はんしちとりものちょう〔ハンシチとりものチヤウ〕【半七捕物帳】
半七捕物帳
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『半七捕物帳』 (はんしちとりものちょう) は、岡本綺堂による時代小説で、捕物帳連作の嚆矢とされる。
- 1 半七捕物帳とは
- 2 半七捕物帳の概要
半七捕物帳
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1916年にコナン・ドイル「シャーロック・ホームズ」を読み刺激され探偵小説への興味が起き、自分でも探偵ものを書こうと考えたが、現代ものを書くと西洋の模倣になりやすいので純江戸式で書くことにして3篇を執筆、『文芸倶楽部』から連載物を依頼され、これを「半七捕物帳」の題で渡し、翌年1月号から連載された。これが好評となり執筆を続けた。1919年から「半七聞書帳」の題で、半七が先輩の話を聞き書きする体裁で9編を書き、一旦執筆を終了。後単行本化されて人気が高まり、1924年の『苦楽』創刊の際、川口松太郎の依頼で続編執筆を依頼されるが、半七はもう書くことが無いと断り、それ以外の昔話ということで、半七老人の知人の三浦老人から江戸期の奇妙な話を聞くという「三浦老人昔話」を連載。1934年に、半七のファンだと言う講談社の野間清治社長の意向で『講談倶楽部』から依頼で半七もの執筆を再開。65歳まで書き続け、1937年までに計69作品となった。 お文の魂 - 半七もの最初の短編。語り手のわたしはまだ子供であり、「Kのおじさん」という知人から半七の活躍を間接的に聞く体裁になっている。 石灯籠 - 半七もの第二短編。半七が手掛けた最初の事件。成人した「わたし」が引退した半七から、直接に聞いた最初の話でもある。 二人女房 - 半七捕物帳の最終作品。綺堂が執筆した最後の小説作品となった。 白蝶怪 - 半七唯一の長編。時系列は「二人女房」より以前の事件。 綺堂自身の脚色で舞台化し、1926年に六代目菊五郎が演じたのを始め、これらの昔話の巷談は、戦後の話芸においても落語の林家彦六、三遊亭圓生、講談の悟道軒圓玉、物語の高橋博、倉田金昇などの高座で使われた。綺堂は新聞社時代に榎本武揚や勝海舟も訪問しており、この経験が作品に生かされている。経緯は、岡本経一『「半七捕物帳」解説』(青蛙房、2009年)に詳しい。 以下は現行版一覧。 『半七捕物帳』 光文社文庫(全6巻)、新装版2001 『半七捕物帳』 春陽堂書店(春陽文庫、全7巻)、1999-2000 『読んで、「半七」!』、『もっと、「半七」!』〈半七捕物帳傑作選 1・2〉北村薫・宮部みゆき編、ちくま文庫、2009 『半七捕物帳 初手柄編』 ハルキ文庫 2014 『半七捕物帳 江戸探偵怪異譚』 新潮文庫 2019。宮部みゆき編 『半鐘の怪 半七捕物帳ミステリ傑作選』 創元推理文庫 2022。末國善己編 『半七捕物帳 年代版』 まどか出版(全8巻の予定であったが、第5巻で途絶)、2011-2013。注釈、地図、年表など入り、砂川保夫解説
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