クマゼミ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/05 08:11 UTC 版)
近縁種
- ヤエヤマクマゼミ C. yayeyamana Kato, 1925
- 沖縄県の石垣島と西表島に分布する固有種。山地の森林に棲息し、平地のクマゼミとは概ね棲み分けている。鳴き声はミンミンゼミに似る。大陸や台湾の低山帯に分布するタイワンクマゼミは近縁種である。体長はクマゼミよりさらに大きく、日本最大のセミである。
- スジアカクマゼミ C. atrata (Fabricius, 1775) (zh)
- 大陸系のクマゼミで、2001年には石川県金沢市に分布することが発表された。日本に樹木が持ち込まれた際に一緒についてきたと見られる。鳴き声そのものは日本のクマゼミとは全く異なり、エゾゼミやコエゾゼミと似ている。ただし音質はその2種よりさらに重低音で、エゾゼミの鳴き声にあるようなビート音もなく、音量もエゾゼミより小さい。ニイニイゼミと同じく、ほぼ一日中鳴く。韓国や中国華北や華中では市街地でも多い。ソウルや北京市ではミンミンゼミと共存しているが、上海市や重慶市などではミンミンゼミが棲息しないため、スジアカクマゼミの半独占状態(ニイニイゼミも棲息するので完全な独占状態ではない)となっている。クマゼミと比べると、明らかに冬の寒さに対する耐性が強いセミである。昆虫食が盛んな中国山東省では、俗に「金蝉」と呼ばれ、主に終齢幼虫や成虫が山東料理の食材として用いられ、素揚げや煮付けにして食べられるため、養殖も行われている。
脚注
関連項目
参考文献
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 |
- 『学生版 日本昆虫図鑑』白水隆・奥谷禎一・中根猛彦ほか監修、北隆館〈学生版 図鑑シリーズ〉、1999年5月。ISBN 4-8326-0040-0 。
- 中尾舜一『セミの自然誌 鳴き声に聞く種分化のドラマ』中央公論社〈中公新書〉、1990年7月。ISBN 4-12-100979-7。
- 沼田英治、初宿成彦『都会にすむセミたち 温暖化の影響?』海游舎、2007年7月。ISBN 978-4-905930-39-6。
- 林正美、税所康正編著『日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図』誠文堂新光社、2011年2月28日。ISBN 978-4-416-81114-6。 - 附録:CD1枚。
- 福田晴夫ほか『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方 野山の宝石たち』南方新社、2005年8月。ISBN 4-86124-057-3。
- 宮武頼夫、加納康嗣編著『検索入門 セミ・バッタ』保育社、1992年5月。ISBN 4-586-31038-3。
- 横塚眞己人写真・著『西表島フィールド図鑑』実業之日本社、2004年3月20日。ISBN 4-408-61119-0 。
外部リンク
- 図鑑/クマゼミ - archive.today(2013年4月27日アーカイブ分)(セミの家) - クマゼミの解説、写真など。
- 大阪市立大学・都市問題研究「市民と共にさぐる大阪のセミの謎」 - 2005年のマーキング調査では、30日生きたクマゼミのメスが見つかった。
- 米蝉ナール - ウェイバックマシン(2007年12月18日アーカイブ分) - 1997年から現在に至るまでの、毎年のクマゼミの調査結果を公開している。
- 林正美『クマゼミ』 - コトバンク
- 『クマゼミ』 - コトバンク
- ^ 金沢庄三郎 編「くまぜみ(熊蟬・蚱蟬)」『広辞林』(新訂)三省堂、1934年、530頁。
- ^ 三上修 (2020). 電柱鳥類学. 岩波科学ライブラリー. 298. 岩波書店. p. 93. ISBN 9784000296984
- ^ 島津忠承 (2007年10月11日). “光ファイバがクマゼミ対策で進化 溝なしケーブルで産卵による通信障害防止,“生木風”の最新型も”. 日経XTECH. 日経コミュニケーション. 日経BP. 2022年12月4日閲覧。
- ^ [理科子先生と学ぼう]セミの成虫 2週間は生息『読売新聞』朝刊2019年7月17日(くらし・教育面)2019年7月18日閲覧。
- ^ “第5回京都セミ殻調査報告書 (P7)” (PDF). 第5回京都セミ殻調査実行委員会. 2022年8月1日閲覧。
- ^ 下記外部リンク「米蝉ナール」参照。
- ^ “関西のセミ「ミンミン」鳴かない? 種類や分布に地域差”. 日本経済新聞 (2021年6月1日). 2022年8月1日閲覧。
[前の解説]
「クマゼミ」の続きの解説一覧
固有名詞の分類
- クマゼミのページへのリンク