唾とは? わかりやすく解説

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だ【唾】

読み方:だ

常用漢字] [音](慣) [訓]つば

つば。「唾液唾壺(だこ)/咳唾(がいだ)」

つばを吐くようにして嫌う。「唾棄

難読固唾(かたず)


つ【唾】

読み方:つ

つば。つばき。唾液(だえき)。

盗人たちは、…いずれも—をのんで、身動きもしない」〈芥川偸盗


つば【唾】

読み方:つば

唾液(だえき)。つばき。「—をのみ込む


つ‐ばき【唾】

読み方:つばき

動詞「唾(つは)く」の連用形から。古くは「つはき」》唾液腺(だえきせん)から口の中に分泌されるねっとりした消化液唾液。つば。


つわ〔つは〕【唾】

読み方:つわ

つば。つばき。

「しきりに—を地面にはいた」〈野間・真空地帯〉


つ‐わき〔‐はき〕【唾】

読み方:つわき

⇒つばき


★1a.唾を吐いて呪う

『日本書紀』巻2・第9段一書第2 オホヤマツミノカミが娘2人を、ニニギノミコト奉ったニニギノミコトは、2人のうち妹のカムアタカシツヒメ(=コノハナノサクヤビメ)を召したが、姉のイハナガヒメ醜かったので、送り帰したイハナガヒメは唾を吐いて、「この世青人草(=人間)は、木の花のごとく、すぐに移ろい衰えるだろう」と呪った。これが、人間短命原因である。

『日本書紀』巻2・第10段一書第4 ヒコホホデミ(=ホノヲリ)は、失った鉤(つりばり)を兄ホノスセリに返す時、呪いの言葉述べた後に唾を3度吐いて、鉤を与えた

★1b.唾を吐いて相手を倒す・傷つける。

『黄金伝説』104聖ペテロ鎖の記念ギリシア地方に巨龍が現れた。司教ドナトゥスは、指で十字の印を作って龍につきつけ、さらに唾を龍の顎にはきかけてこれを殺した〔*109「聖ドナトゥス」には、猛毒の泉に棲む龍を、聖ドナトゥスが鞭でうち、唾を吐きかけて殺した、との類話がある。ただし、司教ドナトゥスと聖ドナトゥスとは別人といわれる〕。

幽明録』2「武帝のおでき」 漢の武帝離宮甘泉宮にいる時、仙女がしばしば降臨し一緒に碁を打った武帝力ずく仙女を意に従わせようとしたが、仙女武帝の顔に唾を吐きかけて逃げ、唾のあとはできものになった武帝仙女詫び仙女温水武帝の顔を洗ってくれた。

*唾を3度吐いて難を逃れる→〔風〕2dの風(水木しげる図説日本妖怪大鑑』)。

★1c.唾を吐いて相手姿を消す

『今昔物語集』巻16-32 12月晦日つごもり)の夜、生侍(なまさぶらひ)が一条堀川西へ渡る途中向こうから多くの鬼が渡って来るのに出会った。目一つの者、角の生えた者、たくさんの手を持つ者、一本足で踊る者などがいた。4~5人の鬼が生侍に唾を吐きかけ、そのため彼の姿は見えなくなってしまった→〔最初の人〕1。

★2.相手に唾を吐かせる

ギリシア神話アポロドロス第3巻第3章 ポリュイドスは、強制されグラウコス占術教える。別れ際ポリュイドスは「私の口中に唾を吐け」とグラウコス命ずる。言われたとおり唾を吐くと、グラウコス占術忘れてしまった。

★3.吐き出された唾が、黄金化す

『太平広記』400所収述異記』 船に乗せてもらい酒食までねだった男が、皿に唾を吐き入れて去る。船頭は怒るが、皿中の唾は黄金変わった

★4.唾をつける

『マルコによる福音書』第8章 イエス盲人両目に唾をつけ、両手その上に当てて開眼させた。

*→〔道連れ1a『捜神記』巻16-18(通巻393話)。

*→〔百足〕2の『俵藤太物語』(御伽草子)。


唾液

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/23 02:57 UTC 版)

唾液(だえき、saliva)は、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液である。電解質粘液、多くの種類の酵素からなる。ヒトでは、正常なら1日に1-1.5リットル程度(安静時唾液で700-800ミリリットル程度)分泌される[1]。成分の99.5%が水分であり、無機質有機質が残りの約半分ずつを占める[2]。とくに病的に分泌量の多い場合、流涎症(りゅうぜんしょう)ということがある。


  1. ^ 阿部, p.204
  2. ^ 阿部, p.206
  3. ^ 石橋
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  5. ^ 阿部, pp.211-213
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  9. ^ 岡部昭二「唾液中の亜硝酸含量に関する基礎的調査研究 (和田俊二教授還暦記念論文集)」『彦根論叢』第162・163号・人文科学特集第29号合併、滋賀大学経済学会、1973年8月、165-185頁、ISSN 0387-5989NAID 110004521143 
  10. ^ 阿部, pp.206-207
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  12. ^ 阿部, pp.211-212
  13. ^ a b Edgar, et al. p.93
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  15. ^ 阿部, p.213
  16. ^ a b Edgar, et al. p.94
  17. ^ 阿部, pp.212-213
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「唾液」の続きの解説一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 10:03 UTC 版)

サツキ (オランウータン)」の記事における「唾」の解説

サツキは唾を吐いて威嚇をする。交代したばかりの、見知らぬ飼育員へも唾をはいて威嚇した。また、記憶力抜群で、一年一回健康診断の際に痛い注射をする獣医師覚えていて、獣医師出会うしょっちゅう唾をはいた。 2009年動物園にやってきたばかり成獣オスミミ」に対し越しに唾を吐きかけて威嚇したり、また、お見合い当初サツキは「ミミ」の寝室突入し、「取っ組み合い闘争」をした。排卵予定日タイミングみながら行った2回目お見合いでも、一時取っ組み合いがあったが、時間が経つと仲良くなり、以後急速に親しくなったという。

※この「唾」の解説は、「サツキ (オランウータン)」の解説の一部です。
「唾」を含む「サツキ (オランウータン)」の記事については、「サツキ (オランウータン)」の概要を参照ください。

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出典:『Wiktionary』 (2021/08/12 02:07 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. (つば・つばき口内食物嚥下しやすくしたり消化一部促進するため、口内分泌される体液

熟語


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「唾」の例文・使い方・用例・文例

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