奄美三島の分布空白
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 09:09 UTC 版)
クマゼミは南西諸島にも棲息するが、鹿児島県奄美群島の喜界島、奄美大島、徳之島には従来分布しなかった。周辺の沖永良部島や与論島ではごく普通に見られるが、上述の奄美三島だけが「クマゼミの空白地帯」になっていた。奄美大島と徳之島では近年になって棲息が確認された(喜界島では未発見)が、これは人為的移入と見られている。なお、最近の奄美大島ではクマゼミの棲息数が順調に増加しており、島内の色々な地域で鳴き声が聞こえるようになったと報告されている。 なお、この分布空白の謎を奄美三島における日照時間の少なさをもとに説明するものがある。つまり、地理的に日照時間がかなり少ない奄美大島とその周辺の地域は、ほかのセミと比べて明るい場所を好む陽性的なクマゼミの生息には適していないとする説である。 また沖縄県の八重山諸島では、石垣島のクマゼミと西表島のクマゼミとでは発生時期に1ヶ月ものズレがあるが、これも気候からは説明のつかない現象である。これらの島々を含む南西諸島では、クロイワツクツクと同じように島によってクマゼミの遺伝形質が異なると考えられる。
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