東急バス弦巻営業所 廃止・移管路線

東急バス弦巻営業所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 14:56 UTC 版)

廃止・移管路線

駒沢線

  • 101:桜新町 - 駒沢大学駅前 - 国立第二病院 - 三谷 - 祐天寺 - 恵比寿駅 - 天現寺橋 - 広尾橋 - 六本木 - 溜池 - 虎の門 - 西新橋一丁目 - 日比谷 - 馬場先門 - 東京駅南口(都営バス目黒営業所と共同運行)

1947年(昭和22年)、中延所管の雪が谷線や目黒の自由が丘線と並ぶ東急バス初の都営共管路線としてスタートした路線で、都営では101系統と呼称した。当初は不動前営業所が担当し、開所と同時に弦巻へ移管(前述)。さらに1964年(昭和39年)駒沢営業所開所時に駒沢へ移管された。

その後恵比寿駅での分断など幾多の変遷を経て、1981年(昭和56年)6月23日の中延営業所閉鎖に伴う路線再編成で廃止された。

経堂線

1947年(昭和22年)6月25日、東急初の都営共管路線の一つ、103系統として設定された。都営側の記録によると当初は三軒茶屋から先も玉川通り経由で駒沢折返しだった時期があるが、1949年(昭和24年)までに変更となり経堂駅が終点となった。東急側は当時、世田谷区内の拠点が淡島営業所1カ所しかなかったことから淡島が担当し、当営業所開設と同時に移管された。

1974年(昭和49年)8月26日付で渋谷駅を境に分割され、都営が東京駅 - 渋谷駅間の東84系統、東急は渋谷駅 - 経堂駅間の渋22系統となり、同時に大橋営業所へ移管。その後、路線のほとんどが渋21と重複し非効率になったとして、駒沢営業所閉鎖を目前に控えた路線再編成の際、1984年(昭和59年)2月15日限りで廃止された。

一方、都営バス側も東京駅と渋谷駅の間で運行を続けたが、乗客が並行する営団地下鉄銀座線に流れ、交通局第2次再建計画による整理対象となり1977年(昭和52年)12月15日限りで廃止となった。

高速渋谷線

  • (139甲→)東83:東京駅南口 - 都庁前 - 内幸町 - 霞ヶ関 - 溜池 - 六本木 - 西麻布 - 青山車庫前 - 渋谷駅 - 大橋 - 三宿 - 三軒茶屋 - 駒沢 - 桜新町 - 桜新町操車場
  • (139乙→)東83:東京駅南口 - 都庁前 - 内幸町 - 霞ヶ関 -(首都高速)- 三軒茶屋 - 駒沢 - 桜新町 - 桜新町操車場(瀬田営業所、駒沢営業所、都営バス渋谷営業所と共同運行)

1967年(昭和42年)、首都高速道路3号渋谷線を使った都心と郊外を結ぶ新しい通勤手段として、都営バス主導で企画され立ち上げ。東急からは駒沢・瀬田両営業所と並んで当営業所も参加し、2社4営業所による共管となった。これほどの大規模な共管は、東急バス史上後にも先にも類例がない。

1977年(昭和52年)、東急新玉川線(現・田園都市線)が開業したことをきっかけに乗客が鉄道へと流れ、交通局の第2次再建計画による追加の路線再編成で運行取りやめが決まる。そして、1979年(昭和54年)11月22日限りで廃止された。

調布線

渋25・26は世田谷通りを経由し、狛江駅・調布駅に至っていた路線である。戦前の路線をベースとして、1950年に国領駅 - 東宝前を国領線として復旧したのがこの路線の始まりで、もともと狛江や国領は、玉川電気鉄道以前の路線をルーツとする東急の独自エリアであったが、まもなく都区部方面への路線を開拓していた小田急バスとの共同運行となり、さらに渋谷駅へと段階的に延伸された。

1965年頃に終点を国領から調布駅南口に付け替えて抜本的な見直しを行ったが、1977年(昭和52年)3月30日限りで東急が撤退、共同運行は解消となった。その後、小田急バスは1999年(平成11年)に渋25を廃止したものの、渋26の運行は続けている。

若林百貨店循環線

  • 若01:若林折返所 → 淡島 → 駒場 → 青葉台四丁目 → 東急百貨店本店前 → 道玄坂上 → 青葉台四丁目 → 駒場 → 淡島 → 若林折返所

2013年8月に下馬営業所の担当で新設、その後2014年9月1日付で弦巻営業所に移管。当初は淡島営業所の若林線渋51系統と同じく若林折返所を起終点とし、経路の都合上渋谷駅前を通過はするが停車しないという特殊な運行をした。2015年(平成27年)12月1日付で若林線渋52系統と統合、渋谷駅にも停車するようになる(前述、小山線の項を参照)。

コーチ自由が丘線

  • コーチ:自由が丘駅 - 等々力七丁目 -(深沢一丁目)- 東深沢小学校 - 深沢不動前 -(深沢六丁目)- 駒沢

()内はデマンド区間。1984年3月16日の駒沢廃止時に、祖師谷線とともに移管された。駒沢は旧・営業所の跡地に設けられた駒沢折返所で折り返していたが、駒沢発は他系統の駒沢折返所(現・駒沢公園西口)停留所と別に設けられた専用の停留所から出発していた。1999年に瀬田へ移管。

上町線

  • 園02:田園調布駅 - 九品仏駅 - 等々力七丁目 - 中町五丁目 - 用賀駅 - 農大前 - 上町 - 世田谷区民会館(世田谷区役所)
  • 園02:用賀駅 - 農大前 - 上町 - 世田谷区民会館(世田谷区役所)(土・休日ダイヤのみ)

東京都大田区田園調布駅から九品仏駅、用賀駅、農大前を経由して世田谷区民会館(世田谷区役所)を結ぶ路線である。1959年(昭和34年)9月1日付で田園調布駅 - 世田谷区民会館が開通し、最盛期には淡島営業所の若林線とつながる形で渋谷駅に至っていたが、1973年(昭和48年)に世田谷区民会館を境に分割され、渋谷側は渋52系統(区民会館線)となった。区民会館線は1984年(昭和59年)2月の駒沢営業所閉鎖に伴う路線再編成で並行していた若林線と統合、淡島営業所へ移管されるが、2015年(平成27年)12月に若01系統と統合し、31年ぶりに弦巻へ復帰した。

1994年(平成6年)1月17日、用賀駅バスターミナルへ乗り入れ開始。鉄道での移動が困難な地区を効率よく結ぶため区間ごとの利用客が多く、日中は1時間に2 - 3本で運行されてきたが、渋谷駅・三軒茶屋駅を通らない系統だったため、2000年代以降は利用が低迷した。

2017年(平成29年)5月1日付ダイヤ改正にて終日にわたり減便され、平日日中は40 - 45分毎になった。土曜・休日ダイヤでは約半数を用賀駅以北の区間便に変更し、用賀駅以南は65 - 70分間隔と間延びするダイヤとなった[15]

その後も利用減が続き、加えて等13系統(祖師谷線)の定期運行化という事情もあり、2018年(平成30年)3月31日限りで通し運行を廃止した。用賀駅以北については松陰線に新設された渋22系統が継承し[16]、中町五丁目〜田園調布駅間は瀬田営業所へ移管され、いわゆる「免許維持路線」として存続している。

営業所付近の出入庫便として、上町→田園調布方面、田園調布駅→松が丘交番、桜小学校 - 世田谷区民会館が運行されており、桜小学校→世田谷区民会館は小山線の出庫も兼ねていたが、いずれも園02系統の廃止とともに運行を終了した。

学校線

  • (渋73→)恵73:エビス駅 - 目黒三田 - 目黒駅

1930年代の東横乗合(不動前営業所の前身)から続いていた都内東急バスの中では歴史ある営業区間の1つだった。

1984年(昭和59年)の駒沢営業所廃止に伴う路線再編成の際、エビス駅と目黒駅の間は黒07系統から切り離されて短距離の折り返し系統となり、主に総合病院厚生中央病院への病院輸送を担った。しかし沿線の目黒区三田、渋谷区恵比寿南には目黒営業所の不動線も走っているため住民の利用があまりなく、1987年(昭和62年)3月19日限りで廃止。その後、厚生中央病院は改築を行い大規模病院となったもののバスは2021年現在まで再開されていない。

  • 黒05:目黒駅 - 大鳥神社前 - 清水 - 都立大学駅北口 - 日本体育大学前 - 桜新町駅 - 岡本三丁目 - 大蔵病院前(現・成育医療研究センター前) - 成城学園前駅
  • 都立01:都立大学駅北口 - 日本体育大学前 - 桜新町駅 - 岡本三丁目 - 成育医療研究センター前 - 成城学園前駅
  • (黒05→)都立01:弦巻営業所 - 桜新町駅 - 岡本三丁目 - 成育医療研究センター前 - 成城学園前駅(出入庫)

1956年(昭和31年)9月20日に恵比寿駅 - 目黒駅 - 都立大学駅 - 桜新町で開通し、学校名を付した停留所が多かったことから、学校線と命名された。廃止直前でも日体大本部・世田谷キャンパス、都立桜修館(旧・都立大附属高校)、都立深沢高校、聖ドミニコ学園三田国際学園(旧・戸板女子高校)、駒大高校などの教育機関と東急田園都市線・小田急線を結ぶ通学輸送の役割が重かった。

その後、路線は恵比寿駅から東横百貨店(渋谷駅東口)へ延長され、さらに東横百貨店 - 砧公園緑地の開通、成城学園前駅への延長と拡張を続けた。しかし、渋谷から目黒通りを経由する大幅な迂回ルートで成城に至るという長距離路線であったことから全線通し需要は少なく、1970年(昭和45年)9月1日付で成城学園前駅発着便は目黒駅起点に短縮された(のちに黒05となる)。この時東急百貨店 - 桜新町便は存続したが、幾度かの経路変更を経て黒07となり、1999年9月1日に目黒へ移管し深沢線として独立した。一方の目黒駅 - 成城学園前駅便は1994年(平成6年)に都立大学駅北口起点に短縮され、現行の都立01となった。入出庫便のみ弦巻営業所系統が都立大学駅北口・成城学園前駅の両方面に運転されていた。

路線維持の努力を行っていたが依然厳しい状況にあり、加えて世田谷区用賀地区から成育医療研究センターや成城学園前駅へは瀬田営業所の世田谷線、また岡本地区の地域輸送は同じく瀬田の美術館線が並行して走ることから代替可能と判断、2021年(令和3年)3月31日限りで運行を終了し、学校線の名称が消滅した。岡本三丁目以北については美術館線・玉31系統を成育医療研究センターから成城学園前駅まで延伸してカバーすることとなった[17]。桜新町駅と用賀駅の間については免許維持路線として週1便が残る(前述)。尚、都立01系統の廃止による玉31系統(二子玉川駅 - 成育医療センター)および深沢線の改正も2021年4月1日に実施されている[18]

祖師谷線(一部系統の廃止)

  • 等11:等々力操車所 - 等々力 - 深沢不動前 - 駒沢 - 向天神橋 - 上町 - 農大前 - 千歳船橋 - 祖師ヶ谷大蔵駅

1974年(昭和49年)5月20日付で新設(前述)。末期は全日通して朝方の運行が主体であり、平日は祖師ヶ谷大蔵 - 千歳船橋間の道路混雑で30分以上遅延することもあった。このため、梅ヶ丘駅発着の等13系統へシフトさせる形で、2021年(令和3年)3月31日限りで廃止された。

平日の夕方に一便のみ渋23で祖師ヶ谷大蔵駅発の松が丘交番前行きで入庫していた。

空港路線

2000年(平成12年)7月19日に東京空港交通・京浜急行電鉄との共同運行で渋谷 - 羽田空港が開通する[19]と、翌年にはセルリアンタワー経由に経路変更する。大橋営業所が廃止される直前の2001年(平成13年)5月16日付で東急トランセ管理委託の上、弦巻の管轄となる。

2003年(平成15年)には、パートナーの京急電鉄がバス部門を分離。これ以降は子会社の京浜急行バスが担当する。

2009年(平成21年)4月24日、二子玉川駅 - 羽田空港が開業。空港線ではこの路線のみPASMOSuicaを導入する。

2012年(平成24年)4月16日、京急担当便が両路線とも横浜市神奈川区に新設された新子安営業所に移管される。

2014年(平成26年)9月1日のダイヤ改正で、弦巻営業所から下馬営業所へ移管された。

いずれも首都高速3号渋谷線首都高速都心環状線首都高速湾岸線を経由する。ただし、高速道路の渋滞が激しい時は一般道経由となる。車両は補助席付き60人乗りで、営業所と交信できるように無線機を装備している。


注釈

  1. ^ 世田ヶ谷乗合自動車のほかにも芝浦乗合自動車(目蒲電鉄バス・東横電鉄バスを経て現在の東京都営バス)や八木乗合自動車(玉川乗合・東横電鉄バスを経て現在の東急バス)を経営し、一時は八王子市街自動車(京王電気軌道・東京急行電鉄・京王帝都電鉄を経て現在の京王電鉄バス)にも関与していた。また、八木自動車学校を芝区白金三光町に開設し、運転者育成にも注力していた。
  2. ^ 八木がいつこの路線を開設したかの記録は、『東京市統計年表 第27回』(東京市 1931年)の1,112ページ「東京都市計畫區域内ニ於ケル乘合自動車運輸狀況」によると1928年(昭和3年)8月となっている。また、『大日本人物史 昭和5年度版』帝国時事通信社 1929年 34ページ「八木哲君」の項にも「昭和三年世田ヶ谷及び芝浦乗合自動車商会を設立」と記されている。
    一方、『世田谷 近・現代史 本編』(世田谷区 1976) 612ページの「世田谷地区内交通網沿革一覧(2)バス」には1923年(大正12年)1月より「仲田乗合自動車(?)」が渋谷 - 喜多見間を運行し、1925年(大正14年)1月玉電下高井戸線の開業により上町以東を廃止。1929年(昭和4年)10月玉川乗合が買収したとの記述がある。ただし、東急側の文献(『東京横浜電鉄沿革史』『東京急行電鉄50年史』『東急100年史』)には一切そのような記述は無い。
  3. ^ 停留所標識は東急バスが設置・管理。
  4. ^ 旧制東京獣医畜産学校→東京獣医畜産大学日本大学農獣医学部→生物資源科学部
  5. ^ トランセ管理委託営業所のいすゞ車は、このほか神奈川県内の高津営業所に在籍する。

出典

  1. ^ 東急バス株式会社と株式会社東急トランセの合併に関するお知らせ”. 東急バス. 2024年4月9日閲覧。
  2. ^ a b 渋谷駅から道玄坂上までの運行経路変更について
  3. ^ a b c 運行経路変更およびバス停新設のお知らせ
  4. ^ 【渋24系統】渋谷駅〜成城学園前駅(西口)の運行について”. 東急バス株式会社 (2023年3月10日). 2023年3月18日閲覧。
  5. ^ 東98系統ダイヤ改正に伴う「ICカード乗継割引」の実施について 2021年11月1日(月)実施”. 東急バス (2021年9月28日). 2021年10月6日閲覧。
  6. ^ 鎌倉淳 (2021年9月29日). “東急バス最長路線「東京駅~等々力」、運行区間短縮へ。乗継割引を新設”. タビリス. 2021年11月8日閲覧。
  7. ^ 新設系統(実験運行)実施のお知らせ 2015年8月3日(月)~2016年1月29日(金)までの平日のみ運行 等13 等々力操車所~駒沢~世田谷区民会館~梅ヶ丘駅”. 2015年7月29日閲覧。
  8. ^ 東急バス 【等13】梅丘一丁目バス停新設のお知らせ
  9. ^ 【等11・13】経路変更およびダイヤ改正のお知らせ
  10. ^ ボロ市開催に伴う迂回運行のお知らせ
  11. ^ 世田谷ボロ市開催に伴う迂回運行のお知らせ
  12. ^ ダイヤ改正のお知らせ 2019年12月1日(日)実施【反11・12、森91】”. 東急バス (2019年11月21日). 2020年11月9日閲覧。
  13. ^ 東急バス創立10周年記念誌 p.109
  14. ^ 【恵32】所管営業所変更のお知らせ”. 東急バス. 2022年5月17日閲覧。
  15. ^ 【園02】ダイヤ改正のお知らせ 2017年5月1日(月) 実施 - 東急バス公式サイト、2017年4月17日、同5月19日閲覧。
  16. ^ 世田谷区内におけるバス路線再編成の実施について 2018年4月1日(日)実施 - 東急バス公式サイト、2017年11月22日、同11月25日閲覧。
  17. ^ 世田谷区内(桜新町・岡本地区)におけるバス路線の再編成実施について 2021年4月1日(木)実施”. 東急バス (2020年11月9日). 2020年11月9日閲覧。
  18. ^ 都立01系統廃止に伴う定期券の払いもどしおよび玉31系統・黒07系統の運行内容について 2021年4月1日(木)実施”. 東急バス (2021年2月19日). 2021年3月2日閲覧。
  19. ^ “東京近郊と羽田直結 バス路線開設相次ぐ”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2000年7月10日) 


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