シャン・チー
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その他のバージョン
「What The--?!」シリーズに登場したシャン・チュー(Shang-Chew)は、「マスター・オブ・豆腐」(マスター・オブ・カンフーに因んでいる)とされる戦う料理人である。Chewは「食べ物をかむ」という意味である。
父親はジャンクフー・マンチュー(Junkfu Manchu)であり、ジャンクフードを優先する思考を持ち、帽子にはマクドナルドのロゴが刺繍されている。
MCU版
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では、シム・リウが演じる。日本語吹替は細谷佳正が担当[24][25]
キャラクター像
犯罪組織“テン・リングス”の長である父シュー・ウェンウーと、“ター・ロー”出身の戦士だった母イン・リーとの間に生まれた武道家。7歳の頃までは両親や妹のシュー・シャーリンと家族揃って人里離れた山奥で幸せに暮らしていたが、リーを喪って間も無くウェンウーの下でテン・リングスの後継者になるようにあらゆる殺人技術の訓練を施され、14歳にして組織の中でも強靭で敏捷な身体を持つ指折りの暗殺者となった。そして15歳頃に父の指示を受けて渡米すると、母の生命を奪った“アイアン・ギャング”の親玉を手にかけるも、その罪悪感に苦しんで組織には戻らず[注釈 2]、平凡な人生への憧れもあって[26]、サンフランシスコで“ショーン”という偽名を名乗って、現地で暮らしはじめた。
そのような生い立ちであるものの、自身は無闇に力を振るうことを好まず[26]、世間付き合いも上手く、家族や友人を深く大切に思うほど心優しい善良な人柄で、カラオケが大好きという市井の青年らしい一面も持つ。しかし、妹を置き去りにして父や組織から逃避したことに苦悩も抱え続けてきた。
能力
幼い頃から数年間に渡ってウェンウーとデス・ディーラーの下で厳しい訓練各種を受けたことから、八極拳・詠春拳・少林拳・シラットなどのさまざまな武術を基礎とする洗練された徒手空拳を主戦法とし、パルクールにも長け、苦無や棍などの白兵戦用武器も自在に駆使する。これに加え、母国語である中国語と英語を含む4ヵ国語を話す語学力も有している。さらに、生前のリーに習った太極拳の“気”を練る動作と、伯母のイン・ナンから受けた手ほどきにより、“テン・リングス”(腕輪)も操れるようになる。
武具・アイテム
- テン・リングス(腕輪)
- 10個ワンセットで構成される神秘的な功夫環。ター・ローを巡る戦いで、ウェンウーと対決することになったシャン・チーは、“ドウェラー・イン・ダークネス”が解き放たれた際に、父からこのリングを託されて所有者となる。
- ペンダント
- リーが、幼い頃のシャン・チーとシャーリンに1個ずつ首飾りとして託した、2個1セットの緑色の宝石。ター・ローへの道標でもある。
- ター・ローの武具
- 加工された龍(“グレート・プロテクター”)の鱗が施されて作られた武具各種。シャン・チーはター・ローに赴いた際に、ナンからリーが拵えていた赤い鎧を託されて着用し、ウェンウーらテン・リングス(組織)に対しては棍を用いる。
このほかにもシャン・チーは、デス・ディーラーの苦無や、テン・リングス兵士の鈎も保持・行使している。
活躍
『アベンジャーズ』のポストクレジットシーンにマンダリンと共に登場する計画が存在したが実現しなかった[27]。
- 『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
- 演 - シム・リウ(本編)、アーノルド・スン(少年期)、ジェイデン・チャン(幼年期)
- 日本語吹替 - 細谷佳正(本編)、鶴翔麒(少年期)[25]、野地祐翔[25](幼年期)
- 親友のケイティ・チェンと共に“フェアモントホテル”でホテルマン(駐車係)として働きながら、一般人としての日々を送っていたが、またもやター・ローを狙う父に再会し、自身の過去と向き合うこととなって、テン・リングスや闇の魔物との戦いに身を投じることになる。
- ある日ケイティと2人で、出勤途中のバスに乗っていたところ、レーザー・フィスト率いるテン・リングスの刺客らに遭遇。ペンダントを渡すよう迫られ、ケイティを殴られたことに怒って手を出したことから車内で乱闘となり、バスが暴走すると他の乗客たちを庇いながら応戦して刺客らを撃退するが、ペンダントを奪われてしまった。このことから、次は妹が狙われると察して、数日前にシャーリンが送ってきたと思しき絵葉書の差出人住所であるマカオ行きを決め、強引に同行するケイティに自身の過去の一端を明かした。
- マカオの“ゴールデン・ダガーズ・クラブ”に到着すると、クラブの闘技場で行われる“メインの試合”に無理矢理出場する羽目になり、そこで対戦相手として現れたシャーリンと再会するや、失踪したことへの弁解を聞き入れられずにノックアウトされた。試合後に、彼女にもペンダントが狙われていると知らせると、またもテン・リングスの襲撃に遭遇し、クラブのビル外周の足場を舞台に兵士らと接近戦を繰り広げ、シャーリンのペンダントを奪ったデス・ディーラーも激闘の末に追い詰めたが[注釈 3]、姿を現したウェンウーにその場を収拾されて、テン・リングス本部へ赴くこととなった。
- 本部で父から亡くなった筈のリーを救うためにター・ローへの侵攻を反対すると、ケイティたちと監禁されるも、そこでトレヴァー・スラッタリーや“モーリス”と出会って脱出。彼らの案内でター・ローへ赴き、現地の村に到着し、イン・ナンに出迎えられた。
- そこでナンに父のター・ロー侵攻を伝え、闇の魔物にまつわる村の伝説を聞かされると、武術の指導を受け、ケイティに自分が母の仇の命を奪っていたことと父も手にかける決意を明かした[注釈 4]。そして清明節の日にウェンウーらがター・ローに現れると、テン・リングスとの大乱闘に突入し、父と一騎打ちを繰り広げて一度は湖に突き落とされるが、グレート・プロテクターに救われてウェンウーに再戦を挑み、もうやめようと説得した。だが“ダーク・ゲート”を破ったドウェラー・イン・ダークネスに父の魂を奪われると、託されたリングとシャーリンやグレート・プロテクターとの共闘でドウェラー・イン・ダークネスに立ち向かった。一時は窮地に陥るも、グレート・プロテクターから落ちかけたシャーリンを護り、ケイティの援護も得て、最後はリングの力でドウェラー・イン・ダークネスらを撃破した。
- その事後は、村の灯籠流しに参加してウェンウーを偲んだ。サンフランシスコに帰国後、ケイティたちとバーにいたところに現れたウォンに“カマー・タージ”へ連れられ、リングを分析されると、未だに謎が多いリングに首を傾げるも、それが終わるとケイティやウォンと3人でカラオケを楽しむ。
その他のメディアにおいて
本
2021年には、マイケル・チェンによる『Little Golden Book』が出版された。
ビデオゲーム
- 「Marvel Future Fight」でアンロック可能なプレイアブルキャラクターとして登場。
- 「Marvel Duel」のプレイアブルキャラクターとして登場。
- 「Marvel Contest of Champions」のプレイアブルキャラクターとして登場。
- ^ Peter Sanderson, 2007年, The Marvel Comics Guide to New York City, New York, New York: Pocket Books, 6–7頁, ISBN 978-1416531418
- ^ a b 杉山すぴ豊, 2021年, SCREEN, 2021年11月号, 24頁, 近代映画社
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- ^ Jim Vejvoda, 2020年, 新事実が判明!マーベルはシャンチーとマンダリンをサノスよりも先にMCUデビューさせるつもりだった, IGN
- 1 シャン・チーとは
- 2 シャン・チーの概要
- 3 力と能力
- 4 所属組織
- 5 その他のバージョン
- 6 脚注
シャンチー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/12 02:16 UTC 版)
シャンチー(象棋、拼音: 、ベトナム語: cờ tướng/棋將)は、二人で行うボードゲーム(盤上遊戯)の一種である。中国及びベトナムにおける伝統的な将棋類であり、中国では国家の正式なスポーツ種目にもなっている。中華人民共和国の非物質文化遺産に登録されている。
注釈
- ^ チェスを「国際象棋」、将棋を「日本象棋」と呼ぶこともある。これは将棋を英語で「Japanese chess」と表現するのと同じ考え方
- ^ ただし、「Chinese Chess」という商品名の、シャンチーとは無関係なゲームが有るので注意。また、「Chinese chess board」といった場合、「シャンチーの盤」と「中国製のチェスの盤」の2つの意味がある。
- ^ 木村義徳も、自著『持駒使用の謎』(1999年、日本将棋連盟)195~197ページで、シャンチーを「象棋」と表記している。
- ^ 1990年代にアメリカで Chinese Chess Institute により刊行されていた隔月刊のシャンチー専門誌「Xiangqi Review」が用いていたためにこの名がある。実例は rec.games.chinese-chess FAQ の「What are some common opening moves?」の項目を参照
- ^ 1999年版の象棋競賽規則では10分以内を早指しとしていたが、2011年試行版では15分になっている
- ^ 最近は「馬8進9」を後回しにして2手めで車を上げることが多いが、これも単提馬と呼ぶ
- ^ チェスと同様に左から右にA-I、下から上に0-9の番号をつけ、移動前の座標と移動後の座標の組み合わせで表現する方式。伝統的な「炮二平五」は「H2-E2」と表現する。
出典
- ^ a b 「頭脳五輪」メダル狙え 今秋、北京で第1回大会(朝日新聞、2008年5月20日)。
- ^ 囲碁、チェスなど知的ゲームの五輪 チーム・ジャパン結成へ(サンケイスポーツ、2008年6月2日)
- ^ 増川宏一『将棋の駒はなぜ40枚か』(2002年、集英社文庫、ISBN 4-08-720019-1)37ページなど。
- ^ "将棋の起源". 朝日現代用語 知恵蔵2006. 朝日新聞社. 1 January 2006. pp. 999–1000. ISBN 4-02-390006-0。
- ^ 楚辞「招魂」の「菎蔽象棊、有六簙些」など
- ^ 子部.玄怪録。「輯佚」の「岑順」の記述を参照。
- ^ 増川宏一『将棋』(法政大学出版部、「ものと人間の文化史」23、1977年)、54~55ページ。
- ^ 木村義徳『持駒使用の謎 日本将棋の起源』(日本将棋連盟、1999年、ISBN 4-8197-0067-7)、49~54ページ。
- ^ Jean-Louis Cazaux: Fazang's mysterious Prasena。「波羅塞戯」は通常双六を意味すると考えられているが、12世紀の与咸『梵網菩薩戒経疏註』は法蔵を引いた上でシャンチーのことと解釈している。
- ^ 増川宏一『将棋』55ページ。『人民中国』1975年3月からの記述としている。ただし、明末の周履靖『夷門広牘』所収の打馬図にはシャンチーの盤が描かれていないので、後世の追加である可能性もある。
- ^ 増川宏一『将棋2』(法政大学出版部、「ものと人間の文化史」23-2、1985年)、17~21ページ。
- ^ 『新編纂圖增類羣書類要事林廣記』 文芸類 。
- ^ 陳元靚『事林広記』(至順本)続集巻4
- ^ 周密『武林旧事』巻6「諸色伎芸人」
- ^ 劉国斌「“黑方先走”和“用根捉子”是怎么回事?(上)」(労動午報 2009-03-13)
- ^ 第3回 「趣味は旅行です」まであと一歩 - ばんかな! 将棋の世界へようこそ / Slownet SNS。将棋の女流棋士、坂東香菜子のブログ。後半にチュンジーのことが紹介されている。
- ^ 中国象棋入門(1)~(10)30巻1号~12号(昭和54年1月 ~ 昭和54年12月)「雑誌『近代将棋』に掲載されていた中国将棋(象棋:シャンチー)の連載記事について・・・(中略)・・・貴館で所蔵している雑誌『近代将棋』の1979年分を確認して頂き、該当する連載があるかどうかを調査して頂けませんでしょうか。」(国立国会図書館) - レファレンス協同データベース を参照。
- ^ シャンチーとは。日本シャンチー協会の公式サイト(2008年11月1日閲覧)
- ^ 日本シャンチー協会会報『中国象棋研究』1991年12月号より。同号には日中象棋協会設立以来未整備だった規約が決定されたことや、規約の内容も掲載されている。
- ^ 8月を迎えて、そして恒文奇さんのこと - シャンチー(中国象棋)の日々(日本シャンチー協会の公式ブログ)、2007年8月15日。
- ^ 第一届智运会圆满落幕 组委会总结工作展望未来 - 智运会(中国語)。2008年10月18日、ワールドマインドスポーツゲームズ公式サイト。智运会は同大会の中国語表記「智力运动会(智力運動会)」の略称である。
- ^ 智运会首金将出自国际象棋 常昊:棋手心中的奥运_综合体育_NIKE新浪竞技风暴_新浪网(中国語)。2008年9月25日、新浪網。
- ^ シャンチー 中国発の頭脳スポーツ - 頭がよくなる!? - 教育(朝日新聞、2008年9月24日)。5月20日の報道では10人とされていた。
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- ^ たとえば、東萍の「特殊局面下兵卒走法的中文棋譜表示方法」や象棋百科全書網の「中国象棋电脑应用规范(二) 着法表示」
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- ^ 実例は Cờ tướng Online などに見られる
- ^ 2009全国象棋锦标赛(个人)补充规定
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- ^ Yen, Chen, Yang, Hsu (2004) "Computer Chinese Chess"
- ^ 网絡象棋高手叫板浪潮天梭 人机象棋大战悬念涌现
- ^ たとえば Club Xiangqi の CXQ Chinese Chess Rules など
- ^ 『太平広記』巻40「巴邛人」
- ^ 曹勲「北狩見聞録」
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