ドム・トローペン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 08:59 UTC 版)
OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』およびアニメ『機動戦士ガンダムUC』に登場。メカニックデザインはカトキハジメ。名称の「トローペン」はドイツ語で「熱帯」の意であり、第二次世界大戦のドイツ軍北アフリカ仕様に多数付けられたコード・ネームでもある。 ドワッジと同様に陸戦用としての高い性能が要求され、開発された機体。ドム・フュンフをベースに、ドムの地上における実働データやドム・トロピカルテストタイプの実験データなどを踏まえて再設計した機体で、配備された地域に(アフリカ戦線向けともいわれる)より適応した性能を獲得することに成功している。砂漠地・酷暑地仕様として機体各所に防塵用エア・フィルターや拡張冷却装置が装備されているほか、装甲がブロック化されており内部に入り込む砂の排除を容易にしている。熱核ジェットのインテーク周りの構造などが抜本的に設計し直されており、通常のドムでは脚部に内蔵されていたインテークが足首側面に張り出しているのが大きな特徴となっている。また、エンジンの出力も強化されている。機体重量もドムより大幅に軽くなっており、ホバーによる浮力をより得やすくなっているとともに、武装や推進剤の搭載可能量も増えている。ハード・ポイントも増強されており、さまざまなオプションを装備可能。 キャリフォルニアベースである程度の数が製造され、おもに北アフリカ戦線に配備されている。一年戦争の最末期に生産が開始されたため戦時中に稼働した機体数は決して多くはないが、戦後に公国軍残党によって相当数が運用されたといわれている。標準塗装は紫と濃紺を基調に、モノアイ周辺や肩の一部、コックピット・ハッチが赤で塗り分けられている。 機体構造 頭部 基本構造はドムよりもリック・ドムIIに近く、頭頂部にサブ・センサーが装備されている。 胴体部 重装甲化にともない、胸部拡散ビーム砲が省略あるいは廃止されたとする資料もあるが、左胸にはそれらしきディテールが確認できる。公式ウェブサイトのスペック表には「拡散ビーム砲」の記載があり、拡散ビーム砲と同様に使用する「ビーム・ポイント」であるとする資料もある。 ランドセルは、耐弾性や生産効率よりもメンテナンスやバージョンアップに配慮した構造であり、公国系MSとしては珍しい外観となっている。 脚部 砂漠の砂は粒子が細かいため、通常のドム系のホバー・ユニットよりも効率的に表面効果が得られるように、有効単位面積が拡大されている。 脚部から張り出したインテークにはダスト・フィルターが装備され、細かい砂塵を取り除きエンジン・トラブルを防ぐ。天候などによってダストが多い場合は先端のシャッターを閉じ、円筒部全体のフィルターから吸気する。また、内部にはメッシュやセラミック不織布などの物理的フィルターのほか、電磁誘導装置や遠心分離構造などが組み込まれているため、大小のダストの混入を防止できる。 武装 ラケーテン・バズ RAKETEN BAZOOKA (型式番号:RB-T27/880mm) フォルクス・アルメーエン・ラボラートリウム (VAL) 社製。「ラケーテン」はドイツ語で「ロケット」の意で、「ラケーテン・バズーカ」とも呼ばれる。 リック・ドムII用の880ミリジャイアント・バズの給弾方式を改良したもの。マガジン式となり、装弾数は5発。速射性に優れ、砲身に設置されたレーザー・デバイスによって近距離であれば高精度での誘導が可能。 砲身中央に防御用アーマーを装備し、着脱が可能。 劇中での活躍 『0083』第1話から登場。宇宙世紀0083年10月13日に連邦軍トリントン基地からガンダム試作2号機を奪取するアナベル・ガトー少佐を援護すべく、ゲイリー少尉とアダムスキー少尉の搭乗する2機が撹乱のため基地に突入。ゲイリー機はラバン・カークス少尉のザクII F2型(鹵獲仕様)をヒート・サーベルで両断するが、第2話の撤退時に撃破されている。アダムスキー機は試作2号機およびザメルとともに逃走、コムサイIIで宇宙に上がろうとする試作2号機の警戒に当たり、敵追撃隊に不意討ちを仕掛けディック・アレン中尉のパワード・ジムのコックピットにゼロ距離からラケーテン・バズを撃ち込む。コムサイIIを撃破された試作2号機を援護しつつ再度逃走し、翌14日朝にふたたび戦闘となりチャック・キース少尉のザクII F型の首をヒート・サーベルで跳ねるが、ヒート・ホークで肩口を斬られ、アダムスキーは爆発に巻き込まれ即死する。 第4話では、アフリカのキンバライド基地所属の4機が登場。カラーリングはサンド・ブラウンとサンド・イエローを基調とする。武装は各機異なり、ザク・マシンガン(MMP-80前期型)やザク・バズーカを携行する機体もある。10月23日にザクII F2型とともにアルビオン隊と交戦し、全滅する。 アニメ版『UC』では、0096年のトリントン基地襲撃に1機が参加。カラーリングは上記キンバライド基地所属機とほぼ同様(手の甲など一部異なる)だが、アジア西部から来た機体とされる。MMP-80前期型を携行し、ドワッジやディザート・ザクと編隊を組んでのホバー走行で突撃しながらハンド・グレネードを投擲、敵守備隊のネモを両断する。その後、岩場でジェスタが乗るベースジャバーのメガ粒子砲の直撃を受け撃破される。なお、ドワッジとの彩色ミスを防ぐため、モノアイの色が緑からピンクに変更されている。小説版でもトリントン基地襲撃に参加するが、ニューギニアに潜伏していたヨンム・カークス率いる公国軍残党「シンブ根拠地隊」のヤスが搭乗する機体とされ、撃破の描写はない。漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』でも小説版とほぼ同様。 万乗大智の漫画『機動戦士ガンダム アグレッサー』では、ダイアン・ノイス少佐専用機が登場。頭頂部サブ・センサーが前方に移設され、上部に大型のブレード・アンテナが装備されている。カラーリングは標準塗装と同様。ヒート・サーベルに替わって柄の長いヒート・トマホークを装備する。ガウ攻撃空母に搭載されてジャブロー降下作戦に参加、ジムを少なくとも3機撃破したあと、ジャブロー基地内部に侵入するところをレッドライダーに阻まれる。さらにジム3機を撃破しながらレッドライダーと死闘を繰り広げ、最後は大河の底で行動不能となりながらも捕まえて墜落するガウの道連れにしようとするが、間一髪にツヴァイ・ハンダーで袈裟斬りにされ、ダイアンも生還する。
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