日本橋兜町
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 23:26 UTC 版)
概要
頭の日本橋を省いて、単に「兜町」と呼ばれることの方が多い。
日本初の証券取引所である東京株式取引所(東株)や、渋沢栄一によって設立された日本最古の銀行である「第一国立銀行」(現在のみずほ銀行の源流企業)の初代本店所在地(現在のみずほ銀行兜町支店の所在地[5])が所在していた。現在でも東株の後身である東京証券取引所(東証)や東京証券会館がある。また、第一国立銀行は日本初の株式会社であり、兜町は株式会社発祥の地でもあるほか、銀行発祥の地でもある[6]。旧渋沢栄一邸も所在していた(現在の日証館)。の1980年代には、イギリスのシティ・オブ・ロンドン(シティ)、米国ニューヨークのウォール街、香港の中環などと並ぶ世界屈指の金融センターといわれ[7]、兜町が日本の証券業界の異称、比喩ともなっていた(「兜町の風雲児」など)。
現在では兜町に事務所を構える金融機関はわずかで、もはや金融街とは呼び難い街に変貌している。要因としては株券の電子化やインターネット取引の普及により、物理的に証券取引所に各証券会社が集う必要がなくなったこと[8]、バブル経済崩壊に伴う日本の地位低下、都市銀行の本店や大手証券会社の本社などが同じ東京都心の丸の内や大手町といった一等地に建てられた最新のオフィスビルに事務所を置くようになったことが挙げられる。
兜町に多くのビルを保有する平和不動産などは街の再生を進めており、既存建物のリノベーションにより、飲食店やベーカリー、どぶろく醸造所、ホテル、芸術ギャラリーのほか東京証券会館屋上には食育用の菜園が設けられ、金融街時代も閑散としていた土日祝日を含めて消費者・観光客が訪れるようになっている[8][9]。
中央区が定める正式なローマ字表記は Nihonbashi-kabutocho である(中央区設置の街区表示板による)。
- ^ a b “町丁目別世帯数男女別人口”. 中央区 (2019年9月3日). 2019年9月23日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2019年8月30日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2017年12月31日閲覧。
- ^ a b 日本のウォール街に「兜町交差点」誕生…町会長が周到な根回しで実現 読売新聞オンライン(2022年5月16日)同日閲覧
- ^ “銀行発祥の地を訪れよう! | Find my Tokyo. | 東京メトロ”. Find my Tokyo.. 2024年3月1日閲覧。
- ^ “日本橋兜町の歴史・史跡|再開発事業|事業案内|平和不動産株式会社”. www.heiwa-net.co.jp. 2024年3月1日閲覧。
- ^ The Global Financial Centres Index 8 (PDF)
- ^ a b 銀行リノベ 兜町「BANK」歴史を継承 楽しい街に『東京新聞』朝刊2023年3月1日(都心面)同日閲覧
- ^ 産経デジタル【近ごろ都に流行るもの】変わる金融街「兜町」(上)屋上に菜園 食農と経済学ぶ子供たち(2022年12月17日)/(下)レトロ建築リノベ 食やアート…新たな魅力(2022年12月24日)2023年3月1日閲覧
- ^ 「住居表示を実施した件」(昭和57年自治省告示第6号)同年1月29日公示
- ^ “区立学校一覧”. 中央区 (2017年8月17日). 2019年9月23日閲覧。
固有名詞の分類
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