ニュー・ホライズンズ 日程

ニュー・ホライズンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/22 13:30 UTC 版)

日程

ロケットの最上段部分のフェアリング内へと格納される直前のニュー・ホライズンズ。
ミッションロゴ
アトラスV 551型で打ち上げられたニュー・ホライズンズ。
ニュー・ホライズンズが初めて撮影した冥王星。2006年9月21日と24日の画像。

冥王星探査の詳細

  • 2015年1月15日: 冥王星の観測を開始したと発表[10]
  • 2015年2月5日:1月25日に撮影した冥王星とカロンの画像を公開[11]
  • 2015年2月14日:冥王星探査開始。
  • 2015年4月後半:この頃には、冥王星へ接近したため、画像の画質がハッブル宇宙望遠鏡による最良の物と同等にまで向上。
  • 2015年6月初旬:全ての観測機器を常時観測体制に変更。
  • 2015年7月4日:通信途絶が発生し、回復後も一部の機器しか動作しない状態(セーフモード)に陥った[12]
  • 2015年7月7日:セーフモード状態から復旧し、通常の観測を再開。
  • 2015年7月14日:11時47分に冥王星をフライバイ(接近通過)し、冥王星と衛星カロンを撮影[13]。最接近時の距離は13,695 kmで、カロンの公転軌道の内側を通過した。その際の速度は、14 km/s。
  • 2016年1月まで:冥王星とその衛星群を観測。
  • 2016年1月:接近後の探査終了[14]
  • 2016年10月25日9時48分(UTC):全てのデータを受信完了[15]

太陽系外縁天体の探査

  • 2018年3月13日:観測対象の2014 MU69に対してNASAは「ウルティマ・トゥーレ」(Ultima Thule)の愛称を提案(正式名称は後に「アロコス」に決定)。
  • 2019年1月1日:アロコスに最接近し、観測を行った[6][16]。最接近時のアロコスとの距離は3500 kmだった[17]
  • 2020年11月頃にかけて:20か月ほどでアロコスの観測データを送信[16]
  • その後、新たな観測対象を検討中[16]
  • 最終的には太陽系から離脱する[18]

注釈

  1. ^ ただし、打ち上げ時点では冥王星は惑星とされていた(惑星#太陽系の惑星の定義参照)。
  2. ^ 64 Gbitsなので、記録容量は8 GBであり、8 GBは一般的なUSBメモリにも用いられている容量であるため、記録容量が少ないように思うかもしれない。しかし、単にフラッシュメモリと言っても、地球上で使用する一般の市販品と異なり、宇宙線に耐えられなければならないなど、使用環境が全く異なる。一般に記録密度が高くなればなる程、宇宙線などの影響には弱くなる傾向にあるため、宇宙用のフラッシュメモリの記録容量を増やすのは、21世紀初頭の技術においてもなお容易ではない。
  3. ^ 仮に800 (bit/秒)の速度でデータを受け取り続けたとしても、もしも64 Gbitsのデータを受信しようとすると、925日間を超える時間を必要とする。
  4. ^ アトラスロケットの燃料タンクに亀裂が生じる可能性が有ると判明し、点検のため現地時間11日から17日に延期した。さらに天候状態の悪化により18日に、管制施設の停電により19日に延期した。打ち上げが2月3日以降まで遅れた場合は、木星スイングバイによる増速が不可能となり、冥王星到達が3年から5年遅れる可能性があった。打上げウィンドウの記事も参照の事。
  5. ^ 2018年末の時点で、この構成による打ち上げは、その後8回の合計9回が実施され、いずれも成功した。これより大きな構成である、CCBを3本にした構成(デルタIVヘヴィーやファルコン9ヘヴィーに類似)は開発が中止された。
  6. ^ 近接遭遇すると判明したのは打ち上げ後。当時は仮符号のみで2002 JF56と呼ばれていたが、通過後にAPLと命名された。
  7. ^ 2006年12月、ミッションチームのメンバーがロンドンを訪問し、88歳のヴェネチア・バーニーと対面した。

出典

  1. ^ New Horizons Successfully Performs First Post-Launch Maneuvers 2012年11月23日閲覧
  2. ^ 小谷 太郎 『宇宙の謎に迫れ! 探査機・観測機器61』 p.84、p.88 ベレ出版 2020年3月25日発行 ISBN 978-4-86064-611-0
  3. ^ “2020年、任務を終えた探査機に送信される人類からのメッセージ”. Wired.jp. (2014年6月30日). http://wired.jp/2014/06/30/golden-record-2/ 2014年7月6日閲覧。 
  4. ^ Pluto-bound probe faces crisis” (英語). Nature News. pp. 407–408 (2014年5月20日). doi:10.1038/509407a. 2015年9月6日閲覧。
  5. ^ “NASA’s New Horizons Team Selects Potential Kuiper Belt Flyby Target”. ジョンズ・ホプキンス大学. (2015年8月28日). http://pluto.jhuapl.edu/News-Center/News-Article.php?page=20150828 2015年8月30日閲覧。 
  6. ^ a b 塚本直樹 (2019年1月3日). “ウルティマ・トゥーレは赤い雪だるま型か。ニュー・ホライズンズから新撮影画像”. sorae.jp. https://sorae.info/030201/2019_01_02_new.html 2019年1月7日閲覧。 
  7. ^ NASA Spacecraft Gets Boost From Jupiter for Pluto Encounter 2012年11月23日閲覧
  8. ^ “ニューホライズンズ、旅の中間点に到達”. AstroArts. (2010年1月6日). https://www.astroarts.co.jp/news/2010/01/06new-horizons/index-j.shtml 2010年1月12日閲覧。 
  9. ^ “On Pluto’s Doorstep, NASA’s New Horizons Spacecraft Awakens for Encounter”. NASA. (2014年12月6日). http://www.nasa.gov/newhorizons/on-plutos-doorstep-new-horizons-spacecraft-awakens-for-encounter/index.html 2014年12月26日閲覧。 
  10. ^ “探査機「ニューホライズンズ」が冥王星の観測を開始!”. JAXA. (2015年1月28日). https://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/3742.html 2015年3月19日閲覧。 
  11. ^ “最接近まであと半年 「ニューホライズンズ」がとらえた冥王星”. アストロアーツ. (2015年2月5日). http://www.astroarts.co.jp/news/2015/02/05pluto/index-j.shtml 2015年3月19日閲覧。 
  12. ^ “冥王星に迫るNASA探査機「ニューホライズンズ」、7日にセーフモードから復帰へ”. ITmediaニュース. (2015年7月6日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1507/06/news126.html 2015年8月22日閲覧。 
  13. ^ 米探査機、冥王星に最接近 「歓喜の瞬間」”. AFPBB News (2015年7月15日). 2020年10月3日閲覧。
  14. ^ New Horizons”. ジョンズ・ホプキンス大学 応用物理学研究所. 2015年9月26日閲覧。 Timeline 欄を参照。
  15. ^ KENNETH CHANG (2016年10月28日). “No More Data From Pluto”. New York Times. https://www.nytimes.com/2016/10/29/science/pluto-nasa-new-horizons.html 2017年2月1日閲覧。 
  16. ^ a b c ニューホライズンズ、65億km彼方のウルティマ・トゥーレをフライバイ探査” (2019年1月7日). 2019年1月22日閲覧。
  17. ^ 小谷 太郎 『宇宙の謎に迫れ! 探査機・観測機器61』 p.88 ベレ出版 2020年3月25日発行 ISBN 978-4-86064-611-0
  18. ^ 小谷 太郎 『宇宙の謎に迫れ! 探査機・観測機器61』 p.88、p.89 ベレ出版 2020年3月25日発行 ISBN 978-4-86064-611-0
  19. ^ New Horizons Kids”. The Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory LLC.. 2019年9月12日閲覧。
  20. ^ 惑星地質ニュース 第17巻 第1号(ニューホライゾンズ計画に問題点)”. 惑星地質研究会. 2009年12月30日閲覧。
  21. ^ New Horizons 2”. Lunar and Planetary Institute Outer Planets Assessment Group. 2010年1月12日閲覧。






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