全国労働組合総連合
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平和と労働センター・全労連会館 全労連は3階と4階に入居する(3階は会議室) | |
組織形態 | ナショナルセンター |
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組織代表者 |
小畑雅子(議長) 黒澤幸一(事務局長) |
加盟団体数 |
19単産 47地方組織 |
組合員数 | 55万人[1] |
国籍 | 日本 |
本部所在地 |
〒113-8462 東京都文京区湯島2丁目4-4 |
加盟組織 | なし |
支持政党 | なし |
公式サイト | 全労連 |
概要
行動綱領「希望に輝く未来のために」で、労使協調路線による選別排除の労働戦線再編に反対する労組により結成された「働くものの利益をまもってたたかう労働組合の全国中央組織」であることを掲げている。日本労働組合総連合会(連合)は産業別全国組合(単産)のみを加盟単位として認めているのに対し、全労連は単産に加え都道府県別組合(地方組織)も加盟単位と位置づけている。この点について、行動綱領は「産業別のたたかいと地域のたたかいを結合して全国的な運動を展開」するための組織構成と説明している[8]。
単産加盟組合員数の半数近くは、日本自治体労働組合総連合(自治労連)、全日本教職員組合(全教)、日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)などの公務員組合で占められており、民間は中小企業が多く、大手民間企業、特に基幹産業の多数派組合は加盟していない。そのため、毎年春闘などの賃上げ相場形成に影響力を発揮できないまま、今日に至っている。適用法規別労働組合員数(単位労働組合)の構成比でみると労働組合法が72.5%で最も多い[9] 。
最高議決機関は大会で、会費納入人員にもとづいて各加盟組合から選出された代議員により構成される。定期大会は2年に1度開催され、2019年現在、最も近くに行われたのは2018年7月に開催された第29回定期大会である[10]。中央機関には青年部、女性部、非正規センターなどの専門部会をおき、階層別の意見を反映させるため、大会で発言権をもつ特別代議員を割り振っている。ただし議決権は無い。
機関紙誌として、『全労連新聞』(月刊機関紙)と『月刊全労連』(月刊機関誌、学習の友社発行)を発行している。
国際労働組合組織には加盟していないが、国際労働組合権利センター(ICTUR)、グローバル化と労働組合の権利に関する南からのイニシアチブ(SIGTUR)に参加するなど労働者の権利擁護、要求前進のため「万国の労働者、団結せよ」の立場で、国際連帯を推進している。ILO労働者活動局(ILO ACTRAV)、ILO駐日事務所や世界労連、国際労働組合総連合(ITUC)加盟労組、非加盟労組より定期大会にメッセージを寄せられている[11]。
健康で文化的な生活の実現を政府に求めている憲法の具体化をめざす運動として「福祉国家」の確立をめざすとしている。運動では、国際労働機関(ILO)が提起する「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の日本国内での実現も手がかりに進めるとしている。
なお、日本共産党の指導・援助により結成されたため[12]、「日本共産党と協力共同する」という政治的立場や[13]、連合に比較すると20%以下の組合員数という規模から、中央や各都道府県の労働委員会での労働側委員選任など、多くの場面でしばしば不利な立場に立たされる[注釈 2]。
組合員数
2019年6月末現在の組合員数は、全労連に加盟する単産(産業別全国組合)組合員数が52万4458人、地方組織(都道府県別組合)直加盟の組合員数を合わせると75万5010人である(以上は、単一労働組合の集計の組合員数である。単位労働組合の集計の組合員数は、前者が52万5523人、後者が79万7611人である。)[14] 。
組合員数は減少傾向で推移しており、全労連は「全労連組織の減少に歯止めがかかっていないことを深刻に受けとめる。2012年度からの「組織拡大強化中期計画」にもとづいて、単産・地方組織とも「総対話」と「共同」を広げ、減少から増勢に転じる組織拡大運動を強めている。単産と地方組織が連携した「総がかり作戦」も各地で進められ、組合の新結成・加盟も生まれている。取り組みを飛躍的に強め、全労連の社会的存在と役割を大きく宣伝し、「150万全労連」をめざす組織拡大運動に全力をあげる決意を表明する。」[15]とのコメントを発表している。
沿革
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前史
戦後の民主化政策の中で相次いで再建された労働組合のうち、共産党の影響力が強い組織は全日本産業別労働組合会議(産別会議)として結集していた。しかし、共産党の組織引き回しに反発する勢力が「産別民主化同盟」(民同)を結成し、主導権を奪取していく過程で、労働運動内での共産党の影響力は急減、民同派労組が結集する形で日本労働組合総評議会を結成し、社会党左派の有力団体となった。
その一方、共産党を支持し続けた産別会議は1958年に解散に追い込まれ、それ以降、共産党は自前のナショナルセンターを持たないまま総評傘下の労働組合の中で活動していた。しかし、逆にその過程で総評内部で影響力を拡大し、京都総評の約半数を共産党支持で制したほか、自治労・日教組など総評傘下の有力単産の中で社会党を支持する主流派に対して、強力な反主流派を形成することに成功していた。
日本社会党(のちの社会民主党)を支持していた日本労働組合総評議会(総評)と民社党を支持していた全日本労働総同盟(同盟)の特定政党支持路線に反発し、1966年12月以降交流懇談を続けてきた38単産(単位産業別労働組合。個々の労働組合)は、1969年11月に「全民主勢力の統一のためのアピール」を発表。このアピールを切っ掛けとして1970年3月に全民主勢力の統一促進労働組合懇談会(統一促進懇)が結成され、のち1974年12月統一戦線促進労働組合懇談会(統一労組懇)に発展した。
一方、これとは別に総評・同盟・全国産業別労働組合連合(新産別)・中立労働組合連絡会議(中立労連)の労働4団体による労働戦線統一の動きがあり、全日本民間労働組合協議会(全民労協)から日本労働組合総連合会(連合)結成へと動いた。「労働戦線統一推進会」による「民間先行による労働戦線統一の基本構想」(のちの連合の綱領路線、1981年)は、「自由にして民主的な労働組合」の路線と「西側の一員」論の立場に立ち、国際自由労連(ICFTU)加盟、批判勢力の排除を求めた。総評は、従来方針を変えこれを容認し、合流・解散を決めた。こうした動きを統一労組懇は、特定政党排除の「革新分断」、賃上げ自粛や人減らし「合理化」容認の「労使協調」路線など特定の運動路線を踏み絵に、これを容認する組合だけを結集する「労働戦線の右翼的再編」と批判した。独自のナショナルセンターの結成か純中立の道をすすむのかが問われるなか、総評や統一労組懇・純中立労組懇加盟および中立の組合が、「労働者の団結を最大限に保障する資本からの独立・政党からの独立・共通の要求での行動の統一という3つの原則を堅持し、働くものの生活向上と権利の確立、国民春闘再構築、平和と民主主義をめざす」としめ、1989年11月21日に全国労働組合総連合(全労連)を結成した。結成当時の組織人員について、公称140万人と発表している。2016年7月には全労連大会に招かれた中野晃一教授が参議院選挙運動の中軸を担ったと評価している[16]。
注釈
出典
- ^ 平成28年労働組合基礎調査 - 2016年12月15日現在
- ^ “全労連の中央メーデー”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年5月1日). オリジナルの2013年5月2日時点におけるアーカイブ。 2013年5月2日閲覧。
- ^ a b 及川智洋「戦後革新勢力の対立と分裂」法政大学 博士論文(政治学)、 甲第451号、2019年、NAID 500001352405。
- ^ a b 統一労組懇. コトバンクより。
- ^ a b “統一労組懇「労働戦線の真の統一のために」統一労組懇「真の労働者の利益をまもるナショナルセンターのあり方について全国的討論を」”. 自治体労働運動資料室 (2019年7月16日). 2021年5月10日閲覧。
- ^ a b c “連合ってなに?(上智大学教授:中野晃一)”. POST. 2020年10月10日閲覧。
- ^ 希望に輝く未来のために全労連公式サイト
- ^ “希望に輝く未来のために(行動綱領)”. 全国労働組合総連合. 2019年1月21日閲覧。
- ^ 厚生労働省 令和元年(2019年)「労働組合基礎調査報告」第11表
- ^ “ストップ憲法改悪!8時間働いて普通に暮らせる社会の実現を!第29回定期大会はじまる”. 全国労働組合総連合 (2018年7月26日). 2019年1月21日閲覧。
- ^ 全労連第25回定期大会によせられた海外友好組合からのメッセージ全労連定期大会2010年7月20日付
- ^ “(2)連合との共闘及び勢力拡大を模索する全労連”. 警察庁. 2022年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月10日閲覧。
- ^ 小林洋二. “全労連第17回定期大会へのあいさつ”. zenroren.gr.jp. 2022年3月16日閲覧。
- ^ 厚生労働省 令和元年(2019年)「労働組合基礎調査報告」第9表
- ^ 2013年厚生労働省「労働組合基礎調査」について
- ^ “全労連は共同の大黒柱/小池書記局長が連帯あいさつ | 小池晃 日本共産党参議院議員”. 全労連は共同の大黒柱/小池書記局長が連帯あいさつ | 小池晃 日本共産党参議院議員. 2020年10月10日閲覧。
- ^ 最賃一律・引き上げを/全労連など集会 与野党議員から賛意 しんぶん赤旗 2019年10月1日付
- ^ 全気象労働組合 なぜなぜ組合活動
- ^ 全労連は共同の大黒柱 小池書記局長が連帯あいさつ しんぶん赤旗 2016年7月29日付
- ^ 【日本共産党研究】「俺たちの声を聞け!」「政治家の背中押したの俺たちっすよ」SEALDsと共産党は独善性も瓜二つだった…。 産経新聞 2016.6.30
- ^ ジャパニズム 28 (青林堂ビジュアル) 青林堂 (2015/12/10) p12
- ^ 2013年12月5日 事務局長談話
- ^ a b c d 「立憲主義と民主主義の回復のために 市民と野党の共同で政治を変えよう!」【資料】 医療九条の会 北海道
- ^ 憲法共同センターについて 戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター
- ^ 厚生労働省 令和元年(2019年)「労働組合基礎調査報告」、労働組合員数は単位労働組合又は単一労働組合のいずれか多い方の数値、年金者組合は呼称数
- ^ 東京地評とは? - 東京地評
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- 6 脚注
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