チャイナエアラインの航空事故およびインシデント チャイナエアラインの航空事故およびインシデントの概要

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チャイナエアラインの航空事故およびインシデント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/04 21:45 UTC 版)

1960年代

中華航空227便

1969年1月2日台東から高雄に向けて巡航中の中華航空227便ダグラスDC-3型機(機体記号B-309)が、乱気流に遭遇し墜落[1]。乗員乗客24人全員が死亡した[2]

1970年代

中華航空802便

1970年5月23日、到着が大幅に遅れていた台北大阪経由東京行きの中華航空802便ボーイング707型機が、特例で4時に着陸することになった。管制官がこの時滑走路で標識塗り替え作業を行っていた作業員にその旨を連絡しておらず、さらに航空機からもスモッグの影響で作業員の姿を確認できなかった。結果、着陸の際に旅客機の主脚が滑走路上に停車していた作業用ライトバンに接触、運転席にいた職員が圧死した。旅客機の方は無事に着陸した。

中華航空206便墜落事故

1970年8月12日、中華航空206便YS-11型機(機体記号B-156)が悪天候のもと、台北松山空港への着陸に失敗し墜落[3]。乗員乗客31人中14人が死亡、17人が負傷した[4]

中華航空825便爆破事件

1971年11月20日大阪から台北を経由して香港へ向かっていた中華航空825便カラベル機(機体記号B-1852)が、台湾海峡で空中爆発し墜落[5]。乗員乗客25人全員が死亡した。爆発物による航空テロの疑いがあるとされている[6]

中華航空訓練機

1979年9月11日、訓練飛行のボーイング707-324C型機(機体記号B-1834)が、離陸直後に中正国際空港近くの海に墜落、乗員6人が死亡した[7]

1980年代

中華航空811便着陸失敗事故

1980年2月27日、中華航空811便ボーイング707-309C型機(機体記号B-1826)がマニラ国際空港での着陸に失敗し、乗客2人が死亡した[8]

中華航空006便急降下事故

1985年2月19日台北からロサンゼルスへ向かう途中の中華航空006便ボーイング747SP-09型機(機体記号N4522V)の第4エンジンが異常により停止。本来なら自動操縦を解除し、方向舵を操作して機体のバランスを図るべきところだが、機長らは自動操縦に依存し過ぎていたため、やがて機体が失速速度まで減速し、サンフランシスコの沖合できりもみ状態になって降下した。およそ2分間で1万メートル近くも垂直降下したが、途中偶然に展開状態となったランディングギアがエアブレーキの働きをしたため機体のバランスを取り戻すことに成功し、サンフランシスコ国際空港に緊急着陸。機体は大きく損傷し、多数の重軽傷者を出したものの、幸い死者は出なかった。

中華航空2265便墜落事故

1986年2月16日台北から澎湖諸島に向かっていた中華航空2265便ボーイング737-281型機(機体記号B-1870)が、着陸寸前に近くの海上に墜落、乗員乗客13人全員が死亡した[9]。なお同機は1969年に製造され、以前全日本空輸が運航かつ日本で最初に導入されたボーイング737(元JA8401)であった。

中華航空204便墜落事故

1989年10月26日花蓮から台北に向けて出発した中華航空204便ボーイング737-209型機(機体記号B-180)が、離陸直後に山腹に激突。乗員乗客54人全員が死亡した。パイロットが出発経路を誤ったためだった[10]

1990年代

中華航空358便墜落事故

1991年12月29日、貨物便として運航されていた中華航空358便ボーイング747-2R7F型機(機体記号B-198)が、台北中正国際空港から離陸上昇中に第3エンジンを主翼に止めるヒューズピンが破断し脱落。同時に第4エンジンも脱落し台北郊外の丘陵地帯に墜落。乗員5人全員が死亡した[11]

中華航空605便オーバーラン事故

1993年11月4日、中華航空605便ボーイング747-409型機(機体記号B-165)が、香港啓徳空港への着陸時に逆噴射のタイミングが遅れたためにオーバーランし、滑走路先の海中に落下した[12]。死亡者は発生しなかったものの10人が負傷した[13]。原因は台風からの強風に煽られ操縦ミスを犯したためだが、同空港には香港カーブと呼ばれる、着陸の際に操縦士にとって相当な技量が要求される空港であった。同機は製造後1年に満たない新鋭機であり、またボーイング747-400が全損する初の事故であった。水没した機体は垂直尾翼が切断された後、引き揚げられ解体された。

中華航空140便墜落事故

1994年4月26日名古屋空港に着陸しようとしていた中華航空140便エアバスA300B4-622R型機(機体記号B-1816)が、自動操縦装置の誤操作と自動操縦装置の異常な動作により着陸復行中に失速して墜落。乗員乗客271人中264人が死亡、7人が重傷を負った[14]。この事故では補償額をめぐって遺族と中華航空側との間で隔たりがあり、2007年まで法廷で争われた。なお、日本国内で起こった中華航空の墜落事故は本件のみであるため、日本国内では単に中華航空機墜落事故と呼ばれている。

チャイナエアライン676便墜落事故

1998年2月16日、チャイナエアライン676便エアバスA300B4-622R型機(機体記号B-1814)が、中正国際空港近くの住宅街に墜落、乗員乗客196人全員と近隣住民7人の合わせて203人が死亡した[15]。1994年に発生した中華航空140便の事故と同機種で、しかも事故の状況や理由が酷似していたため、チャイナエアラインは大きな批判を浴びた。

チャイナエアライン642便着陸失敗事故

1999年8月22日バンコク発香港経由台北行きのチャイナエアライン642便マクドネル・ダグラスMD-11型機(機体記号B-150)が、台風による強風の中香港国際空港に着陸しようとした際、突風に煽られて機体が傾いたため、主翼から接地し機体がひっくり返って炎上[16]。幸い火はすぐに消し止められたが、乗客3名が死亡、203名が重軽傷を負った[17]。現在の香港国際空港初の死亡事故となった。


注釈

  1. ^ 1995年まで、日本では「中華航空」と名乗っていた。
  2. ^ 過走帯の末端を示す灯火のこと。

出典

  1. ^ “中華環島航線一客機,台東飛高雄途中失踪,一說已在大武山發生空難失事,機上乘客及駕駛職員共廿四人” (中国語). 臺灣民聲日報 (國立公共資訊圖書館 數位典藏服務網). (1969年1月3日). https://das.nlpi.edu.tw/cgi-bin/gs32/gsweb.cgi?o=dmysearchdb&s=id=%22PR000001674250%22. 2022年1月10日閲覧。 
  2. ^ ASN Aircraft accident Douglas C-47A-10-DK (DC-3D) B-309 Mt. Paku” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月1日閲覧。
  3. ^ “劍潭山上華航班機失事,駕駛乘客十四名失蹤,另有十七人獲救送醫,自花蓮飛台北豪雨迫降發生不幸” (中国語). 臺灣民聲日報 (國立公共資訊圖書館 數位典藏服務網). (1970年8月13日). https://das.nlpi.edu.tw/cgi-bin/gs32/gsweb.cgi?o=dmysearchdb&s=id=%22PR000001806460%22. 2022年1月10日閲覧。 
  4. ^ ASN Aircraft accident NAMC YS-11A-219 B-156 Taipei” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月1日閲覧。
  5. ^ “華航公司班機一架,由臺飛港途中失踪” (中国語). 臺灣民聲日報 (國立公共資訊圖書館 數位典藏服務網). (1971年11月21日). https://das.nlpi.edu.tw/cgi-bin/gs32/gsweb.cgi?o=dmysearchdb&s=id=%22PR000001732144%22. 2022年1月10日閲覧。 
  6. ^ ASN Aircraft accident Sud Aviation SE-210 Caravelle III B-1852 Penghu Island” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月1日閲覧。
  7. ^ ASN Aircraft accident Boeing 707-324C B-1834 Taipei-Chiang Kai Shek International Airport (TPE)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月1日閲覧。
  8. ^ ASN Aircraft accident Boeing 707-309C B-1826 Manila International Airport (MNL)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月1日閲覧。
  9. ^ ASN Aircraft accident Boeing 737-281 B-1870 Magong Airport (MZG)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月1日閲覧。
  10. ^ ASN Aircraft accident Boeing 737-209 B-180 Hualien Airport (HUN)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月1日閲覧。
  11. ^ ASN Aircraft accident Boeing 747-2R7F B-198 Wanli” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月2日閲覧。
  12. ^ ASN Aircraft accident Boeing 747-409 B-165 Hong Kong-Kai Tak International Airport (HKG)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月4日閲覧。
  13. ^ AIRCRAFT ACCIDENT REPORT 1/95 Report on the accident to Boeing 747-409B B-165 at Hong Kong International Airport on 4 November 1993 (PDF)” (英語). Civil Aviation Department Hong Kong. p. 7 (1995年). 2018年4月4日閲覧。
  14. ^ ASN Aircraft accident Airbus A300B4-622R B-1816 Nagoya-Komaki International Airport (NGO)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月2日閲覧。
  15. ^ ASN Aircraft accident Airbus A300B4-622R B-1814 Taipei-Chiang Kai Shek International Airport (TPE)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月2日閲覧。
  16. ^ ASN Aircraft accident McDonnell Douglas MD-11 B-150 Hong Kong-Chek Lap Kok International Airport (HKG)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月2日閲覧。
  17. ^ AIRCRAFT ACCIDENT REPORT 1/2004 Report on the accident to Boeing MD11 B-150 at Hong Kong International Airport on 22 August 1999 (PDF)” (英語). Civil Aviation Department Hong Kong. p. 2 (2004年). 2018年4月2日閲覧。
  18. ^ ASN Aircraft accident Boeing 747-209B B-18255 Penghu islands, Taiwan [Taiwan Strait]” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月3日閲覧。
  19. ^ a b ASN Aircraft accident Boeing 737-809 B-18616 Okinawa-Naha Airport (OKA)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月3日閲覧。
  20. ^ a b c 航空事故調査報告書 概要”. 運輸安全委員会 (2009年8月28日). 2018年4月3日閲覧。


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