偕楽園本園
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偕楽園記碑 1839年(天保10年)、偕楽園の本格的な造園工事に先立って建てられた石碑で、好文亭の東側に位置する。偕楽園の創設者である徳川斉昭自身の作った漢文が刻まれている。表側には偕楽園創設の趣旨が、裏側には園内での当時の禁止事項『禁條』(裏側)が記されている。 仙奕台(せんえきだい) 好文亭の近くにある見晴らしの良い高台であり、偕楽園が整備される際に人々が囲碁や将棋をする憩いの場として設けられた。現在も石に碁盤の目を刻んだ将棋盤、碁盤が残されている。 「奕」とは囲碁を打つことを意味する。 平時は憩いの場として利用していたが、南を中心に広い展望を有していたため、有事の際には砲台として水戸城を守る要害の一部として利用することも考慮されていた。 僊湖暮雪碑 水戸八景のひとつ僊湖暮雪(せんこのぼせつ)を記念して建てられた石碑。僊湖とは千波湖のことで、千波湖の夕暮れ時の雪景色を表している。水戸八景は徳川斉昭が領内の景勝地8箇所を選定したもの。 暁鐘 水戸高等学校 (旧制)の寮の名称が「暁鐘寮」と命名されたことにより、その象徴として1935年(昭和10年)5月に建設された。1943年(昭和18年)6月には、戦時中の金属供出により献納することとなり、「暁鐘歓送式」が執り行われた。現在のものは、開校50年祭に鋳造され茨城県立歴史館に保存されていたものを、開校60年祭記念事業として偕楽園に復元したものである。 南崖の洞窟 第2代藩主光圀から第9代藩主斉昭にかけて、笠原水道の岩樋などに使用された神崎岩という岩を採掘した跡の一つ。周囲にも類似の洞窟が複数見られ、洞窟の奥行は約50m、幅が約5~6mで総延長150mにも及び左右の枝洞も複雑になっている。明治末期頃には住民が涼をとるために利用したり、太平洋戦争の末期には軍用ドラム缶の貯蔵庫としても利用されたりしていた。 吐玉泉 偕楽園の表門から大杉森、孟宗竹林を抜けた南西の崖下にある。約50㎡の空間に常陸太田市真弓産の寒水石(大理石)で作られた湧水施設である。この場所は、造園以前から杉の巨木の下に湧水があり、大田敬恵が寒水石の井筒を設計したと言われている。作り直されており現在の施設は4代目である。 御幸の松 1890年(明治23年)10月、明治天皇・皇后の行幸を記念して植樹されたもの。 左近の桜 見晴広場の中央に植えてあるヤマザクラ。1831年(天保2年)に有栖川宮熾仁親王の王女登美宮吉子女王が徳川斉昭に嫁ぐ際、仁孝天皇から京都御所の左近の桜の鉢植えを賜わった。江戸小石川の江戸藩邸上屋敷に植えられたが、1841年(天保12年)に弘道館が落成するにあたり弘道館正庁前に移植された。この桜は1957年(昭和32年)に枯れてしまったが、1962年(昭和37年)に弘道館の改修工事が完了したのを記念して、茨城県が宮内庁より京都御所で育樹していた樹齢7年、高さ数メートルの樹を弘道館及び偕楽園にそれぞれ植えられた。 孟宗竹林 表門付近の坂道沿いにある数千本におよぶ竹林である。孟宗竹は弓の材料に適していることから、徳川斉昭が1843年(天保14年)に京都の在京役に命じて男山八幡から輸送させて植えた。その際には、竹を京都の土のついたまま運び、似た土の土地に植えるよう指示した。 太郎杉 吐玉泉の近くにあり、幹周囲約4.5m、推定樹齢800年の杉である。 水戸の六名木 1930年(昭和9年)5月、園内の品種から特に優れているものを6品種選定。 烈公梅(れっこうばい) - 徳川斉昭を記念して命名。薄紅色で花弁は卵型に近い。花期2月下旬~3月上旬。 柳川枝垂(やながわしだれ) - 一層淡紅で花はやや小さめ。花期3月上旬。 虎の尾(とらのお) - 白色八重咲。蕾は淡紅色で開花すると白色になる。花期2月下旬。 白難波(しろなにわ) - 白色八重咲で花は中型。花期3月上旬。 月影(つきかげ) - 白色一重咲で花は大型。花期2月中旬。 江南所無(こうなんしょむ) - 深紅の八重咲で花は大型。花期3月中旬。 宮城野萩 見晴らし広場の周囲に植えられている。仙台から取り寄せ植えたと伝えられている。 藤棚 約40平方mに枝が広がる藤棚である。樹齢200年以上と見られている。 観梅碑 向学立志の像 子規の句碑 崖急に梅ことごとく斜めなり 笹の叢 二名匠の碑 菁莪遺徳の碑 茨城百景の碑 本園内の北東側に広がる梅林 本園南面の崖下側にある庭園 吐玉泉 太郎杉 仙奕台 水戸八景のひとつ僊湖暮雪碑 偕楽園記碑 観梅碑 正岡子規の句碑 二名匠の碑 菁莪遺徳の碑
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