ボコーダー【vocoder】
ボコーダー [vocoder]
ボコーダー
ボコーダーとは、音声圧縮技術の一種で、人間の声をシンセサイザーで解析し、機械的に合成し直して音を鳴らす技術のことである。
ボコーダーは、人間の声帯が持つ音声周波数を、シンセサイザーにおける同じ周波数に当てはめることで、声を出力させている。ボコーダーを通すことによって、人間の声と機械音が合成されたような効果が出る。
ボコーダーを使用することによって、通常は無段階である人間の音声を単純なデジタル信号に変換することができるため、音声のデータ量を大幅に削減することができる。言葉を聞き分けることはできるが、声色で人物を特定することはほとんど困難になる程度まで情報量は削減される。このため、ボコーダーは軍事システムなどで非常に低いビットレートを用いる場合に採用されている。また、現在ではテクノ系ミュージックなどでロボットボイスの効果を演出するエフェクターとして用いられる場合も多い。
技術・規格: | ヒスノイズ ビデオポッドキャスティング ポッドスラーピング ボコーダー ポストギャップ フルレンジスピーカー ICレコーダ |
ボコーダー [vocoder]
ヴォコーダー
(ボコーダー から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/06 14:22 UTC 版)
音楽におけるヴォコーダー(英: vocoder)は音の分解・要素の操作・再合成をおこなう電子楽器・エフェクター・シンセサイザーの一種である。ボコーダーとも。
- ^ Music and Computers: A Theoretical and Historical Approach, Chapter 5, Section 5.4, コロンビア大学コンピュータ音楽センター, 2014年7月26日閲覧.
- ^ シュテファン・ベルンゼー, Time Stretching And Pitch Shifting of Audio Signals – An Overview, The DSP Dimension, 1999.
- ^ a b Joe Diaz, The Fate of Auto-Tune, マサチューセッツ工科大学, 2009.
- ^ Lance Jonathan Putnam, Transfer: An interactive program for real-time spectral transformations and visualization, カリフォルニア大学サンタバーバラ校, 2005.
- ^ 板倉 文忠. 音声分析合成の基礎技術とその音声符号化への応用(pdf) フェロー&マスターズ未来技術時限研究専門委員会 第6回研究会資料, 電子情報通信学会, 2006.
- ^ a b c Harald Bode. History of Electronic Sound Modification J. of Audio Engineering Society. Vol.32, No.10. pp.730-739. October, 1984.
- ^ “Das Siemens-Studio für elektronische Musik von Alexander Schaaf und Helmut Klein”. Deutsches Museum. 2014年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月2日閲覧。
ドイツ博物館(Deusches Museum)の解説 Vom Laboraufbau zum Siemens-Studio にヴォコーダーについての記述(ドイツ語)がある。 - ^ Tompkins, Dave (2010–2011). How to Wreck a Nice Beach: The Vocoder from World War II to Hip-Hop, The Machine Speaks. Melville House. ISBN 978-1-61219-093-8.
ボコーダー(vocoder, voice coderの略)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 17:26 UTC 版)
「SIGSALY」の記事における「ボコーダー(vocoder, voice coderの略)」の解説
※この「ボコーダー(vocoder, voice coderの略)」の解説は、「SIGSALY」の解説の一部です。
「ボコーダー(vocoder, voice coderの略)」を含む「SIGSALY」の記事については、「SIGSALY」の概要を参照ください。
ボコーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 17:26 UTC 版)
ボコーダーはアナログ音声通信での音声圧縮技術として生まれたもので、アメリカのベル研究所のホーマー・ダッドリー(Homer Dudley)によって1928年に基本的なアイデアが発案され、1939年にチャネルボコーダーとして発表された。元々は軍事用ではなく、1920年代の電信用大陸間横断ケーブルが伝送可能な周波数帯域はせいぜい100Hz程度で3,000〜4,000Hzの帯域を持つ音声を大陸間で直接送ることができなかったため、音声をより狭い帯域で送るために考え出された。 人間の声は、音源である声帯の音の特性や有声・無声の区別と、咽喉と口腔、鼻腔、舌、唇などの調音器官(声道)の共鳴による周波数選択特性でモデル化できる。音声波形はかなり早い振動成分を含むが、調音機構などの動きはそれと比べると比較的緩やかであり、それらを適切にパラメータ化することができれば、必要なデータを大幅に減らすことができる。 チャネルボコーダーはこの考え方を基に、音声の周波数スペクトルを複数のチャネルに分けバンドパスフィルタで分析して周波数スペクトルを取り出し、声帯の音の基本周期(ピッチ)や有声・無声の区別と共に送り、受信側で音声を合成する。 SIGSALYで音声の分析に用いられた方式では、250Hzから2950Hzまでの周波数スペクトルを10の異なった周波数のバンドパスフィルタで分析してそれぞれに1チャネルを割り当て、有声・無声の区別とより細かい情報が必要なピッチ周波数には2つのチャネルを別に使った。12チャネルのアナログ信号はローパスフィルタを通し25Hz以下の成分のみが使われた。 受信側では、有声音の場合は指定されたピッチ周波数での声帯音を模したブザーのような音、無声音の場合はホワイトノイズを音源として用い、声道に対応するフィルタを通すことで元の音声を再合成した。フィルタは10のバンドパスフィルタから構成され、周波数スペクトルを表す10チャネルの信号で制御された。 当時のボコーダーの音質は悪く機械的な音になってしまう欠点があった。SIGSALY設置の記念として北アフリカから自分の妻と会話を行ったアイゼンハワー将軍は、SIGSALYが声の低い男性向けにチューニングされていたこともあって、それ以降SIGSALYを使おうとしなかったと言われている。
※この「ボコーダー」の解説は、「SIGSALY」の解説の一部です。
「ボコーダー」を含む「SIGSALY」の記事については、「SIGSALY」の概要を参照ください。
「ボコーダー」の例文・使い方・用例・文例
ボコーダーと同じ種類の言葉
- ボコーダーのページへのリンク