同軸コネクタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 16:02 UTC 版)
同軸ケーブルを接続するためのコネクタである。 BNCコネクタ 詳細は「BNCコネクタ」を参照 Bayonet Neill Concelman(Baby-series N Connector、British Naval Connectorなど、諸説ある)の頭字語であるため、英文字C とそれに続く片仮名語句コネクタ は字義が重複しているが日本国内においてはこの呼称が定着している。周波数特性が比較的良く、小型にできるため計測用、通信用、映像信号用などに最も多く使われている。ネジを使わず、一挙動で簡単にロックできる機構(バヨネットタイプ)を持つため着脱が容易である。太い同軸ケーブルには不向きであり、適合同軸ケーブルは1.5D~5Dである。計測用、通信用では特性インピーダンスが50Ωのものが標準であるが、映像信号用では75Ωのものが使用されコンタクトピンの径が50Ωのものより細い。適用周波数上限は製品により異なるが、~4GHzまでを想定している。 M型コネクタ 主に無線通信・計測機器に古くから使われているコネクタ。特性インピーダンスが規定されていないため安価であり、VHF帯以下の周波数で用いられるが、パーソナル無線用としてインピーダンスが50Ωのものもある。自動車用アンテナの基台に多く用いられている。ハムショップ(アマチュア無線機販売店)などでは、フォネティック・コードを用いてマイク (Mike) コネクタと呼ぶことがある(マイクロフォン用コネクタとの混同に注意 こちらは「マイクプラグ」「―ジャック」と呼ばれる)。300MHz以上の伝送には不向きである。ただし、コストと性能のバランスからアマチュア無線では、DC~430MHzまで多用されている。 N型コネクタ 主に無線通信・計測機器に用いられているコネクタ。周波数特性が良く、主にUHF帯に用いられている。1940年代に米ベル研究所のポール・ニール(英語版)によって発明されたので彼の名を記念した。特性インピーダンスが50Ωのものが標準であるが、75Ωの物もありコンタクトピンの径が50Ωの物より細い。NTT仕様のものはS型コネクタと呼ばれる。基地局用途などにトルクレンチでの締結を可能にしたものもある。軍事的な用途を想定して1GHzまでの電気信号を伝送することができるように当初設計された。現在は、適用周波数上限は製品により異なるが、~18GHzまでを想定している。上記M型コネクタとの対比で、やはりナンシー(Nancy)コネクタと呼ばれることもある。「エム」と「エヌ」の聞き違いを防ぐ意味合いもある。 TNCコネクタ BNCコネクタのロック機構をネジ式にしたものである。N形コネクタよりも小型で、SMAコネクタよりも取り扱いが容易であるため、自動車電話用無線機のアンテナの接続などに用いられている。 F型コネクタ テレビの受信用に用いられるコネクタ。特性インピーダンスは75Ωである。ネジ式のものとそうでないものが存在し、ネジ式のものをF型コネクタ、そうでないものをストレートプラグ・クイックプラグなどと区別する場合がある。詳細はF型コネクタを参照のこと。 SMAコネクタ 主にマイクロ波の無線通信機器に古くから使われているコネクタ。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は製品により異なるが、~18GHzまでを想定している。締結には専用のトルクレンチが用いられる。「Sub Miniature Type A」の略。 また、主に無線LAN機器の外付けアンテナに接続できるコネクタとして、SMA(R)が存在する。(R)はリバースの意味で、通常プラグ側にピンがあるところジャック側にピンがあり、プラグとジャックでピンが入れ替わっているところが特徴である。故意であれ過失であれ通信用のアンテナをつなぐと電波法違反となるため、これを阻止・防止する意味で考案された(法に基づく認定品以外は繋げない)。 SMBコネクタ 主に基板上など機内に使われているコネクタ。特性インピーダンスは50Ωである。「Sub Miniature Type B」の略。ねじではなく押し込むことによりロックされる機構をもつ。 SMCコネクタ 主に基板上など機内に使われているコネクタ。特性インピーダンスは50Ωである。「Sub Miniature Type C」の略。ねじで勘合される。 7mm/APC-7コネクタ 主に低い周波数のマイクロ波測定器のテストポートコネクタに使われている。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は~18GHzまでを想定している。直接手で締結する。オスとメスの区別が無く、面で接触させる。他のコネクタを凌ぐ高い再現性、整合性、温度特性を有しているが、高価であるため測定器での使用が殆どである。 3.5mm/APC-3.5コネクタ 主にマイクロ波の無線通信機器に使われているコネクタ。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は~26.5GHzまでを想定している。締結には専用のトルクレンチが用いられる。SMAに似ているがコネクタ部に白色の誘電体が見えないことで区別できる。SMAコネクタと嵌合互換性があるが、SMAコネクタの方が寸法精度の規定が緩いため、SMAコネクタと接続すると損傷を受けることがある。 2.92mm/Kコネクタ 主にミリ波の無線通信機器に使われているコネクタ。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は~46GHzまでを想定している。締結には専用のトルクレンチが用いられる。 2.4mm/APC-2.4コネクタ 主にミリ波の無線通信機器に使われているコネクタ。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は~50GHzまでを想定している。締結には専用のトルクレンチが用いられる。 1.85mm/Vコネクタ 主にミリ波の無線通信機器に使われているコネクタ。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は~67GHzまでを想定している。締結には専用のトルクレンチが用いられる。 1mmコネクタ 主にミリ波の無線通信機器に使われているコネクタ。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は~110GHzまでを想定している。締結には専用のトルクレンチが用いられる。 SMPコネクタ 主に通信機器や基板間接続に使われているコネクタ。高周波かつ省スペースを要する用途に使用される。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は製品により異なるが、上限は~40GHzまでを想定している。ねじではなく押し込むことによりロックされるプッシュオンロック機構をもつ。 SMPMコネクタ 主に通信機器や基板間接続に使われているコネクタ。ミリ波かつ省スペースな用途に使用される。特性インピーダンスは50Ωである。適用周波数上限は製品により異なるが、上限は~65GHzまでを想定している。ねじではなく押し込むことによりロックされるプッシュオンロック機構をもつ。 MCXコネクタ SMBコネクタより30%小さい。特性インピーダンスは主に50Ωである。適用周波数上限は~6GHzまでを想定している。ねじではなく押し込むことによりロックされる機構をもつ。GPS受信機やUSBワンセグチューナなどによく使われている。 MMCXコネクタ MCXをさらに小さくしたもの。
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