中華航空605便オーバーラン事故とは? わかりやすく解説

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中華航空605便オーバーラン事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/16 01:20 UTC 版)

中華航空 605便
着水後、垂直尾翼が切断された事故機
出来事の概要
日付 1993年11月4日
概要 パイロットエラーによるオーバーラン
現場 イギリス領香港 啓徳空港
乗客数 274
乗員数 22
負傷者数 10
死者数 0
生存者数 296(全員)
機種 ボーイング747-409
運用者 中華航空
機体記号 B-165
出発地 中正国際空港
目的地 啓徳国際空港
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中華航空605便オーバーラン事故(ちゅうかこうくう605びんオーバーランじこ)とは、中華航空ボーイング747-4091993年11月4日イギリス領香港啓徳空港で起こした航空事故である。機体の損傷は少なかったにもかかわらず、結果的にボーイング747-400型機では初となる全損事故となった[1]

事故の概要

同型機のボーイング747-400
事故後に引き上げられた機体

1993年11月4日、中華航空605便は乗員22人、乗客274人を乗せて台湾中正国際空港を離陸し、香港の啓徳空港に向った[2]。機体はボーイング747-409(機体記号B-165)で、完成して1年にも満たない新鋭機であった[3]

台風23号の進路図

605便は順調に飛行し、いよいよ啓徳空港への着陸進入を始めた。しかし、当日香港には台風23号が接近しており、機体は強風に煽られた。605便はタッチダウンゾーン内には接地したが、その後の横風への対応に手間取り、自動ブレーキシステムが解除されていることに気づかなかった[3]。機体が安定した後逆噴射装置を作動させたが、残りの滑走路だけでは止まりきれずにオーバーランし、海に落ちて浅瀬で停止した[3]。死者は発生しなかったものの10人が負傷した[4]

機体の損傷は酷くなかったため、中華航空は機体を引き上げ修理する計画であった[2]。しかし、擱座した場所が滑走路31側の離着陸の経路にあたり、事故機の垂直尾翼が離着陸の際に邪魔になるうえ、機体を浅瀬から引き上げるのにも時間がかかるため、空港側からの早急な撤去の要請もあって、中華航空側は事故現場で垂直尾翼を切断した[2]。垂直尾翼は機体の基本構造と繋がる構造部材であり、切り離した後再利用することはできないため、修理可能ではあったものの全損事故扱いとなった[2]

その後、機体は引き上げられ、空港内の整備区画に暫く保管されたが、先述したように完成から1年にも満たない新品同然の機体であり、流用できる部品も多かったことから後に解体されている。

脚注

  1. ^ Accident list: Boeing 747 - hull-loss occurrences” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月6日閲覧。
  2. ^ a b c d 青木 2015, pp. 25–27.
  3. ^ a b c ASN Aircraft accident Boeing 747-409 B-165 Hong Kong-Kai Tak International Airport (HKG)” (英語). Aviation Safety Network. 2018年4月6日閲覧。
  4. ^ CAD 1995, p. 7.

参考文献

関連項目


中華航空605便オーバーラン事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 16:21 UTC 版)

チャイナエアラインの航空事故およびインシデント」の記事における「中華航空605便オーバーラン事故」の解説

1993年11月4日中華航空605便ボーイング747-409型機(機体記号B-165)が、香港啓徳空港への着陸時に逆噴射タイミング遅れたためにオーバーランし滑走路先の海中落下した死亡者発生しなかったものの10人が負傷した原因台風からの強風煽られ操縦ミス犯したためだが、同空港には香港カーブ呼ばれる着陸の際に操縦士にとって相当な技量要求される空港であった同機製造後1年満たない新鋭機であり、またボーイング747-400全損する初の事故であった水没した機体垂直尾翼切断された後、引き揚げられ解体された。 詳細は「中華航空605便オーバーラン事故」を参照

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