に変更があつた場合)等の規定において「みなす。」という語が用いられているが、これはすべて右に掲げた意義である。

(十三) 「変更」

程度或いは方法についてのみでなく、種類の変更も含まれる。

その効果は遡及せず、将来的であることを原則とする。

単給を併給とすることは種類の変更であることは前述した。

(十四) 「準用」

2箇の事項が或る点においては等しきも他の点において相違する場合に、その一方の事項についての規定を、その差異に基き必要なる多少の変更を加えることを前提として、他の一方の事項に応用することをいう。

開始の申請と変更の申請とは、質的にみて両者とも要保護者の要求である点においては何等(なんら)異るものではないから、開始の決定手続の変更のそれに準用したものである。

なお、変更の決定通知書には、開始の決定通知書の如く保護の要否、種類、程度及び方法のすべてについて記載する必要はなく、ただ変更申請に係る事項についてのみ決定して、これを通知書に記載すれば足りる場合が多いであろう。

(十五) 「町村長を経由してすることもできる。」

町村長は、経由機関にしかすぎないのであるから、その申請が如何なるものであろうとも、これがいやしくも本法の保護に係るものである限りにおいては、自己の独自の判断でこれを却下したり、又返戻することはできないものである。

必ず、すべて保護の実施機関にこれを送付しなければならない義務を有する。又保護の申請においては、町村長は絶対的な必要経由機関ではなく、申請者は保護の実施機関でも町村長でもいずれに申請することもその任意であるから、保護の実施機関か町村長を経由せずして申請が直接されたからといつてこれを申請者に返戻したり、又は町村長に更めて回付するが如きは行うべきではない。この点は、不服の中立における経由手続と、その趣を著しく異にするものである。

なお、直接に申請があつた場合のこれに対する町村長の参考事項の具申を必要とする場合においては、保護の実施機関は法第19条第7項第4号の「調査」の協力を求めるという方式によるべきである。

(一六) 「参考となるべき事項」

例えば、申請書に記載されていない当該世帯及びその構成者についての特色、戸籍又は納税の状況の如きである。

而(そ)して、すべて記載すべき参考事項は町村役場において直ちに把握し得る事項か、又は町村吏員が容易に調査し得る事項に限られるべきであつて、精細な収入認定の如きまでに及ぶものではない。

【運用】

保護の開始又は変更の、申請手続について

保護の開始又は変更の申請は、施行規則第2条に掲げる事項を記載した書面を提出して行うものである。

申請の様式は、郡道府県の施行細則において規定し、都道府県又は市町村において印刷し、福祉事務所又は町村に配置して予め整備しておくべきであり、要保護者が口頭で保護を申し出た際においても、福祉事務所の職員又は町村吏員が具体的事情を聴取して、これを申請書の所要箇所に書き入れ、更めて当該要保護者に読み聴かせ、事実に相違ないことを確めた上で、署名捺印を求め、所定の申請書を作成して、形式を整備することが必要である。

申請を書面による行為とした理由は、申請が保護の決定及び不服の申立の処理その他のすべての保護事務についての最も重要な基礎的資料の一つである点にあるが、必ずしも所定の申請書によらなければならないとするものではなく、施行規則第2条に掲げる3箇又は4箇の事項が了知し得る限りにあつては、すべて有効な申請書である。

又申請書のある事項の記載が誤りである場合でも、その誤記であることが社会上の見解により外部的に認識され、且つ、申請書の全般的な内容からみて、正当に記載さるべき所要事項が推察し得るときも同様である。

例えば、保護の変更申請書と表記すべきところを保護の開始申請書或いは不服申立書と記載したり、又は要保護者の氏名と性別とが符合しない場合の如きであるが、これは単純なる文字の誤りであるに止まり、其の誤記にかかわらず申請者の真意に従つて効力を生ずるものである。

これに反して誤記であることが外部より認識し得ない場合は、其の申請書の記載によつては申請者の真意がいずれにあるかを推定し得ないのであるから、其の真意の如何にかかわらず専ら申請書に表示されたところに従つて処理しなければならない。

例えば、真に保護を求める意思なくして保護の開始申請書を提出したり、又は甲を要保護者として申請すべきであるのに乙を要保護者としてなすが如きは、文面上其の真意を推定することが出来ないので、従つて、其の表示された記載に従い所定の決定を行わなければならない(註1)、故に、都道府県の施行細則に規定する申請書も絶対的なものではなく、合理的理由があればこの申請書によらなくても申請と認めらるべき例外があり、一定の書式による書面申請ということも通常この申請によつて行うことを常例とするという程度の便宜的な意義を有するに止まる(註2)。

而(そ)して又、申請が要式行為とされている以上は、所定の事項を記載しているものでなければ正規の申請としての効果はなく、無効な行為であり、保護の実施機関は申請に伴う決定の義務を負うものではないとされるべきであるけれども、要保護者に所定の事項の完璧な記載を求めることが酷に失する場合もあり、且つ又(かつまた)、申請が保護開始の要件であるといつても、それは極めてルーズな意義においてであるから、瑕疵ある申請書が提出されても、直ちに法定の要件を欠くとしてその受理を拒絶して却下すべきではなく、記載洩れ事項を指示して申請者に補正させ、福祉事務所の職員又は町村吏員が進んで調査してこれを補完すべきものである。

二 申請の法律的効果について

申請の効果は、申請者が保護の実施機関に対してその受理を要求し、申請内容につき審理を求めることができ、保護の実施機関がその申請に対して何分(なにぶん・なんらか)の決定を行うべき拘束を受ける点にあるが、保護の実施機関は申請の具体的内容に拘束されるものではない。

申請書には希望する保護の種類、程度又は方法を記載することは随意であるが、仮りに、生活扶助又は住宅扶助或いは教育扶助の一つを指定して申請した場合でも直ちにこの要求に従つて扶定すべきものではない。

元来、要保護世帯の収入を生活の如何なる部面に先ず充当させるかということは、生活を全一的なものと考える場合には、一概に速断できない問題であるが、本法が最低生活保障法である建前からして、その収入は原則として先ず衣食の費用に、次いで住居の費用に、次いで教育の費用その他の必要な費用に充当させるべきで、その不足する経費に対して保護を適用しなければならないものであるから(註3)、原則としては教育扶助、住宅扶助、生活扶助の順に種類を決定することが適当であるとされているのである。

三 決定の内容について

種類の決定については、単に法第11条に掲げる扶助種目のみでなく、必要に応じ法第12条以下に規定する各扶助毎の範囲についても具体的に決定することが適当であろう。

又方法についても法第6条第3項以下に規定するところの給与、貸与等の区分をも明確に決定すべきである。

これらの細部に亘る点についても原則としては、決定通知書に記載すべきものであるが、範囲等を特別に記載しなくても明瞭に推知し得る場合にあつてはこれが記載を省略することは差し支えない。

四 決定に附款(ふかん)を附することについて

決定に当つては、保護の要否、種類、程度及び方法に併せて保護の開始の時期或いは実施の期間の如き所謂附款(ふかん・ある法律行為から通常生ずる効果に一定の制限をつけるために示す事項)を定めることは差し支えないが、保護の目的を阻害するが如き条件、負担或いは法律的効果の一部の除外を内容とする附款はなし得ない。

旧法第33条の「保護を受けた者が保護に要した費用を弁償する資力を有するようになつたときは、保護の費用を支弁した市町村又は都道府県は、保護を廃止した日から5箇年以内に、その費用の全部又は一部の償還を命ずることができる。」の如き規定は、最低生活保障法としては適当ではないので新法においては全く設けられなかつた趣旨に鑑み、かかる内容をもつ附款も決定し得ないと解すべきものであろう。

なお、保護の申請があつた場合に保護の開始時期は、調査の結果について法第8条以下の原則に基きその保護を要する確認をし得た時期より開始するものとし、原則的には保護の申請書の日付、受理の日付に拘束されないものと解することは理論上の問題として妥当するところであるが、その実際の運用においては、生活困窮の客観的事実の認定の能否とその扶助の種別によりその緊急性やその他の事情により制限のある場合が多く、従つて、一般的には申請の受理の日以後において生活困窮の事実を確認し得た日を保護の開始の日とすべきである(註4)。

五 決定の際における錯誤等の決定の効力に及ぼす影響について

(1) 決定通知書の誤記については若干問題がある。

即ち、意思の欠缺(けんけつ・適用すべき法の規定が欠けていること)に基く決定処分の無効なりや否やということである。

決定通知書の誤記であることが社会上の普通の見解により外部より認識し得るものであるときは、その誤りを正しその真正の意義と認むべきところに従つて効力を生ずるものと解すべきことは申請書の誤記の場合と同様である。

例えば、住所又は氏名の一部分を誤つて記載し、若しくは男子である要保護者が医療扶助を申請したのに対して出産扶助を決定する旨を記載するが如きである。

これに反してその誤りであることが外部より認識し得ないときは、申請の場合といささか趣を異にする。

「普通に行政機関の行為(意思の決定と意思の表示との二段に分れて行われ、先ず権限ある機関の決裁を得て其の意思が決定せられ、更に部下の官吏又は吏員が権限ある行政機関の命を受けて其の表示行為を為すを通常とす。此の場合に於て其の表示が原譏の決定と異なるときは其の表示せられたる所(権限ある機関の意思に非ざるを以て効力を生ずるに由なく、其の決定せられたる意思は表示せられざるを以て亦(また)効かを有するを得ず、結局意思と表示との不一致の限度に於て共に無効にして、有効なる正誤を待ちて始めて其の効かを生ずるものと認むるの外なし。其の正誤ありたる場合卜雖も既往に遡りて効力を生ずるに非ずして正誤に依り始めて有効なる行政行為ありたるものとなるなり」。

而(そ)して又、「表示せんと欲したる内容が真実と異なる場合は意思の決定の誤に基きて生ずる原議の決定と表示との不一致に非ずして原議の決定其れ自身が錯誤に基き真に決定せんと欲する所と異なりたる決定を為せるものにして、即ち真意と表示との不一致なり。此の場合に於ても其の誤なることが普通人の注意を以て外部より認識し得らるべきときは、問題は簡単にして、其の誤を正し其の真意と認むべき所に従ひ効力を生ずるものと解す」べきものであるから、例えば、5人世帯について生活扶助が申請され、その手続の途中において世帯員中の1人が死亡したのに保護の実施機関においてその事実を知らなかつたため5人世帯として決定したとしても、その決定全休が当然に無効となるのではなく、又その決定の通り5人世帯としての扶助額を給付する必要はなく、理論上の問題としては決定を別段更新することなく4人世帯としての扶助額を給付すれば足るものである。

(2) 「之に反して、其の誤なることが普通人の注意を以て認識し得べからざる場合に於ては、其の真意は全く表示せられざるものなるを以て真意に従ひて効力を生ずるに由なく、而(そ)して行政行為は公の権威を以て人民に対し人民は其の表示せらるる所に依りてのみ之を認識し得べきものなるを以て、原則としては真意の如何に拘らず其の表示に従ひて効力を生ずるものと認めざるべからず。換言すれば意思の決定の誤は原則として行政行為の無効原因となることなし。民法には法律行為の要素に錯誤ありたる意思表示は之を無効とすることと定むと雖も、此の原則(一般には行政行為に適用することを得ず、行政行為は公の権威ある行為なるを以て仮令錯誤ある場合と雖も、尚取消さるる迄は其の効力を有し、錯誤あるが故を以て当然には無効たるものに非ずと解せざるべからず、唯其の錯誤の結果として其の行為が法律上の不能を内容とするものとなりたるときは内容の瑕疵に基き無効となると雖も、是れ他の原因に基くものにして錯誤あることに基くものに非ず」(註5)。

例えば、甲が乙の名を詐称して保護を申請し、種々の調査を受け、よつて乙に対して決定通知書を交付したとしても、乙は保護に必要とする種々の調査を受けてないものであるから保護を受くべき資格、要件が確定しておらず、従つて、その決定は無効である。

或いは又、単身の要保護者が生活扶助を申請して、その手続中に死亡したるにもかかわらずこれが決定された場合の如きは、保護を受ける能力のない死者に対する決定であるから無効である。

これらは何れも錯誤の結果法律上の不能を内容とする行政行為となるものであつて、内容の不能なるが故に無効となるものであつて別段の取消を必要とするものではない。

而(そ)して、設例の前者の場合にあつては乙に対する決定を甲に対して有効なものとし、後者の場合にあつては生活扶助の決定を葬祭扶助の決定として有効なものとする所謂無効行為の転換はこの場合認められない。

無効なる行政行為は民事上の法律行為の場合の如く追認若くは時効により有効の行為となることは出来ず、全然新たなる行政行為がなされることを原則とするからである。

特に本法においては、保護の個別性の原則よりしてこれが厳格に要求さるべきである。

これに反して、例えば、計算の誤に基き扶助額を正当とするところよりも高額又は低額に決定し、或いは資産、収入の認定を誤つて保護すべきでない者に対して保護の開始を決定し、或いは又、保護を継続すべきであるのに保護の廃止を決定するが如きは、当然に無効となるものではなく、瑕疵ある処分であるに止まり、取消の原因となり、取消の行為により始めてその効力を失うものである。

又保護の決定が、法第78条に規定するところの「不実の申請その他不正な手段」に基いて行われた場合においても錯誤の場合と同じく、保護の実施機関の意思の決定に瑕疵あるものであるが、意思なき行為とはなし得ないのであつて、保護の実施機関が自己の権限内において決定を与えたものであるが故に、不能を内容とする場合等他の原因により無効となる場合の外、意思の決定に瑕疵あるが故をもつて直ちに無効となるものでないことは計算の誤に基く扶助額の決定の場合と同様である。

(三) 以上は、行政処分としての性格を述べたものであつて、実際上の運用としては、瑕疵ある決定は直ちに取り消し、正当な決定に速かに更新すべきであることは勿論、当然に無効な行為であつてもその無効を明白に宣言することが必要である。

このためには先に交付した決定通知書に対する取消通知書等を追送し、形式的にも他日に疑を生ぜしめることなきように措置すべきである。

又錯誤の設例としてあげた5人世帯の決定に基く4人世帯の実施の如きにあつては、世帯員1人の死亡に基いて当該世帯の収入、支出の状況が根本的に変動し、保護の要否の判定にまでも及ぶことが予想され得るので、5人世帯の扶助額の決定と同一の基礎に立つてこれを4人世帯に機械的に転換して実施するのは不適当であるから、かかる場合にあつては、直ちに当該決定を取り消し、調査決定を更新すべきものである。

六 期間計算の方法について

(1) 決定通知書の送達期間は、民法上の到達主義の例によつて計算されるものであることは前述した。

即ち、民法第97条第1項「隔地者に対する意思表示は、其通知の相手方に到達したる時より其効力を生す」るものであるが、期間計算の始期は、民法第140条本文「期間を定むるに日、週、月又は年を以てしたるときは期間の初日は之を算入せす」の規定により、到達した日の翌日である。

例えば、土曜日の午後1時に申請書が福祉事務所に郵送され翌々日の月曜日に正規に受け付けられたとするときは、その翌日の火曜日を第1日として14日又は30日が計算される。所謂延長的計算法による。

(2) 終期については始期の如き延長は認められない。即ち、民法第141条「前条の場合に於ては期間の末日の終了を以て期間の満了とす」の規定による。

もつとも、民法第142条及び第143条第2項において期間の終期についても延長的又は短縮的計算法が規定されているが、保護の決定は何等(なんら)「取引」に関係あるものではなく、又期間それ自体が暦法的計算法でなく自然的計算法によつているのであるから、民法のこの両条のいずれにも本法上の期間計算は関係がない。

(三) 隔地者間における意思表示の効力発生時期を何処に求めるかについては、表白主義、発信主義、了知主義、到達主義等があるが、到達主義は相手方の了知を形式的に一応確定し得る点よりして行政法上一般に採用されているところであるが、もとよりこの到達主義が完全なものであるとは言い得ない。

本法の場合にあつてもその例外ではなく、保護の申請書の提出、決定通知書の送達に際して種々の問題も生じやすいが、例を後者にとつてみれば、次の如く解すべきである。

(1) 到達とは、決定通知書が相手方たる申請者の現実の支配の範囲に入つたこと、換言すれば、申請者がその決定通知書を読解、了知し得べき普通の状態が発生したことであり、申請者の積極的受領行為を必要としない。

即ち、決定通知書が申請者の住居に配達された限りにおいては、申請者がそれを読んでも読まなくても、或いはその受領を拒絶しても到達の効果を生ずる。

(2) 申請者の移転又は移転先の不明或いは郵便局の過失又は災害による決定通知書の配達の遅延又は不能は申請者の側の状態を基準として決する。

即ち、遅延にあつてはその時にはじめて決定通知書が到達したものであり不能にあつては到達の効力は発生しない。

民法第97条の二において「意思表示は表意者力相手方を知ること能はす又は其所在を知ること能はさるときは公示の方法に依りて之を為すことを得」と公示送達を規定しているが、決定の通知にあつては、その性質上からしてこれによることは殆んどありえない。

なお、本法に基く処分について強いてこの公示送達を行うべき例を求めるならば、法第45条第3項に規定する社会福祉法人の設置した保護施設に対する事業停止、認可取消の処分又は法第51条第3項に規定する指定医療機関の指定の取消処分を行う際の弁明の機会の供与の通知の如きである。

(3) 申請者に決定通知書が到達したか否かの疑ある場合においては、本法に消費生活協同組合法第38条第2項の如き「前項の通知又は催告は、通常到達すべき時に到達したものとみなす。」という特別な規定はないが、決定通知書を「発送したることが証明せらるるときは反対の証拠なき限り到達したるものと推測せらるものである」ものである(註6)。

(4) 決定通知書の到達又は同時にその決定通知書に記載されてある内容の取消又は変更に係る通知書が到達する場合にあつては、その限度において決定通知書が効力を失うに至る。

七 決定通知期間について

(1) 申請から決定通知に至る期間を長期にすると本法の保護を実施する時間的余裕を広く認める結果、要保護者の生活を不安ならしめ、益々(ますます・前よりも一層)これを逼迫せしめるだけであつて生活保障法としての意義を喪失するので、なるべく短くすることが原則であるが、これも度を過ぎると調査が粗漏(そろう・おろそかで、手落ちのあること)になる結果、当然に漏救、濫救の簇出(そうしゅつ・むらがり出ること)が予想されるので、従来の経験に徴して旧施行規則第8条の二第1項と同様にこれを14日とし特別な理由がある場合においては30日まで延長することを認めたのであるが、漏救、濫救に亘らぬよう適正な保護を実施するための調査を可能な限り敏速、的確に行い14日以内に早急に決定通知書を到達することに努め、もつて申請者に安定感を与えるべきである。

而(そ)して、本法は実施の時期については何等(なんら)規定を設けていないが、これをもつて実施の時期の如きは何等(なんら)制限されず、一に保護の実施機関の任意の事項とされたものと解すべきでなく、決定通知書に記載した実施の時期等に従つて適切に実施すべきものである。

又この点は、法第19条(実施機関)第1項の説明においても述べたところであるが、保護の実施は何等(なんら)決定通知書の到達を要件とするものではなく、その到達前において行つことも差し支えなく、むしろそれが望ましい場合もあることに留意すべきである。

(2) 法定期間内における決定通知の到達として問題となるのは、特別基準の設定の場合である。従来の事情からみると通常この手続の完了までには内部的にも30日を越えることが寧ろ(むしろ)通例である。

市町村、福祉事務所等、都道府県並びに厚生省の事務当局は、手続の敏速化を図り、これが決定通知書も30日以内に申請者のもとに到達するように一層の努力を払うべきではあるが現状では不可能に近いであろう。

保護の実施機関においても特別基準額の設定を必要とする申請を受理したときは、所要の手続をとると同時に、申請者に対してこの旨を通知し、決定までは相当な日時を要することを予め了解させ徒に危惧の念をいだかせず、又実効性のない不服の申立を提起せしめないように事情を明らかにすることが適当な措置である。これは単に特別基準の設定についてのみではなく決定通知書の到達が14日を越える可能性のある複雑な事案の申請に対しても同様である。而(そ)して、この通知が当然に30日の法定期間の徒過(とか)を法律上正当化して申請者の不服申立権を制限するものではないことは勿論である。

なお、ここに注目すべきことは、特別基準の設定それ自体は都道府県知事又は厚生大臣の処分であつて、保護の実施機関の保護の決定でないが、特別基準の設定の意義は個々の事業について一般基準を超えて保護の実施機関が特別に決定し得る保護の程度の最上限を示したもので、換言すれば、保護の実施機関に対して一般基準に背反してこれを超過する程度の保護をしてはならないという禁止事項を解除したものであつて、この解除の具体化としての特別基準に基く決定それ自体は保護の実施機関の保護の処分である。

而(そ)して、この場合における決定も申請者に対する関係においては他の決定と異るものではないこと勿論であるが、保護の実施機関がその特別基準に示された以下の額を決定した場合の外は、保護の実施機関はその権限の属する限りにおいてそのなし得るすべてをなしたのであるから前提審理においてその不服の申立は却下されることとなる(註7)。

八 申請却下の擬制について

(一) 保護の申請に対して何等(なんら)の処分をなすことなく徒に(いたずらに)時日を経過するときは、保護の実施機関の不行為による所謂行政処分の不存在となる訳であつて、これは争の目的となるべき対象が存在しないから、一般に行政争訟の提起の余地がないことになる。

この場合たとえこれを提起したとしても前提審理において単純に却下されるに到るものである。

従つて、その結果は保護の実施機関の決定の徒過(とか・むだに時をすごすこと)、遷延(せんえん・のびのびにすること)を黙認し、決定通知の法定期間も単なる訓示的意義を有するに止まることとなり、且つ、不服申立制度の実効性も極めて乏しくなり申請者が著しく不利な立場に放置され、保護を権利なりとする新法の理念も薄れ、実質的には保護を反射的利益とする旧法の観念と同一に帰する虞(おそれ)があるので、実際的には行政処分の不存在の場合であつてもこれが存在を擬制しうる可能性を考えて決定通知の法定期間の実効性を担保し、申請者の権利を保全しようとして本条第4項の規定が設けられたのである。

本項はかかる極めて重要な意義と効果とを有するものであるからこの規定が設けられるに至つた趣旨に注目し、かかる規定が活用されないで済むように努力しなければならない。

(2) 保護の申請をしてから30日以内に決定通知書の到達がなくても、保護の実施があつた場合又は30日以後においても保護の実施があつた場合に申請者がその保護金品を受領した限りにおいては、最早(もはや)申請の却下を擬制して不服の申立をすることかできない。実施の内容が申請者にとつて不服であると否とは問わない。実施の内容が不服である場合は、これを受領することなく不服の申立をするか、或いは更めて変更の申請をなすべきものである。本項は実施内容としての保護金品の受領と不服の申立の併行を認めたものでなく、あくまでも二者択一の擬制である。「みなすことができる。」とはこの意義である。申請が却下されたにもかかわらず、保護が実施されることはあり得ない。

(3) 本項にいう「第1項の通知」とは、勿論有効な決定通知書をいうものであるが、如何なる形式の決定通知書をもつて有効とし、又無効とするかが問題となる。

一般に要様式行為については二つに区分して考えることができる。

即ち、「其の形式が行政行為の確実性を証明する為に必要なり認むべき場合に於ては之を主要形式として認むべく其の形式を欠くも行政行為の確実性に影響なく単に其の趣旨を一層明瞭ならしむるが為にするに止まるものは之を従たる形式として認む」べく「行政行為は唯其の主要形式を欠く場合に於てのみ無効なり」(註8)とされている。

決定通知書による通知は主要形式であつて、口頭による通知は無効であるし、決定通知書における保護の実施機関の記名捺印は主要形式であるが、決定書に理由及び日付を記載することは決定の証拠力に欠くべからざるものでないから、従たる形式であつて、その欠陥は直ちに無効となるものではない。

行政行為をなすに当つて、その理由を明示し、これを附すべきことを要件としているものについて、全く理由を附さないときは、その行政行為は無効と解すべしとする説があるが(註9)、保護の決定は、相手方に積極的に義務の履行を求め、権利の行使を制限して相手方の具体的行動に干渉するものではなくして、単に保護の実施機関の積極的行動の自己決定を意味し、且つ又(かつまた)、その決定の実施は通知の有効な成立を絶対的要件となすものではないから、従たる様式の範囲をさまで(それほどまで)狭く考える必要はないのである。

保護の申請をしてから30日以内に主要形式を欠く決定通知があつても、申請者は保護の実施機関が申請したものとみなして不服の申立をなすことができるし、又この通知にかかわらず保護の決定の実施としての保護金品を受領することも差し支えないことは前述した通りである。要するに、決定の通知は便宜的な手続であつて決定そのものの効力を左右するものではなく、本項に規定する申請却下の擬制も何等の決定、実施がなされたかつた場合における不服中立の提起のための基礎を与えたものにすぎないのである。

(四) 新法審議の過程において、本項の申請却下の擬制の如きは、国民の権利を行政庁の一方的怠慢によつて著しく侵害するものであるから、これを「申請の通り決定されたものとみなす。」の如く全然反対に規定するか、又は本項を削除すべきであるという議論が相当活撥に行われたのであるが、然し(しかし)、例えば営業許可申請の場合の如く、これに対する行政庁の処分が単純なる宣言であつて、許可か、不許可かの二者択一に限られている場合にあつては、決定期間の徒過(とか)について申請の通り許可処分があつたものと擬制しうる可能性はあろうが、本法の保護の如く補足性の原則に立つて具体的に詳細に収入、支出を認定して決定しなければならないものについて申請者の主観的要求の通り決定されたものとすると擬制することは、たとえ一般基準額の枠内に止めるとしても全く不合理であり、かかる擬制を設けることは必然的に惰民の醸成を将来し、本法の制度それ自体を破産せしめることとなるので厚生省当局としてはこの意見に強く反対した。

又本項の削除の如きは不服申立の基礎を奪うものであつて却つて(かえって)国民の権利を害する結果となるから賛同し得なかつたこと勿論である。

九 町村長を経由してなされた申請について

(一) 右については、その添付されている町村長の調査書類によつてそのまま保護の決定を行うとか、又は、その書面の審査のみによることなく、保護の実施機関は、社会福祉主事をして実地調査を行わしめた後において保護を決定すべきである。これは保護の開始の申請の場合には特に必要である。

(2) 町村長を経由してなされた申請についても、保護の実施機関は本条第1項乃至(ないし)第5項の規定によつてそれぞれ処理しなければならないことは当然である。而(そ)して、理由を記載した決定通知書は町村長を経由することなく直接申請者に送付すべきであり、一方町村長に対してはこれが決定の内容を承知し得るように決定通知書副本等の如きを同時に送付すべきである。この点は、申請が保護の実施機関に直接なされた場合においても、且つ又(かつまた)、保護の変更、停止又は廃止をしたときも同様であつて、被保護者の状況の変動を通報させる等につき町村長の協力を容易、適確にならしめるために必要である。

(3) 町村長に申請書を提出した場合においての本条第4項の適用は、町村長の送達決定期日である5日をふくめて町村長に申請をしてから35日以内に保護の実施機関から決定の正規の通知がないとき、保護の実施機関が申請を却下したものとみなすことができるものと解すべきである。町村長は、申請を受け取つた限りにおいては、5日以内に送付すべき拘束をうけるものであつて、町村長が現実に5日以内に送付したか否かによつてその申請の効果に影響を及ぼすものではないからである。

(註1)美濃部達吉「行政法撮要(さつよう)」(昭18)133頁

この点は、不服申立書その他本法上の要式行為についてすべて通ずるところである。

(註2)改正施行細則準則第5条において、「施行規則第2条第1項の書面は、様式第1号によるを例とする。」としてあるのは、この意義である。

(註3)新基本通知左記第四の一後段

(註4)昭26.8.10号社乙発第112号「生活保護法の開始時期に関する疑義について」各都道府県知事宛厚生省社会局長通知別紙乙号

(註5)前掲・美濃部 201乃至(ないし)2044頁

(註6)前掲・美濃部 197頁

(註7)昭25.10.4社乙発第167号「生活保護法による住宅扶助(家屋修理費)の取扱について」各都道府県知事宛厚生省社会局長通知別紙乙号左記の二

(註8)前掲・美濃部 194頁

(註9)田中二郎「行政法講義案」上巻第二分冊(昭24)64頁

第7節 職権による保護の開始及び変更

第25条

保護の実施機関は、要保護者が急迫した状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて保護の種類、程度及び方法を決定し、保護を開始しなければならない。

2 保護の実施機関は、常に、被保護者の生活状態を調査し、保護の変更を必要とすると認めるときは、すみやかに、職権をもつてその決定を行い、書面をもって、これを被保護者に通知しなければならない。前条第2項の規定は、この場合に準用ずる。

3 町村長は、要保護者が特に急迫した事由により放置することができない状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて第19条第6項に規定する保護を行わなけれぱならない。

【趣旨】

一 要旨

(1) 保護は申請に基いて行われるのを原則としているが(法第7条本文)、申請のみによっては保護に欠けるところがあるので、法第7条但書において職権保護の例外として認められているのであるが、本条はこれに対応する手続規定である。

而(そ)して、本条は漏救及び濫救防止の面より保護の実施機関に対して職権保護の開始及び変更を職務上の義務として規定しているところに意義がある。

(2) 本条における昭和26年の改正は、前条の申請による保護の開始及び変更の場合と同様である。

二 理由

本条に対応する旧法上の規定は、旧施行規則第8条第2項「市町村長(東京都の区のある区域においては、東京都知事とする。以下同じ。)が必要と認めるときは、前項の規定による申請がない場合と雖も保護を行わなければならない。」の規定であるが、更に手続の具体的内容を明確にする必要があることは、前条の場合と同様である。

【解釈】

(1) 「急迫した状況」

法第7条(申請保護の原則)の説明を参照。

(2) 「職権をもつて」

保護の申請がなくてもという意義である。而(そ)して、急迫な状況ではないが保護を必要とする者を保護の実施機関等が発見したときはこの者をして申請をさせて、前条各項によつて措置すべきものである。

(3) 「保護を開始しなければならない。」

保護を決定して直ちに実施すべきであつて、申請による保護の開始の場合の如く決定通知書の作成送達の如き手続は必要でない。何となれば保護の申請がなく、且つ、急迫した状況にあるので、保護としての具体的、実質的効果の実現が第一義的であるからである。

(4) 「通知」

被保護者が現に受けている保護が、申請に基かないで(継続的に同一性をもつて実施されるであろうとの期待に反して)、一方的に変更されるのであるから、その内容及び理由を被保護者に通知すべきものであることは、前条の申請保護の場合の決定通知におけると全く同様である。この点は、次の法第26条保護の停止及び廃止に規定する決定においても同様である。

(5) 「町村長は、……保護を行わなければならない。」

本項の詳細については、法第19条(実施機関)の【運用】の五を参照。

【運用】

一 基準改訂等における保護の変更の通知について

法第8条の規定による保護の基準が全面的改訂された場合において、保護の実施機関は、その改訂されたところの新基準に基いて旧基準によつて決定した保護の程度を職権をもつて変更し、更(あらた)めてこれが決定通知書を被保護者に発行すべきであり、又保護の基準が米価の改訂の如きによってその一部分のみについて補正されたときも同様である。

然(しか)しながら、右の後者の場合にあってその決定通知を一率に更新することの事務的余裕に乏しいという場合においては、その補正の基準が実施される当該月分の生活扶助費支払通知書等に補正増額又は減額分を明記し、それをもつて変更決定通知書に代える旨を述べて、もつて正規の決定通知を省略することは差し支えない。

又基準の改訂、補正にかかわりなく同一基準においても被保護者の年齢によつてその程度を変更する必要の生ずるときがあるが、この場合も右と同様である。

或いは又、同一保護の実施機関の管轄区域内において被保護者が基準額を異にする町村間で異動した場合も亦(また)同様である。更に現行基準は冬期における加算額が認められているのであるが、11月及び4月においてその程度に変更される場合も同じであるが、この場合については当初保護を開始する際の決定通知書にあらかじめこれを記載することとしても差支ない。

第5章 保護の方法(第30条―第37条の2)

第6章 保護施設(第38条―第48条)

第7章 医療機関、介護機関及び助産機関(第49条―第55条の3)

第8章 就労自立給付金(第55条の4・第55条の5)

第9章 被保護者就労支援事業(第55条の6)

第10章 被保護者の権利及び義務(第56条―第63条)

第11章 不服申立て(第64条―第69条)

第12章 費用(第70条―第80条)

第13章 雑則(第81条―第86条)

附則




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