JR旅客各社における回数乗車券
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 09:42 UTC 版)
「回数乗車券」の記事における「JR旅客各社における回数乗車券」の解説
JRグループにおいては、以下のものが規定されている。 普通回数乗車券 原則として営業キロ200km以下で(駅長の承認がある場合は201km~300kmも)山陽新幹線新下関駅 - 博多駅間を含まない任意の区間および宮島航路で発行する。11枚綴りで同じ区間の片道分の普通乗車券の10倍の額で発売する。普通列車の普通車にのみ有効。ただし、急行料金を支払えば、急行列車の利用は可能であり、これは特急列車・新幹線列車についても同様である。JR(国鉄)常備券式(発行時日付スタンプを押す)は、11番目の券片のみ案内書きがある分大きい。最近は近距離用の自動券売機やマルスでの発行が一般的で、それぞれの機器で発行する乗車券と同じサイズの券が発券される(右の画像参照)。なお、JR東日本では2016年頃から近距離用券売機での発売をほぼ取りやめ、指定席券売機またはみどりの窓口での発売に移行している。有効期間は三ヶ月。京阪神地区の民鉄と競合している一部区間については、普通乗車券の9倍の額で11枚綴りを発売している。また、JR九州では自社完結となる区間の普通回数乗車券の発売を2021年6月30日(下関駅発着については同年9月30日)をもって、JR西日本ではICOCA利用可能エリアの駅相互間での普通回数乗車券の発売を2021年9月30日をもって終了し、JR東日本も2022年9月30日で自社完結となる区間の普通回数乗車券の発売を終了する予定。 通学用割引一般普通回数乗車券 普通回数乗車券と発行内容は同様であるが、対象が放送大学および通信制学校への通学生であるため、金額は放送大学生については普通回数乗車券より2割引、通信制学校については5割引である。 運賃の計算方法 (通学用の場合) 普通回数券同様、大人運賃(片道)を10倍した額で11枚綴りである。そこからさらに2割引き(放送大学)又は5割引き(通信制学校)になる。 この通学用回数券はJRのみで私鉄などには使えない。また各私鉄などで発売されている土休日用回数券(一般的には14枚綴り)や時差回数券(一般的には12枚綴り)なども使えない。 ミニ回数券(九州旅客鉄道(JR九州))、6枚回数券(四国旅客鉄道(JR四国)) それぞれ九州内、四国内のみの普通回数券で、6枚つづりである。発売額は片道運賃の6倍から1割引(10円未満の端数切捨て)。普通回数乗車券と同様に特急券を購入した場合特急に乗車できる。有効期間は1か月(JR九州)、3か月(JR四国)。JR九州のミニ回数券は2016年1月31日をもって発売されなくなった。 なお、特急券と乗車券を同一紙片ないしはそう見なして新幹線各駅ないし周辺駅で発行される「新幹線回数券」など、特急券を含んだ回数券は「特別企画乗車券」(トクトクきっぷ)である。また、特定の特急列車を定期券で利用する場合に回数券形式で発行される特別急行券も同様に特別企画乗車券である。代表的なものには西日本旅客鉄道(JR西日本)が発売していた昼間特割きっぷ(2018年9月で廃止)や、JR九州の2枚きっぷ・4枚きっぷ(特急券あり・なしが存在する。4枚きっぷは2018年5月で発売終了)も、本項でいう回数乗車券にはあたらない。 また、東日本旅客鉄道(JR東日本)では同社が提供するポイントサービス「JRE POINT」会員が事前に登録したSuicaで1ヶ月に10回以上同一運賃をSFで利用した場合、利用した金額の10%相当をJRE POINTで還元するサービスを2021年3月1日から開始しているが、これも既存の回数乗車券のサービスを踏襲したものである。 過去には以下の回数乗車券も発行されていた。 グリーン回数乗車券(発行終了) 営業キロ200km以下で、全区間普通列車のグリーン車を利用できる任意の区間で発行した。6枚綴りで、販売額は発行区間の片道分の普通乗車券と普通列車グリーン券の金額を合算し6倍した額から、1割を差し引いて、100円未満の端数を切り捨てた額だった。最終的には東日本旅客鉄道(JR東日本)管内で発行されていたが、2004年10月15日付で発行を終了した。 東京山手線内均一回数券・東京都区内均一回数券(発行終了) 「東京山手線内均一回数券」は、東京山手線内(山手線と東海道本線東京 - 品川間、東北本線東京 - 田端間、中央本線神田 - 代々木間、総武本線御茶ノ水 - 秋葉原間)に限り利用できた普通回数券で、11枚綴り1600円で販売されていた。また「東京都区内均一回数券」は有効区間を東京都区内に拡大したもので、11枚綴り2900円で販売されていた。どちらも予め区間を決めて購入するものではなく、それぞれのゾーン内ならどの区間でも有効で、しかも一般の普通回数券より安価な区間が多かったが、2000年1月31日付で発行を終了した。なお、この回数券の歴史は古く、1961年にはすでに日本交通公社(現・JTBパブリッシング)発行の時刻表に記載されていた。
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